JBBA NEWS

2024年9月号(VOL.620)

最新の第357便は「チーム力」烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 2024年7月、異様に暑い日が続く。朝も昼も夜も関係なしに、何日も何日も異常な暑さが続く。何か恨みでもあるのかと、私は窓の外の陽射しを見つめる。どうしても行かねばならぬ用事があって、覚悟をしてバス停へ歩く。おい、ジイさんを殺す気かよと、顔面を炙ってくる熱気に怯える。そんな日、パリでオリンピックが開幕し、体操男子団体で、最終鉄棒を残して中国に3.267点差負けていたのに、最後の鉄棒の橋本大輝の演技が終わると、日本が奇跡の大逆転を果たして、異常な暑さへの恨みを吹きとばしてくれた。(中略)体操や馬術のメダルでチーム力が注目されているのを思い、おれも、おれの人生をなんとか成立させてくれるのは、競馬友だちとのチーム力なのかも、と私は考えた。チーム力という現象を、もう少し考えてみたいと頭を働かせているうち、「苦しいことばかりで、ぼくには牧場経営は無理で、やめたいです」と最近に受けた、30歳の、競走馬生産牧場3代目からの電話を思いだした。(略)

第162回は「夏馬」第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2024年8月11日は「種牡馬イスラボニータの日」になった。口火を切ったのは札幌競馬場のプルパレイ(セン5歳、栗東・須貝尚介厩舎)だった。武豊騎手を背にオープン特別のUHB賞(芝1200メートル)に出走したイスラボニータの息子は好位置を進み、最後の直線で先頭に立つと、猛追するキミワクイーンを抑え、1着でゴールした。3歳の3月にGⅢファルコンS(中京競馬場、芝1400メートル)を制して以来、2年5か月ぶりの通算4勝目となった。プルパレイの快走から約10分後、コスタボニータ(牝5歳、栗東・杉山佳明厩舎)が続いた。イスラボニータの娘は坂井瑠星騎手と初コンビを組み、中京競馬場で行われた小倉記念(芝2000メートル)に出走した。レースはテーオーシリウスが引っ張るハイペースで進んだ。コスタボニータはこの流れを2番手で追走。残り300メートル付近で先頭に立つと、ゴール寸前まで踏ん張った。最後は1番人気のリフレーミングにかわされ、惜しくも2着になったものの、従来の記録を0秒7も更新する勝ちタイム1分56秒5で決着したレースで勝ち馬との差はクビだった。4月の福島牝馬Sに続く重賞2勝目はならなかったが、牡馬相手の小差2着は価値があったと筆者。

第174回は 「緻密に計算された好騎乗 ~刺激的なCM撮影現場~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 気づけば、夏が終わり秋競馬へと突入。今年の夏も、全国にお邪魔しました。基本的には滋賀の栗東を拠点に、毎週末、東京経由で福島・新潟競馬場へと足を運ぶスタイルでしたが、週中は浦和・園田・門別の地方競馬にも伺い、ロケや配信、イベントにも参加。その土地・土地で地元の方と出会い、そして夜は食材とお酒に酔いしれました。また今年の夏は、競馬以外の仕事にも恵まれ、刺激的な現場を体験。中でも、この10月から放映となる、ある企業のCMの撮影現場にお邪魔をし、撮影の模様をリポート&メインキャストとなる方へのインタビューをさせてもらったのですが、撮影が行われた現場は、千葉県に実在する工場。しかも驚いたことに、撮影日も通常通りに工場が稼働し、作業が行われている中で、撮りが行われていたのです。また現場には、60人は優に超えるスタッフの方々。そんなワチャワチャとした空間は、日常と非日常が混在しており、何とも不思議な感覚に包まれたのですが、出来上がりの映像を拝見すると、映し出されていない景色の中にも、現場のリアル感が伝わっており、撮影日も含めて2度、新鮮な体験となりましたと筆者。

第189回は『1歳馬品評会 PARTⅡ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 「いい馬」に対する概念を掴めないまま臨んだ、三石地区の軽種馬1歳馬育成管理品評会。しかも、審査員(兼取材者)としての参加となったことで、必ず「いい馬」を選抜しなければいけない。三石地区の1歳馬品評会は、まずJAみついしに関係者が集合。そこから審査員を乗せたバスが牧場に移動していく形で行われた。そのバスに同乗していたのが、JRA日高育成牧場の浮島理場長や、JBBA日本軽種馬協会静内種馬場の遊佐繁基場長といった、筆者からすれば「本物の審査員」たち。しかもバスの中には、全国の1歳市場に参加し、ブリーズアップセールの上場馬を購買している、JRA日高育成牧場の職員の姿も見受けられた。こうなると「いい馬」というよりも、場長2人を含めた、みんなの意見に沿った馬を選ばなければいけないのでは?というプレッシャーも出てくる。各牧場で出陳馬の審査を行ったあと、バスで移動する際には、浮島場長や遊佐場長に、「あの馬どうでしたか?」と恐る恐る感想を聞いてみて、自分の相馬眼とそれほど違いが無かった時には、ホッと胸を撫でおろしたと筆者。

第189回は『暑熱対策2024』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 6月10日、気象庁は2023年春から続くエルニーニョ現象が「終息したとみられる」と発表した。気象庁のサイトによると、エルニーニョ現象が終息すると、太平洋高気圧の張り出しが強まり、暖かく湿った空気が流れ込みやすくなり、6~8月の平均気温は平年に比べると高くなると予想される、とある。観測史上最も暑い夏となった2023年に続き、2024年の夏も暑い。要因としては例年よりも偏西風が北よりであること、太平洋高気圧とチベット高気圧が勢力を強めていること。さらにはラニーニャ現象やダイポールモード現象などなど。当コラムは気象コラムではないので割愛するが、ようするに暑くなる条件が揃っているらしい。実際のところ、この夏も暑かった。昨年、青森に帰省した日に青森県の観測史上最高気温となる39.3℃という有り難くない記録に遭遇してしまったが、今年も滞在した2日間とも30℃超え。小学生の頃、気温20℃を超えればプールに入れたから、気温計に息を吹きかけてズルした、という話は以前書いたと思うが、これほど暑ければプール自体がいい湯加減だろうと筆者。

特別寄稿

・南米競馬の「いろは」を知ろう!① 木下 昂

せり市場成績

・北海道サマーセール サラ1歳

海外ステークスウイナーズ

愛オークス Content(IRE)によるGalileo(IRE)産駒のGI馬100頭達成を阻んだのは、息子Nathaniel(IRE) 産駒You Got To Me(GB)
ハスケルステークス 先行したベルモントウィナーDornoch(USA)、直線入り口でMindframe(USA) に一度は先頭を許すが、ファイトバックし親子制覇を達成
K.ジョージ6世 & Q.エリザベスS フランスからの遠征馬Goliath(GER)が直線で力強く伸び、並み居るGⅠ馬を撃破

海外情報

2023-24 AUS/NZ サイアーズランキング(賞金順)
・オーストラリア(AUS) 2023-24 総合
・オーストラリア(AUS) 2023-24 2歳
・オーストラリア(AUS) 2023-24 ブルードメアサイアー
・ニュージーランド(NZ) 2023-24 総合

トピックス

・2024年生産地懇談会総括
・JBBA生産育成技術者研修 2024年牧場説明会のおしらせ/2024年度第46期生産育成技術者研修 進捗状況
・担い手経営管理研修 参加者募集
・2024年上半期 JPNサラブレッドランキング発表
・イシノサンデーの死亡について

種牡馬事業

・2024年JBBAサラブレッド種牡馬種付頭数
・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2024年7月 地方競馬場の売り上げ
・第24回JBC実施要綱
・Road to JBC
・地方競馬所属別在籍頭数/サラ系統(2024年7月1日現在)
・地方競馬開催日程 2024年【10月~12月】

生産関連ランキング

・2024年8月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・十勝案内所(連絡センター))

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2024.7.17 ~ 2024.8.11)

表紙

・第28回黒潮菊花賞(重賞)優勝 プリフロオールイン
・アニマルキングダム(USA)産駒 高知三冠・プリフロオールイン紹介
・JBBA種牡馬カラヴァッジオ(IRE)紹介
・北海道市場セプテンバーセールポスター

カラーグラビア

・JBIS 北海道市場セプテンバーセール 3日連続生中継
・JBIS せりカタログをスマホで持ち歩こう!

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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