JBBA NEWS

2023年6月号(VOL.605)

最新の第342便は タカハシさん烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 やっとのこと、コロナから解放された2023年の4月から5月にかけての連休で、私にもうれしい集まりがあった。友だちのタカハシさんが40分の1口馬主として出資したリバティアイランドが桜花賞を勝ち、新宿の京王プラザホテルにある中華料理店で祝いの会をしたのだ。(中略)私がタカハシさんと初めて会ったのは、1986年、社台共有馬主クラブ会員が参加の牧場ツアーでだ。タカハシさんは45歳。私は49歳。電気工事業を営むタカハシさんは府中市白糸台の住人で競馬場の近く、競馬に馴染むのは自然の成り行きだったろうが、共有クラブ会員になったのは、仕事に関係したシンボさんの誘いだったらしい。すでにシンボさんと私は酒友だちで、そこにタカハシさんも仲間入りしたのだ。それからの長いクラブライフで、タカハシさんが出資馬のうちで忘れられないのは、サンデーサイレンスの娘、ハッピーパスだろう。テイエムオーシャンが勝った桜花賞でハッピーパスは4着だった。そのシーンを阪神競馬場で見たタカハシさんは、「GⅠを勝つまでは、どうしたって、共有馬主クラブをやめられないなあ」と思った。(中略) 桜花賞祝勝会で中華料理店に集まったのは、タカハシさんも仲間の「友馬会」のメンバーだった。「あの桜花賞に、友馬会は4頭出しだったんだよなあ」とイチノセさんが言う。ユウコさんのコナコーストが2着、イトウさんのドゥアイズが5着、カズエさんのシングザットソングが7着だった。(略)

第147回は「50代」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 5月7日に行われた第28回NHKマイルカップ(GⅠ、東京競馬場、芝1600メートル)は内田博幸騎手が騎乗したシャンパンカラー(牡3歳、美浦・田中剛厩舎)が優勝し、重賞初勝利をGⅠで飾った。序盤は後方を進み、最後の直線で末脚を引き出し、ウンブライルの追い込みをアタマ差でしのぎ切った。ベテラン内田騎手ならではのレース運びが功を奏した。内田騎手にとってGⅠ勝利は2018年のフェブラリーS(騎乗馬ノンコノユメ)以来5年ぶりで通算13勝目。重賞勝ちも2020年のセントライト記念(バビット)以来3年ぶりで通算55勝目だった。今回のNHKマイルカップの優勝は、52歳9か月12日での達成となり、GⅠ優勝騎手としては史上4番目の高齢記録となった。1位は武豊騎手で2023年4月の大阪杯をジャックドールで優勝した時の54歳0か月19日だ。2位は岡部幸雄・元騎手で、2002年秋の天皇賞をシンボリクリスエス(USA)で制した時の53歳11か月27日。3位は再び武豊騎手。ドウデュースで2022年のダービーに勝った時、53歳2か月15日だった。1984年のグレード制導入以降、50代の騎手によるGⅠ制覇は今回の内田騎手を含めのべ12度目となった。現在、中央競馬には50代の騎手が10人現役で頑張っている。年の順に列挙すると柴田善臣(56)、小牧太(55)、熊沢重文(55)、横山典弘(55)、武豊(54)、内田博幸(52)、田中勝春(52)、北沢伸也(51)、岡田祥嗣(51)、江田照男(51)の各騎手だ。年齢は2023年5月7日現在である。柴田善臣騎手は勝つたびに自己の持つJRA最年長勝利記録を更新し続けているほか、2021年のレパードSをメイショウムラクモで優勝した時の55歳0か月10日は重賞優勝の最年長記録ともなっていると筆者。

第159回は「2023年のダービー馬は?! ~競馬のクリーンなイメージ更なる信頼を~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 このコラムが掲載される頃には、2023年の日本ダービー馬も決まっている頃なのでしょう。今年の注目は、何と言っても4戦目での無敗制覇がかかるソールオリエンス。横山武史騎手にとっては、2021年1番人気で挑んだ日本ダービーでの経験を経ての今回の騎乗。24歳でのダービー制覇となれば、田島良保騎手がヒカルイマイで制した記録に次ぐ若さとなると筆者。近年の競馬は在厩での馬作りや前哨戦の存在が薄れ、GIレースはぶっつけ、またGIレースからGIレースにおける中3~5週でも放牧という形が主流。地方競馬でも今年の羽田盃を制したミックファイアは、外厩仕上げ。新聞記者の方々から「この5か月間、馬を目にしていないから、印のつけようがない…というか、分からないよ」との声も無理がないと筆者。
 先々月に明らかになった若手女性騎手の調整ルームでの携帯の問題にしても彼女たちにとって競馬の世界は何の疑いもなくクリーンなもので、八百長といわれる事件があった歴史を頭では理解しつつも、別世界の出来事のような感覚があったのではないか…。この背景には、当時の競馬に携わってきた、たくさんの方々の思いや歩みがあってこそのもの。その過程は忘れてはならないと共に、今後もよりクリーンで信頼される競馬の発展を願うばかりだと筆者。

第174回は『文字起こしアプリ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 前回のコラムでも書かせてもらったように、4月下旬から北海道競馬ライブ生月の生配信が始まった。阪神の核となる予想はさておいて、やはり問題となるのは、生配信の7時間という時間である。何か始まってみるとあっという間とまではいかないか、ポンポンと次のレースの時間がやってくるので、疲れをさほど感じないことに番組が進行していた』とここまで読んでいただいた方の中には、「生月って何?」「阪神の核って、クリーンアップを打っている、大山か佐藤(輝)のことかい!」と思ったタイガーズファンの方がいらっしゃるのかもしれない。実はここまでの文章は、最近パソコンにインストールした文字起こしアプリの「Notta」に録音した原稿を自分が朗読。それを文字起こしした結果である。「Notta」とは最新のAI音声認識エンジンを使った文字起こしアプリである。では、自分が描いた文章との差違を見ていこう。まずは「北海道競馬」だが、これは正式には「ホッカイドウ競馬」と表記されなければいけない。問題の「生月」は「なまちゃき」(なまらとはっちゃきの北海道弁を掛け合わせた造語)と言っている。これは造語だけに変換できなかったと考えるべきだろう。しかしながら続く「阪神の核」だが、これは「番組の核」と言ったつもりだった。『というわけで、今後の取材では、ⅠCレコーダーに録音した音声データを乗った2取り込みそれをもとに原稿を書いていこうと思う。次第を受けていただく皆さんも、自分の言葉が文字になるので、今後は発言に気をつけていただきたい』やっぱり、まだまだですね(笑)と筆者。

第174回は『競馬場の景色』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 ゴールデンウィーク明けの5月8日から、新型コロナウイルス感染症の位置付けが「2類相当」から「5類感染症」になり、いよいよ各競馬場の入場規制が緩和された。この3年間、無観客競馬前日から、無観客競馬、上限付き入場など経験してきたが、様々なものを見てきた。無観客競馬となった当初、毎日やってきて警備員さんに「今日は入れる?」と聞いていたベテランファンがいたが、いつの日にかその姿は見られなくなり、通常に戻った今もその姿は場内にない。入場門で専門紙を販売してくれているお姉さんに聞くと、いつも新聞を買ってくれているお客さんが、仲間の近況を教えてくれるそうだ。内容は聞く前から察しがついた。「あいつ死んだ、あいつも死んだ」というような感じ。元々常連のお客さんの中には超ベテランファンがいらっしゃったが、無観客で入場できない期間を越えられなかったのは聞いていて切ない感じがすると筆者。船橋競馬の開催期間は5月1日〜5日までの5日間。入場人員は初日から、2,667人、3,601人、1,973人、1,925人、5,958人。多くの方が言っているように、競馬場の客層が変わった。一気に若くなった。南関東4場のゴール前で30年近く競馬を観ているが、レース中の歓声もタイミングなどがちょっと違う気がする。いつも居た人が居ないのは寂しい限りだがと筆者。

トピックス

・JBBAからのお知らせ 会員の皆様へ 2023年10月から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります
・JRAからのお知らせ 2023年度軽種馬生産地関連研修を実施
・2023生産関連統計 2023種牡馬種付料階層別頭数
・2023JRAブリーズアップセール
・未来のジョッキーを目指せ!「2024年度騎手課程生徒」募集!
・日本装削蹄協会 2024年度装蹄師認定講習会受講生募集

せり市場成績

・北海道トレーニングセール サラ2歳
・千葉サラブレッドセール サラ2歳

海外ステークスウイナーズ

ケンタッキーダービー 8番人気Mage(USA)が後方待機から3角で捲り、4番人気 Two Phil's(USA)をゴール前で競り落とし、KYダービー2着の父の雪辱を果たす
英2000ギニー 好位でレースを進めたFデットリー騎乗の2番人気 Chaldean(GB)が残り1Fで先頭に立ち完勝。フランケル産駒初の2000ギニー勝利で父子制覇
プールデッセプーラン(仏2000ギニー) 好位外でレース進めた6番人気Marhaba Ya Sanafi(IRE)が、先に抜け出した2番人気Isaac Shelby(GB)をゴール前で短差捉えて勝利
ケンタッキーオークス 大外枠から好位でレース運んだ4番人気Pretty Mischievous(USA)が、6番人気Gambling Girl(USA)の猛追をクビ差凌ぎ、父産駒初のKYオークス制覇
英1000ギニー 3番人気Mawj(IRE)が,1番人気 Tahiyra(IRE)との2Fにも及ぶ一騎討ちの叩き合いを半馬身差制し、父産駒として初の北半球クラシック制覇
プールデッセプーリッシュ(仏1000ギニー) 1番人気Blue Rose Cen(IRE)が、好位から残り300mで抜け出し完勝。父は昨年の仏ダービー馬Vadeni(FR)に続き、2年連続で仏クラシック馬を輩出

地方競馬ニュース

・2023年4月 地方競馬場の売り上げ
・地方競馬所属別在籍頭数 (2023年4月1日現在)
・地方競馬開催日程 2023年【7月~9月】

生産関連ランキング

・2023年5月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振案内所(連絡センター)・十勝案内所(連絡センター)・東北案内所(連絡センター)・千葉案内所(連絡センター)・南九州案内所(連絡センター))

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2023.4.17 ~ 2023.5.12)

表紙

・第84回オークス(GⅠ) リバティアイランド
・リバティアイランド紹介
・2023九州1歳市場ポスター
・2023八戸市場ポスター

カラーグラビア

・JBIS Live中継 九州1歳市場
・JBIS スマホで!! せりカタログを持ち歩こう!

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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