JBBA NEWS

2024年6月号(VOL.617)

最新の第354便は「手紙を書く」烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 ジイさんになってしまった私は、手紙を書くこと、手紙をもらうことで生きている。変なことを言うなよと思われるかもしれないが、ほとんどの日、誰かしらに手紙を書き、誰かしらからの手紙を読んでいる。(中略)例えば10年前に牧場取材で会い、私の「烏森発牧場行き」を読んだ感想を手紙でおくってくれた新冠の牧場ではたらくS・Oさんとも、それから便りのやりとりが始まった。「今日、わたし、28歳になりました。高崎市の食品加工会社をやめて、思いきって、北海道に移り住んで10年になります。なんだか、ほんとうになんだか、月日の流れというのは、ナゾのように早いなあと、コンビニで買ったケーキをひとりで、自分の誕生日祝いで食べながら感じました。(略)

第159回は「薔薇」第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2024年5月12日に東京競馬場で行われた第19回ヴィクトリアマイルは大波乱の結末となった。優勝したのは15頭立ての14番人気だったテンハッピーローズ(牝6歳、栗東・高柳大輔厩舎)だった。重賞初制覇がGⅠ。単勝の配当は20,860円。中央競馬の平地GⅠで単勝の払い戻しが万馬券になったのは、1984年にグレード制が導入されて以来、7度目だった。波乱の主役となったテンハッピーローズは父エピファネイア、母フェータルローズ、その父タニノギムレットという血統。2018年2月26日に北海道・社台ファームで生まれた。GⅠで単勝万馬券の主役になった過去の6頭のうち4頭は優勝した、そのレースが競走生活最後の勝利となった。残る2頭は、その後も勝ち星を重ねた。それがダイタクヤマトとコパノリッキーだ。ダイタクヤマトはスプリンターズSの後、スワンSと阪急杯という2つの重賞で勝ち星を挙げた。一方のコパノリッキーはフェブラリーSの勝利をきっかけに大きく飛躍した。きっかけをつかんだテンハッピーローズがコパノリッキーのようにスターホースになることができるのか。今後の走りが楽しみだと筆者。

第171回は 「女性の社会進出 ~騎手時代の反省をふまえて~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 昔から、「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われますが、女性初の騎手候補生として、男性ばかりの社会に足を踏み入れた、あの当時が、若い頃の苦労というものなのかな?と、50歳を手前にして感じます。たまたま先月に、騎手を引退する際に、病院の立ち合いや補償に関する問題等でお世話になったJRA職員の方とご一緒する機会があり、「あの時の細江は、悲壮感の塊で…」と、見るに堪えない私の当時を振り返られていました。ちょうど今、NHK の朝ドラ「虎に翼」が、日本初の女性弁護士の物語。主人公の抱えていた周囲と違う幼少期時代の価値観や、弁護士資格を手に入れるものの、女性というだけで仕事が与えられない現実など、職種や時代は違いますが、パイオニアという点から、騎手時代の自分と重なるところもあり、今月は、当時を思い出すと共に今に至るまでの経緯に周囲の方々の支えが思い出されましたと筆者。

第186回は『キャッチコピー』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 馬産地ライターが、コピーライターになってみた。毎年、ホッカイドウ競馬で開催されているスタリオンシリーズの「スタリオンシリーズ競走種牡馬名鑑」を書かせてもらっている筆者ではあるが、発注先の代理店から、「今年、所属騎手のポスターを制作するのですが、もしよろしければキャッチコピーを考えていただければと思いまして…」と言われた。実はと言うか、名前を出してない仕事の中では、こうしたキャッチコピーや見出しを頼まれることがたまにある。競馬のキャッチコピーと言えば、騎手では南井克巳騎手の「剛腕」、田島良保騎手の「仕事人」などが有名である。また「JRAヒーロー列伝」のポスターには、サッカーボーイに「弾丸シュートだ」、ナリタブライアンには「皐月賞3 1/2馬身、ダービー5馬身、菊花賞7馬身」と付けられている。前者は馬名からであり、後者はクラシック3冠における2着馬との着差を表記することで、その強さを表したと言える。このようにキャッチコピーは自由である一方で、ピタッと来る言葉を当てはめるのはなかなか難しいと筆者。

第186回は『5月の出来事』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 野球、音楽と同様に、競馬もやっぱりライブ観戦が一番だ。ただ今年度の南関東は天気に恵まれない日が続いている。特に5月は、1日のかしわ記念が雨・不良。8日のエンプレス杯も雨・稍重。15日の大井記念まで雨・重と、肝心なところで雨に祟られまくっている。東京湾カップ、プラチナカップは天気に恵まれたが、高額賞金レースの天候不順は、我々的にも大打撃だ。1~4月の南関東地方競馬の売上は、4場合わせて前年比約90%といったところだが、新聞自体は前年を超えて堅調な伸びを見せていた。少しずつファンが戻ってきた印象であったが、5月の数字は見るのが怖い。顔見知りのあるベテラン読者は、これまで毎日どこかで開催があって、場外発売も毎日行われていたが、月曜日や金曜日に場外発売されない日が増えて、足が遠のいたという。また「年寄りは行くところがないから、毎日やっているのが良かった」という。いわゆる習慣性。「最初は売っているところを探して行っていたが、友達もいないし、しんどくなってきて行かなくなった」とも。月曜日や金曜日の場外発売を取りやめた理由をある主催者関係者に聞くと、職員の働き方改革だという。長く現金系売り上げを支えてくれたPCもスマホも持っていないようなファンを切り捨てないで欲しいと筆者。

トピックス

・JBBAからのお知らせ インボイス制度 国税庁 お問合せの多いQ&A TOP10(令和6年3月版)から
・2024生産関連統計 2024種牡馬種付料階層別頭数
・2024JRAブリーズアップセール
・未来のジョッキーを目指せ!「2025年度騎手課程生徒」募集
・日本装削蹄協会 2025年度装蹄師認定講習会受講生募集

せり市場成績

・北海道トレーニングセール サラ2歳
・千葉サラブレッドセール サラ2歳

海外ステークスウイナーズ

ケンタッキーダービー 好位から早め抜け出したMystik Dan(USA)がSierra Leone(USA)とフォーエバーヤング(JPN)の猛追を僅かに凌ぎ一冠目奪取
英2000ギニー AW馬場で3戦3勝Notable Speech(GB)が芝初挑戦で勝利。Dubawiは歴代トップ4頭目の英2000ギニー馬の父に
プールデッセプーラン(仏2000ギニー) A.プーシャン騎手の好騎乗、Zarak(FR)産駒Metropolitan(FR)が雷雨による発走遅延後の大一番を制す
ケンタッキーオークス 好スタートから先手奪ったThorpedo Anna(USA)が水が浮く不良馬場を逃げ切り、2歳女王Just F Y I(USA)に4 3/4馬身差つけて完勝
英1000ギニー 後方からレース進めたKingman(GB)産駒Elmalka(GB)が残り2Fで先頭に取りつき、カラヴァッジオ(USA)産駒 Porta Fortuna(IRE)とのゴール前激戦を制す
プールデッセプーリッシュ(仏1000 ギニー) ゴール前の大接戦をLope De Vega(IRE)産駒Rouhiya(FR)が制し、アガカーン殿下5度目の仏1000ギニー勝利

地方競馬ニュース

・2024年4月 地方競馬場の売り上げ
・地方競馬所属別在籍頭数 (2024年4月1日現在)
・地方競馬開催日程 2024年【7月~9月】

生産関連ランキング

・2024年5月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振案内所(連絡センター))

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2024.4.17 ~ 2024.5.11)

表紙

・第85回オークス(GⅠ) チェルヴィニア
・チェルヴィニア紹介
・2024九州1歳市場ポスター
・2024八戸市場ポスター

カラーグラビア

・JBIS Live中継 九州1歳市場
・JBIS スマホで!! せりカタログを持ち歩こう!

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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