JBBA NEWS

2024年11月号(VOL.622)

最新の第359便は「私的競馬史」烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 2024年9月29日、第58回スプリンターズSは、西村淳也騎乗、16頭立て9番人気のルガルが勝った。馬名はシュメル語で「王」。シュメルは、メソポタミアにおこり、バビロニア、アッシリア文明の母胎となった最古の都市文明となった名。24度目のGⅠ挑戦で初めて勝った西村騎手はゴール後のルガルの背で泣き、ヒーローインタビューで何度も、「レースのことは何もおぼえていません」とコメントし、「幸せです」も連発した。競馬は、そういうことでもあるよなあと、私も少し息詰まるように西村騎手の声を聞いた。(中略) 1983(昭和58)年、東京に戻って競馬のことを書くようになり、加藤和宏騎乗アンバーシャダイが春の天皇賞を勝った祝いの会で、それまで言葉を交わしたことのなかった吉田善哉に「あなたをどこかで見かけてるなあ」と声をかけられたのがきっかけで交流が始まった。社台ファームは千葉の富里に牧場があり、よく吉田善哉のお供で東京から一緒に車で行った。車に電話がついた時の吉田善哉のうれしさを忘れられない。吉田善哉はいつだって社台ファームの馬の状況を知っていたくて、白老へ日に何度も電話するのだ。その連絡が思いどおりに出来るのがうれしくてたまらないのだ。(略)

第164回は「帰郷」第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 シュヴァリエローズは父ディープインパクトという血統だ。ディープインパクト産駒はこれがJRA重賞294勝目で、24年の5勝目となった。294勝の内訳は芝285勝、ダート2勝、障害競走7勝となる。平地では、牡馬は178勝、牝馬は108勝、セン馬が1勝を挙げている。ダービー7勝をはじめ皐月賞3勝、菊花賞5勝、桜花賞5勝、オークス4勝でクラシックは歴代8頭目の全勝。クラシック全勝種牡馬はディープインパクト以前に7頭いた。トウルヌソル(GB)、プリメロ(GB)、セフト(IRE)、ヒンドスタン(GB)、パーソロン(IRE)、ブライアンズタイム(USA)、サンデーサイレンス(USA)だ。クラシック全勝は内国産種牡馬としては初の快挙で計24勝は歴代最多記録だ。また初年度産駒のマルセリーナ(11年桜花賞)から22年菊花賞のアスクビクターモアまで12世代すべてでクラシック制覇を果たすというのも空前の大記録だった。19年に17歳でこの世を去ったディープインパクトの産駒は現4歳が最終世代だ。24年10月14日現在、JRAに登録のある現役競走馬は84頭にまで減った。4歳馬は数も少なく残っているのは3頭。直子が走るのを見られるのも残るは3年ほどだろうと筆者。

第176回は 「今の競馬界に感じること~少し距離を置いて~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 競馬の騎手を目指したのが中学生の時。高校を卒業と同時に競馬学校へ入学をし、1996年に騎手デビュー。そして2001年に引退をしました。6年の短い騎手生活でしたが、私にとってはとても長く感じた年数。毎日、何かに怯え、泣き、悲壮感漂う日々でしたし、縁故関係のない私が競馬の世界を目指した時から騎手になるための時間に全て注がれていたことを考慮すると12年。年間3勝を挙げるのが精一杯で、年々騎乗馬を確保するのも大変な状況に…。引退を決めた時は、失恋したかのような心境になり、競馬を見ることもできませんでした。と同時に、実績もない私が今後、何をすべきか考えた際、高校を卒業した時点に戻って、新たな道への再出発を決めていましたと筆者。

第191回は『まさかの冠』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 生まれて初めて、佐賀競馬場に行ってきた。11月4日(振月)、佐賀競馬場ではJBC競走(JBCレディスクラシック、JBCスプリント、JBCクラシック)が開催される。その際、同日にJBC2歳優駿が行われる門別競馬場との、コラボキャンペーンが実施されることとなった。その一環として佐賀競馬YouTubeチャンネルの「SAGAリベンジャーズ」に出演中のJRA元騎手の佐藤哲三さんと、タレントの藤江れいなさんが、8月27日(火)に門別競馬場へ来場。ホッカイドウ競馬YouTubeチャンネルの「なまちゃき」に出演して、予想対決を行った。そのお返しという形で、9月29日(日)には「なまちゃき」解説者である筆者と、番組のMCを務めるmikuさんが佐賀競馬場へと乗り込み、「SAGAリベンジャーズ」へと出演する運びとなったのだ。筆者が九州の地を踏むのはこれで3回目となる。その内容に関しては第104回~106回の『馬産地通信、九州へ』、そして第166回~168回の『九州再上陸』にも書かせていただいたのだが、九州は足を運ぶたびに好きな場所となっていると筆者。

第191回は『思惑』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 「これだけのメンバーが揃ったんだから、3万人入らないかな」。弊社営業部某氏が言った。10月2日、大井競馬場で行われた第26回ジャパンダートクラシック(JpnⅠ)は今年からスタートした新ダート三冠路線の締めに相応しい、錚々たる顔ぶれが揃い、我々新聞屋もいやが応でも期待が高まる。東京ダービー馬ラムジェット、同2着馬サトノエピック、レパードSを制したミッキーファイト、不来方賞の1・2着サンライズジパングとカシマエスパーダ。京浜盃、戸塚記念に勝ったサントノーレ、東京ダービーで地方馬最先着の4着した高知のシンメデージー、岩手の期待フジユージーン、そして国内無敗にして、サウジダービー、UAEダービーに勝ち、ケンタッキーダービー3着のフォーエバーヤングが参戦。
 これだけでも営業部のボルテージは最高潮に達し、期待で胸が破裂しそうなばかりの勢いだった。特にフォーエバーヤングは今後国内で観ることができないかもしれないし、「これは本場に来るしかないだろう」と言って憚らないと筆者。

協会会議

・2024年度第4回 5回理事会
・2024年度JBBA/JRA第1回生産等に関する協議会

トピックス

・JBBAからのお知らせ 2024年度臨時総会の開催と委任状、議決権行使書面について
・第13回地方競馬主催者軽種馬生産地現地検討会が行われる

せり市場成績

・北海道オータムセール サラ1歳
・ノーザンファームミックスセール サラ当歳 繁殖牝馬
・ジェイエス繁殖馬セール

海外ステークスウイナーズ

凱旋門賞 2番手から力強く抜け出したBluestocking(GB)が勝利、馬主Juddmonteは7度目の載冠
英チャンピオンS Anmaat(IRE)がゴール前強襲、馬主Shadwell・騎手J Crowleyが2年前4着Baaeed(GB)の雪辱を果たす
クイーンエリザベスⅡS 1番人気Charyn(IRE)、残り1FでFacteur Cheval(IRE)に並びかけられるも、ゴール前に突き離しGⅠ 3勝目

海外セール成績

キーンランド・セプテンバー・1歳セール

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)
・JBBAからのお知らせ 2025年 JBBA種牡馬がより利用しやすくなりました!
・2025年JBBA種牡馬事業について

地方競馬ニュース

・2024年9月 地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

・2024年10月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振案内所(連絡センター))

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2024.9.16 ~ 2024.10.16)

表紙

・JBBA新種牡馬ソットサス(FR)
・ソットサス(FR)紹介
・ソットサス(FR)5代血統表
・2025JBBA種牡馬配置表

カラーグラビア

・JBBA新種牡馬紹介 サブノジュニア
・JBBA新種牡馬紹介 レッドベルジュール

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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