新年のご挨拶 – 会長理事 河野 洋平

 会員の皆さま、新年あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年、本協会は創立70周年という節目を迎えました。記念式典は多くの皆さまのご臨席を賜り、これまでの歩みを振り返るとともに、本協会に課せられた社会的使命を再確認する貴重な機会となりました。長年にわたり本協会を支えてくださった会員の皆さまや関係機関への感謝を改めて胸に刻み、次のステージに向けた着実な一歩を踏み出す節目の式典とすることができたと思います。

 さて、昨年は、中央・地方競馬とも引き続き売り上げは好調に推移し、軽種馬せり市場でも堅調な成績が続くなど、軽種馬生産界にとっては安定した一年となりました。

 そのようななか、昨年はアメリカンファラオ(USA)とタガノビューティーの2頭を本協会の種馬場に迎えることになりました。とりわけ、会員の皆さまから要望が高かった米国三冠馬アメリカンファラオ(USA)を導入することが出来ましたことは大変喜ばしいことと考えています。期間は限られていますが、日本競馬への優れた適性を有する世界的名馬の導入は、日本生産馬の質の向上はもちろんのこと、そして国内サラブレッドの遺伝子プールの多様化の観点からも、わが国の軽種馬生産界の将来に大きく寄与する意義ある取り組みになると確信しています。できるだけ多くの会員の皆さまに、平等かつ公平にご活用いただけるよう努めてまいりますので、静内種馬場の種付業務へのご理解ご協力をお願いします。また、70年の節目を契機とし八戸市場および九州市場の発展に資するべく、「小規模市場振興奨励事業」を軽種馬生産育成総合対策事業のなかで実施することになりました。北海道を中心に活況を呈する軽種馬産業ですが、東北および九州の生産の維持拡大を図り、わが国の軽種馬生産の多様性を維持することは日本軽種馬協会に課せられた大切な社会的使命の一つでもあります。

 一方で、ここ数年の好景気に伴い、生産頭数は増加の一途を辿っていることが懸念されます。昨年の軽種馬の生産頭数は20年ぶりに8,000頭を超え、一昨年の生産頭数を大きく上回ることが確実となっております。北海道市場は3年連続で180億円を上回る成績となりましたが、上場頭数が増える一方で売却頭数は頭打ちになっております。今後の生産頭数については、目先の利益に惑わされずわが国の競走馬の需給バランスを慎重かつ冷静に分析し、適切に対処することが求められるステージに至ったことを私たちは自覚しなくてはなりません。かつて経験した生産過剰の弊を繰り返すことは、将に愚の骨頂です。また、近年はアニマルウェルフェアへの社会的関心が高まっており、国際的にもその取り組みが重視される時代となっています。競走馬の生産から育成、競走、引退後に至るまで、競走馬の福祉に配慮した適切な管理が業界の責務となり、競馬産業が社会から信頼され国民から支持される産業であり続けるにはその忠実な履行が求められる時代になりつつあるのです。その他にも慢性的となっている担い手不足など、我々がまだまだ取り組まなければならない課題は山積しています。本協会としては、会員の皆さまの声を伺いながら、持続可能な軽種馬生産に向けた取り組みを進めてまいります。

 昨年の米国ブリーダーズカップ・クラシックにおいて、日本産馬フォーエバーヤングが日本馬として初めて優勝するという歴史的快挙が生まれました。世界最高峰の舞台での勝利は、わが国の生産馬の質が世界最高水準にあることを改めて示したものであります。

 本年も、創立70年の歴史の中で築いてきた土台の上に新たな歴史を刻むべく、世界のホースマンに誇れるサラブレッドがわが国で生産され続けるよう、会員の皆さまとともに邁進していきたいと役職員一同気持ちを新たにしております。

 本年は12年に1度の午(ウマ)年にあたります。軽種馬産業の更なる発展と会員の皆さまの益々の飛躍を心より祈念し、新年年頭のご挨拶とさせていただきます。

会長理事
河野洋平