新年のご挨拶 – 会長理事 河野 洋平

 会員の皆様、明けましておめでとうございます。年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

 昨年も、全国の軽種馬生産者の皆様の真摯な努力が実を結び、世界各地で日本馬が活躍し、なかでも世界の競馬でも最も伝統と格式がある英国ダービーにおいて日本産馬が1番人気に支持されるようにまでなりました。

 軽種馬の生産は関係者の創意工夫と運営の努力により、全体として前進を続けています。

 せり市場の売り上げは8年連続して前年を上回り、北海道ばかりでなく青森、千葉、九州を含めて、せり市場での取引馬も2,320頭となりました。これからも国内にとどまらず、海外も視野に入れて更に一層、購買者のニーズに応える市場運営を心がけてゆくべきと考えます。

 幸いにして国内の勝馬投票券の売れ行きもインターネット投票が好調で、中央競馬は1%台後半、地方競馬は8%台の伸びを見せており、引き続き上昇を続ける状況にあることは、競走馬を供給する生産者にとって何より嬉しいことであります。

 こうした状況のもとで協会としては将来を見据えた計画を立てることが重要です。

 本協会の種牡馬事業はここ数年、種牡馬の世代交代を積極的に行っております。昨年のザファクターに続き、今年も世界のトップサイアーであるウォーフロントの直仔のデクラレーションオブウォーを導入いたしました。また、会員の皆様によりご活用いただけるよう、種付料の割引や種付権利を無償贈呈する制度なども設けております。中軸のケープブランコ、ヨハネスブルグ、バゴなどの産駒にも、本年の活躍が期待できる産駒が出ております。これからも皆様のご要望に応えられますよう引き続き努力して参ります。

 一方、昨年馬産地は、大変な自然災害に見舞われ、多くの被害を被った年でもありました。7月の豪雨や9月に発生した北海道胆振東部地震、幾度もの台風の上陸など生産者の皆様や生産馬の生命・健康にかかわり、競走馬の生産活動にも支障をきたす重大な災害でありました。それにもかかわらず被災された生産者の皆様が、復興に向け互いに協力し、前を向いて生産に取り組んでいるとお聞きし、大変力強く思っています。本協会も復興に向けた支援や労働力の問題などについて関係団体と協力し、全力で取り組む所存であります。

 新しい年も中央、地方の競馬の活性化に貢献できるよう競走馬の生産振興に熱意を持って取り組み、国及びJRA、NARなど関係団体並びに地域社会とも連携し、軽種馬生産界の発展に資するという公益の役目を果たして参ります。

 本年が皆様にとって素晴らしい年になるよう祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

会長理事
河野洋平