JBBA NEWS
2025年7月号(VOL.630)

最新の第367便は「セツカク」烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
バッハの曲を聴いたばかりで、バッハには申しわけないのだが、ブランデンブルク協奏曲が、私のなかで「せっかく生まれてきたのだから」という曲名に変わっている。私の父(1900-1968)は埼玉の村で生まれ、小学校も卒業しないうちに、町の薬店へ奉公に出されてしまった。つらい日日だったが働き者だったのだろう。15歳ぐらいの時、薬店に営業で来ていた薬品問屋の社員にスカウトされ、東京神田の薬品問屋に移り、そこでも働き抜いたのだろう、25歳で独立した。(中略) 口数の少ない父だったが、せっかく私立の進学校へ行ったのに勉強が嫌いな私を心配したのか、高校3年生の私に、「人間には働き者と怠け者がいる。せっかく生まれてきたんだから働き者になれ。働き者になれば食っていける。せっかく生まれてきたんだから」と酒をのみながら、めずらしく、これだけは言っておくぞという顔で言った。「せっかく生まれてきたのだから」という言葉は私の頭に叩きこまれた。何があっても、「せっかく生まれてきたのだから」という思いがついてまわり、それに怠け者でなく、働き者でいなければという思いは、私の人生を救ってくれた。(略)
第172回は「ルール」第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
第92回東京優駿、日本ダービーが終わった。2025年6月1日、東京競馬場の芝2400メートルを舞台に行われたレースは1番人気のクロワデュノール(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が優勝した。父キタサンブラック、母ライジングクロス(GB)の血統を持つクロワデュノールは通算5戦4勝、これで東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)、ホープフルS(GⅠ)に続く重賞3勝目とした。キタサンブラック産駒はダービーに強く、初年度産駒のイクイノックスが22年に2着になり、翌23年もソールオリエンスが2着になった。通算4頭目の出走となったクロワデュノールが優勝した。ダービーでのキタサンブラック産駒の成績は【1201】という優秀なものだ。来年以降もキタサンブラック産駒が出走してくれば、馬券を買った方がいいと思えるほどだと筆者。
第7回は『ロイヤルチャレンヂャー(IRE)』JBBAスタリオンズ名鑑 ~歴史を紡いだ種牡馬たち~
山田 康文/やまだ やすふみ
日本に初めて輸入されたネアルコ系種牡馬は1957年に東牧場によって輸入されたアドミラルバード(GB)と言われているが、それから4年後の1961年に輸入されたのが、今回紹介するロイヤルチャレンヂャー(IRE)。大種牡馬ネアルコNearco(ITY)の代表産駒としてナスルーラNasrullah(GB)と並び称されるロイヤルチャージャーRoyal Charger(GB)の直仔で、日本競馬史上初めて有馬記念2連覇を達成したスピードシンボリの父だ。その現役時代は第二次大戦中の英国で2~3歳時に10戦して4勝、2着2回、3着2回。2歳5月のデビュー戦こそ着外に終わっているが、続くフェンウルフS(芝6ハロン)、チェスターフィールドS(芝5ハロン)をともに5馬身差で勝利すると、かつて英三冠馬バーラムBahram(GB)や英国三冠牝馬サンチャリオットSun Chariot(IRE)、英ダービー馬ダンテDante(GB)らが2歳競馬の最終戦に選んでいるミドルパークS(芝6ハロン)で、のちの英2000ギニー優勝馬で英ダービー3着ダリウスDarius(GB)を破って2歳競馬を4戦3勝で終えていると筆者。
第199回は『ゴールデンウイークは千葉へ PART Ⅱ』北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
三里塚という場所は、成田空港をこの地に建設する際に、反対運動が起こった場所として認識していた。だが、その以前には宮内庁下総御料牧場が、この場所にあっただけでなく、明治天皇が行幸した際に競馬を観戦したコースの跡が、そのまま住宅地の道路として使われている。宿泊地となったホテルの周りに何かないかと思い、グーグルマップのアプリを開いた際に千明牧場の三里塚分場と、そのすぐそばにはコースの跡が確認できた。「とみさと未来馬フェスタ」のイベントに呼ばれなければ、この地に足を運ぶ機会は無かっただろう。そう思うと、競馬の神様が導いてくれたのかもしれないとも思えてきたと筆者。
第199回は『レコードタイム』馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
6月14日から始まった夏の函館開催。開幕週の話題を集めたのは芝1000mの2歳レコード、芝1200mの2歳レコード、そして芝1200mのコースレコードの更新だった。特に芝1000mの2歳レコードタイムはなんと46年ぶりの更新とあって大きな話題となった。1回函館1日の5R、芝1000mの2歳新馬戦で1番人気に推された池添謙一騎手騎乗のカイショーが逃げ切り勝ち。勝ちタイムはあのハギノトップレディが1979年に記録した57秒2を0.8秒更新する56秒4。さらにこのタイムは1997年にソロシンガーが記録した57秒0の函館芝1000mのコースレコードも0.6秒更新していると筆者。
協会会議
・2025(令和7)年度第2回理事会
・2025(令和7)年度第1回軽種馬海外流通促進事業会議
せり市場成績
・九州1歳市場 サラ1歳
海外ステークスウイナーズ
愛2000ギニー | Field Of Gold(IRE)が英2000ギニーでの惜敗を払拭する圧巻の走りで完勝。Kingman(GB)産駒のJuddmonte所有馬によるワンツーフィニッシュ |
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愛1000ギニー | 英1000ギニー6着から巻き返し、Lake Victoria (IRE)が残り1Fで抜け出し完勝 |
仏ダービー | 最内枠から鋭く抜け出したCamille Pissarro (IRE)が、Cualificar(IRE)の追撃を半馬身差で凌ぎ切り戴冠 |
英オークス | Minnie Hauk (IRE)が僚馬Whirl (IRE)との接戦を制し、Aidan O'Brien調教師11度目のオークス制覇 |
英ダービー | Lambourn (IRE)が先行押し切り、Aidan O'Brien調教師にとって11度目の英ダービー制覇 |
ベルモントステークス | KYダービー馬Sovereignty (USA)がプリークネスS 勝馬Journalism(USA)を完封し2冠達成 |
種牡馬事業
・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)
地方競馬ニュース
・地方競馬場別サイアーズランキング(1~6月)
・2025年5月 地方競馬場の売り上げ
生産関連ランキング
・2025年6月各種ランキング
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・千葉案内所(連絡センター))
The First Win
JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2025.5.17 ~ 2025.6.16)
刊行物紹介
・日本の競馬 総合ハンドブック2025
表紙
・第92回日本ダービー(GⅠ) クロワデュノール
・クロワデュノール紹介
・2026年度(第48期)生産育成技術者研修生募集案内
・北海道市場セレクションセールポスター
カラーグラビア
・JBIS Live 中継 北海道市場セレクションセール
・JBISせりカタログをスマホで持ち歩こう!
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc
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