JBBA NEWS
2025年9月号(VOL.632)

最新の第369便は「昔話」烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
近くまで来たから顔を見に寄ったと、植木屋のトベさんが玄関先に。暑いねえ。ひと休みして行きなよと私が言い、トベさんが家にあがってコーヒーをのんだ。トベさんは喜寿。まだ小型トラックを運転して仕事もしている。「おれがテレビを見ながら、何か食ってる番組が多すぎるってケチをつけたら、今年大学生になった孫娘が、じいちゃんはオワコンだから仕方ないよねって言うんだ。(中略) でも、時代の流れは早くって、結婚とか、ひとつの会社で人生を終えるサラリーマンとかもオワコンと言われてたけど、オワコンという言葉も、もう古いのかも」と私が言い、「そのうち、植木屋なんかいなくなる世の中になるのかねえ」とトベさんが笑った。(略)
第174回は「4代」第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
2025年8月8日、北海道新冠町の明和牧場で余生を送っていたグラスワンダー(USA)が高齢から来る多臓器不全のため30歳の生涯を閉じた。尾形充弘調教師に育てられ、1997年の朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS)、98、99年の有馬記念、99年の宝塚記念とGⅠ4勝を含め15戦9勝の成績を残した。特に2歳シーズンの4戦は鮮烈だった。デビュー戦が3馬身差、続くアイビーSが5馬身差、3戦目の京成杯3歳S(当時)が6馬身差と条件が高くなるほど2着馬との差を広げていった。そして朝日杯3歳Sだ。単勝オッズ1.3倍の圧倒的な1番人気で臨んだレースは1000メートル通過が57秒1というハイペースで流れた。中団で構えていたグラスワンダーは的場均騎手の手綱に促され、3コーナー手前からスパート開始。最後の直線では粘るマイネルラヴ(USA)を2 1/2馬身抑えて優勝、デビューからの連勝を4に伸ばした。マークしたタイムは中山競馬場の芝1600メートルで1分33秒6。その7年前の朝日杯3歳Sでリンドシェーバー(USA)がマークした1分34秒0を0秒4更新する2歳のコースレコードだった。2レース前に行われた古馬3勝クラスの市川Sの勝ちタイムはグラスワンダーより0秒7も遅い1分34秒3だったと筆者。
第9回は『ワラビー(FR)』JBBAスタリオンズ名鑑 ~歴史を紡いだ種牡馬たち~
山田 康文/やまだ やすふみ
日本中央競馬会によってワラビー(FR)が輸入された1963年は、シンボリ牧場がパーソロン(IRE)を、浦河の民間シンジケートがネヴァービート(GB)を導入したほか、鎌田三郎氏が組合長を務めていた日高軽種馬農業協同組合がダラノーア(FR)を、日本軽種馬協会胆振支部がラヴァンダン(FR)を輸入するなど、のちのち日本の生産界に大きな影響を伝える種牡馬が多く輸入された年でもあった。また、東京オリンピックの開催を翌年に控えたこの年、創立から10年目を迎えた日本中央競馬会は大きな過渡期を迎えていた。1961年7月に発表された、いわゆる「長沼答申」によって6枠連単制から8枠連複制へ。その翌年にはタカマガハラが日本産、日本調教馬として初めて米国のワシントンD.C.インターナショナル競走に出走するなど競馬が単なるギャンブルではなく、国際的なスポーツとしての一面をアピールしていたと筆者。
第201回は『津波警報 PARTⅠ』北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
7月30日(水)にカムチャツカ半島東方沖で起こった、マグニチュード8.8の地震。太平洋側の各地で津波警報が発表されただけでなく、根室市の花咲では0.8m、岩手県の久慈港には1.4mの津波が押し寄せた。日高管内や胆振管内にも数十センチの津波が記録された中、警戒レベルが最大の「緊急安全確保」を発令されたのが浦河町だった。その日、筆者は浦河町へと向かっていた。もちろん、物見遊山などではなく、取材があったからなのだが、道中で何度も車を引き返そうと考えていた。話は30日の午前8時半まで遡る。その日の14時半から浦河の牧場で取材が入っていたのだが、テレビの画面に津波注意報と表示されたのを見て、何が起こったのかと思った。北海道では最大震度2を記録した地域もあったようだが、筆者の住む札幌では全く揺れを感じなかった。それにもかかわらず津波注意報が発令されたのは、国外で大きな地震があったことに他ならないと筆者。
第201回は『2歳戦』馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
8月20日、浦和競馬場で南関東では今年最初の2歳重賞、第3回ルーキーズサマーカップが行われた。9頭立てと少頭数になり、船橋のアムールピスケスが1番人気、地元浦和の牝馬アンジュルナが2番人気、川崎のロードレイジングが3番人気に、それぞれ推された。レースはコパノワイアットが先手を奪い、2番手にカンターレ、3番手にアムールピスケスとアンジュルナ。前半37秒0、上り38秒1のほぼ平均ペースとなったが、スタートでやや後手を踏み後方インコースを追走したロードレイジングが、3コーナー手前から進出して4コーナーで2番手に押し上げ、直線抜け出すと粘るコパノワイアットに3馬身の差を付け、デビュー以来3戦3勝で今年最初の2歳重賞勝ち馬となった。南関東の2歳重賞は、かつてはもっと遅い時期に行われていた。大井ならハイセイコー記念(2000年まで青雲賞)、川崎なら鎌倉記念(現在の条件は2001年から)、船橋なら平和賞といった“緒戦”があり、暮れの全日本2歳優駿へと続く一連の流れを形成しており、その前哨戦として2歳一組の競走や準重賞が置かれていたと筆者。
せり市場成績
・北海道サマーセール サラ1歳
海外ステークスウイナーズ
愛オークス | Minnie Hauk、粘るWemightakedlongwayをねじ伏せて英愛オークス二冠達成 |
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ハスケルステークス | Goal OrientedとGosgerの直線での激しい攻防を、Journalismが後方一気で差し切り戴冠 |
K.ジョージ6世 & Q.エリザベスS | Calandaganが後方からの差し切りV、Francis Henri Graffard調教師は2年連続の戴冠! |
海外情報
2024-25 AUS/NZ サイアーズランキング(賞金順)
・オーストラリア(AUS) 2024-25 総合
・オーストラリア(AUS) 2024-25 2歳
・オーストラリア(AUS) 2024-25 ブルードメアサイアー
・ニュージーランド(NZ) 2024-25 総合
トピックス
・2025年生産地懇談会総括
・JBBA生産育成技術者研修 2025年牧場説明会のおしらせ/2025年度第47期生産育成技術者研修 進捗状況
・2025年上半期 JPNサラブレッドランキング発表
・JRAからのお知らせ 引退競走馬に関する取組みについての紹介ページについて
法律問題Q&A
・軽種馬取引の法律問題Q&A 第1回
種牡馬事業
・2025年JBBAサラブレッド種牡馬種付頭数
・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)
地方競馬ニュース
・2025年7月 地方競馬場の売り上げ
・第25回JBC実施要綱
・Road to JBC
・地方競馬所属別在籍頭数/サラ系統(2025年7月1日現在)
・地方競馬開催日程 2025年【10月~12月】
生産関連ランキング
・2025年8月各種ランキング
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・十勝案内所(連絡センター))
The First Win
JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2025.7.21 ~ 2025.8.17)
表紙
・第61回札幌記念(GⅡ)優勝 トップナイフ
・デクラレーションオブウォー (USA)産駒 トップナイフ紹介
・ジェイエス繫殖馬セール
・北海道市場セプテンバーセールポスター
カラーグラビア
・JBIS 北海道市場セプテンバーセール 3日連続生中継
・JBIS せりカタログをスマホで持ち歩こう!
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc
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