JBBA NEWS

2025年5月号(VOL.628)

最新の第365便は「言葉たち」烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 20代の初め、私は京都でバーテン生活をしていた。その酒場のカウンターに、よく京都大学の文学部の教授が座り、若い人を相手にして語っていた。ハンパに大学をやめ、東京から京都へと流れついていた私にとっては、その話を盗み聞きするのが、とてもうれしい授業だった。(中略) 翌日私は大学ノートを買い、表紙に「言葉たち」と書き、仕事からアパートに帰ると、その日に聞いた他人の言葉で気になったものを書くのが習慣になった。その習慣は、88歳になった今でも続いているので、「言葉たち」と表紙に書いた大学ノートは、いくつものダンボールに詰めこんであり、ダンボールの外に、それを書いた年代もマジックペンで書いてある。(略)

第170回は「ハイジ」第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 エンブロイダリーの3代母はビワハイジだ。95年に新馬、札幌3歳S(当時)、阪神3歳牝馬S(現阪神ジュベナイルフィリーズ)と3連勝し、3歳時には日本ダービーに挑んだ逸材だった。98年1月のレースを最後に現役を引退し、繁殖牝馬になると素晴らしい結果を残した。12頭の産駒を出産し、このうち6頭がJRAの重賞勝ち馬になった。年齢順に挙げるとアドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、ブエナビスタ、トーセンレーヴ、ジョワドヴィーヴル、サングレアル。6きょうだいが重賞勝ち馬という例はほかにない。繁殖牝馬ビワハイジだけが持つ記録だ。エンブロイダリーの祖母アーデルハイト(父アグネスタキオン)はこのきょうだいの1頭だ。1戦未勝利で引退したアーデルハイトの2番目の産駒が牝馬ロッテンマイヤーだ。クロフネ(USA)を父に持つロッテンマイヤーは中央競馬で14戦3勝の成績を残した。繁殖牝馬になって2番目に産んだのがエンブロイダリーであると筆者。

第5回は『ライジングフレーム(IRE)』JBBAスタリオンズ名鑑 ~歴史を紡いだ種牡馬たち~

山田 康文/やまだ やすふみ

 ライジングフレームの父ザフェニックスThe Phoenix(GB)は当時、人気を博していたサイリーン系の愛国2冠馬で、ネアルコNearco(ITY)直仔の母は愛オークス優勝馬のアドミラブルAdmirable(IRE)という血統だ。のちに世界中にその血を広げるネアルコの血を導入出来たことは大きい。一般的に「スプリンター」と称されることが多いライジングフレームだが、ダービー馬とオークス馬の配合で、自身もマイル戦で4勝を挙げているほか英国の2000ギニー5着、ダービーともに5着というからスプリンターというよりも「マイラー」と表現すべきだろう。ちなみに、ライジングフレームが5着と敗れた英国ダービーを勝ったのは、前々回に紹介したガルカドール(FR)だ。そんなライジングフレームは、戦中、戦後を通して滞留していた日本の血統を一掃する、まさに日本の生産界に突如として現れた黒船的存在だったと筆者。

第197回は『七戸種馬場の種牡馬展示会 PART Ⅱ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 今年の3月1日に七戸種馬場で開催された種牡馬展示会。この時期この場所では16年ぶりの開催となったのだが、展示会が開始される1時間も前から、会場には多くの来場者が詰めかけていた。その来場者のお目当てとなっていたのが、現役時からの人気の高さに加えて、昨年の12月に「ウマ娘プリティーダービー」に実装されてから、更に注目を集めることとなったウインバリアシオンである。今回の種牡馬展示会に際しては、事前に一般来場者も入場可能との周知がされていた。そこに開催日が土曜日となっただけでなく、東北新幹線の七戸十和田駅からも徒歩圏内にある、七戸種馬場のアクセスの良さも手伝う形で、多くの来場者を呼び寄せる形となったのだろうと筆者。

第197回は『コンテンツの行方』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 サブスクが一般的になる前は、コンテンツのダウンロード販売が主流だった。音楽や映画のデジタル販売をしているサイトで、あるグループのアルバムを購入した。10年ほど前の話だ。そして今年に入り、そのグループのサブスクが開始された。しかし、探してみたが筆者がかつて購入したアルバムが見つからない。サブスクの対象になっていなかったのだろう。久々に聴いてみたくなり、再ダウンロードしようと思ったのだが、探しても見つからないのである。ダウンロード販売のコンテンツは、1度購入すれば何度でもダウンロード出来るはずなのだが、サブスク開始と同時に消されたようだ。理由は分からないが、たまにそういう事がある。別の音楽グループの曲をダウンロードで購入したが、そのグループのメンバーが不祥事で逮捕され、一時期そのグループのコンテンツが購入、再ダウンロード出来なくなったことがあった。今は復活しているが、この時購入されたデジタルコンテンツは果たして所有と言えるのかどうか、少し疑問に思ったと筆者。

2025年供用予定種牡馬

・2025年に全国で供用が予定されている種牡馬308頭を一挙掲載!

トピックス

・2025(令和7)年度通常総会を終えて (公社)日本軽種馬協会 副会長・常務理事 上野 儀治
・中央競馬と地方競馬 交流競走の実績について(2024年) JRA番組企画室
・JBBA2025年度(第47期)生産育成技術者研修開講
・JBBAからのお知らせ 2025年産駒報告書の発送につきまして
・オーストラリア研修記③
・競馬学校『学校説明会』の開催 ~未来のジョッキーを目指せ!~
・JRAからのお知らせ 2025(令和7)年度軽種馬生産地関連研修を実施
・JRAからのお知らせ JRA生産者賞
・日本装削蹄協会 2026(令和8)年度装蹄師認定講習会受講生募集
・担い手飼養管理集中研修 参加者募集のご案内

生産対策関連

・2025年度 所管事業の概要紹介 公益社団法人日本軽種馬協会 生産対策部
・2025(令和7)年度 競走馬生産振興事業「振興のしおり」

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2025 G/JpnⅠ(ジーワン)グランドボーナスの実施について
・2025年3月 地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

・2025年4月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2025.3.23 ~ 2025.4.21)

表紙

・第43回ニュージランドトロフィー優勝 イミグラントソング
・ニュージランドトロフィー優勝 イミグラントソング紹介
・2025九州1歳市場ポスター
・2025北海道市場トレーニングセールポスター

カラーグラビア

・2025(令和7)年度 NAR生産牧場賞
・2024(令和6)年度地方競馬ダートグレード競走優勝馬生産牧場
・JBIS 北海道市場トレーニングセール 生中継
・JBIS 千葉サラブレッドセール 生中継
・JBBA種牡馬マクフィ(GB)産駒 福島民報杯(L)優勝シリウスコルト
・JBISせりカタログをスマホで持ち歩こう!

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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