JBBA NEWS

2025年3月号(VOL.626)

最新の第363便は「手紙」烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 1965(昭和40)年、東京の赤坂にある貴金属販売会社で働いていた私は、翌年からの札幌営業所勤務を命じられた。30歳の私は、妻と3歳の娘と飛行機に乗った。当時は北海道新聞に、羽田から飛行機に乗った人の名簿が載っていたのが、今から考えると不思議である。狸小路5丁目、札幌市中央区南3条西6丁目、グランドビル6階に住み、函館へ、旭川へ、帯広へ、釧路へと、月に一度、真珠のネックレスの束が重い鞄を下げ、列車で出張する日々が始まった。まだ、車社会へ移行する初めの段階だったかなあ。(中略) 世の中が変わって、どんどん変わって、ネット社会になって、ええ?何?てがみ?てがみって何よ?と言われてしまいそうだけれど、SNSとかAIが主役の令和7年になっても、私の家にはけっこう手紙はやってくるし、私は毎日のように手紙を書いてポストへ歩いている。手紙をもらうこともうれしく、手紙を書くこともうれしく、手紙は私の人生の音楽だ。人はそれぞれの生き方で、人生と向き合っている。なるべく元気に、なるべく明るく生きていたいと願う私の、ひとつの方法が、手紙を書くこと、手紙をもらうことなのだ(略)

第168回は「恩返し」第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 現役を引退したウォーターピオニーがドレフォン(USA)と交配して、21年に誕生した初子が東京新聞杯を勝ったウォーターリヒトである。河内調教師は、マチカネハヤテ、ウォーターピオニー、ウォーターリヒトと親子3代にわたり、約20年間、この血統を育ててきた。調教師引退の年に開業間もない時に活躍した牝馬の3代目が重賞勝ちをプレゼントしてくれる。映画か小説の筋書きにしても出来すぎた話だ。このレースを見ていたベテラン競馬記者は「競馬の神様っているんだね」と感想をもらした。競馬の世界で働く人々はよく言う。「愛情をかけて育てれば、馬は必ず恩返しをしてくれる」マケズギライもウォーターリヒトも、長年かけて、その血統を育ててくれた馬主や調教師の恩に報いようと、実力以上の力を発揮したのかもしれないと筆者。

第3回は『ガルカドール(FR)』JBBAスタリオンズ名鑑 ~歴史を紡いだ種牡馬たち~

山田 康文/やまだ やすふみ

 父ジュベル(1937年生、仏国産、父トウルビヨン)は第2次世界大戦中に活躍した名馬で、1940年(昭和15年)のダービーは戦火を免れるために出走を取り消したと言われているが、英2000ギニーと5歳時に凱旋門賞に勝つなど通算成績は22戦15勝2着5回3着2回。種牡馬としても仏国チャンピオンサイアーに複数回なるなど大成功した。日本にもなじみの深い父系で、マイバブ(1945年)を通して1971年にチャンピオンサイアーとなったパーソロン(IRE)ほか、クラリオン(1944年生)からはタニノチカラの父ブランブルー(FR)やビゼンニシキなどの父ダンディルート(FR)、ミホノブルボンの母の父シヤレー(FR)などが輸入されている。日本到着後、ガルカドール(FR)は北海道の日高種畜牧場に配置され、明けて13歳となった1960年(昭和35年)から種牡馬生活に入り、1962年(昭和37年)からは青森県の日本軽種馬協会七戸種馬場に移動し3シーズンを過ごしたのち1965年(昭和40年)に千葉県の日本軽種馬協会三里塚種馬場に移動し、22歳となった69年(昭和44年)まで種付けの記録が残っていると筆者。

第195回は『研修会からの研修会 PARTⅣ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 胆振軽種馬農業協同組合事務局の高橋啓太氏は、優れたブレーンならぬ、ドラえもんでいうところの「出木杉君」的な存在なのだろう。その高橋氏が司会者である、見た目はジャイアン、中身はのび太君である自分に対して、何から何までお膳立てをしてくれたのが、「来年度の種付シーズンに向けて~血統のプロたちによる最新種牡馬解説~」(日本軽種馬青年部連絡協議会主催)である。会議に先駆けて幾度となくグループLINEでの情報交換や、Zoomを使っての打ち合わせも行ってきたのだが、研修会の開催当日にも最終の台本確認を行う念の入れようだった。会場に入ると、長方形に机がセットされており、短辺の片側に司会者とパネラーの席が用意されていた。椅子の数を見たところ、参加者の数はざっと30名ほど。その中には取材などで頻繁に顔を合わせているホースマンだけでなく、日本軽種馬協会の山岸直樹事務局長や、2024年度のJRAの生産地研修生の姿も見られたと筆者。

第195回は『季節外れの採用活動』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 以前にも書いたが、筆者は株式会社日刊競馬新聞社の人事を兼任している。人事と言ってもほとんどワーキングローテーションのない弊社だけに、主に採用が中心である。採用に関わっている期間は長い。はじまりは入社3年目だから27年ほど前にさかのぼる。当時採用を担当していた上司の応募書類整理係に任命?されてからだ。その上司は個人情報保護が叫ばれる昨今ではありえないぐらい管理が杜撰で、提出していただいた応募書類をポイっと机の上に積みっぱなし。紛失したわけではなく、会社の机の上のどこかに積まれてあるのだが、ゲラや書籍等々でうず高く積みあがったその「地層」から探し出すのは至難の業だった。当然必要な時にすぐ出てこないから、その都度コピーする。最悪であると筆者。

協会会議

・2025年(令和7)年度第1回理事会

海外情報

2024 エクリプス賞(北米競馬年度表彰)

トピックス

・2025年 JBBA種牡馬展示会
・JBBAからのお知らせ 2025(令和7)年度通常総会の開催と委任状、議決権行使書面について
・2024 生産関連統計
・2024 JPNサラブレッドランキング
・2025 海外主要競走日程
・2023年軽種馬の全国農業産出額は763億円
・2025年せり市場開催日程(予定)
・オーストラリア研修記①

地方競馬ニュース

・2025年1月 地方競馬場の売り上げ
・地方競馬開催日程 2025年【4月~6月】
・2024年地方競馬で実施されたダートグレード競走の年間レースレーティング

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

生産関連ランキング

・2025年2月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・十勝連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2025.1.15 ~ 2025.2.17)

刊行物紹介

・種牡馬DVD『STALLIONS IN JAPAN 2025』
・『2024軽種馬統計』

表紙

・第42回フェブラリーS(GⅠ)優勝 コスタノヴァ
・コスタノヴァ紹介
・JBBAの種馬事業に関するアンケート
・2024軽種馬統計

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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