JBBA NEWS

2022年11月号(VOL.598)

最新の第335便は わたしの馬、タラレバ烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 あたりまえのことを言うなと叱られそうだが、八十五歳になっての日々は、「おれにとっても初めての経験だよなあ」とひとりごとを言って、ちょっと笑いそうになる。それでつくづく、人間という生きもの、何か楽しみがなくなったら元気を失い、毎日を空しく過ごして、いっそう身体にも悪いよなあと思う。おかげさまで私は、自分用に書き止めておいた、誰かしらと会ったときの記録を綴ったノートがたくさんあり、それを読みかえすという楽しみがありがたい。(中略)2022年10月2日、朝、私はスポーツ紙で、帯広ばんえい競馬の出馬表を読んでいる。いつのころからか、私はばんえい競馬の馬の名前を調べるのが楽しみになっていた。どうしてだろう。その名前から、名づけた人の性分とか、いかにも北の大地の風とか、ジョークとかを感じるのが好きなのだろうか。私は何度か帯広競馬場でばんえい競馬を見ていて、帯広在住の友だちが、そこの調教師と知りあいで厩舎を訪ねたりもしたが、ばんえい競馬というと私には、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」が流れてくるのだ。それは初めて行った帯広競馬場でレースのあいま、スタンドに流れていた石川さゆりの歌声に、泣きたくなりそうに感動したのが忘れられない。そのメロディーを思いだしながら、みゆきさんに私はケイタイをかけていた。(略)

第140回は「母子」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2022年10月2日に中山競馬場で行われた第56回スプリンターズSは荻野極騎手が手綱を取った8番人気の米国産馬ジャンダルム(USA)(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)が優勝し、デビュー29戦目で初めてのGⅠ勝利を飾った。7年目の荻野騎手にとっても初のGⅠ制覇となった。1984年にグレード制が導入されて以降、7歳以上の馬が平地GⅠを勝った例は16レースを数える。面白いのは、その距離別成績だ。ジュピターアイランド(牡7歳=英国調教馬)の1986年ジャパンカップ、オフサイドトラップ(牡7歳)の1998年天皇賞・秋、タップダンスシチー(USA)(牡7歳)の2004年宝塚記念、カンパニー(牡8歳)の2009年天皇賞・秋と2000メートル以上の優勝例は、この4例しかない。ほかの12例はすべて1600メートル以下のレースで達成されている。高齢でも短距離戦で割り引く必要はない。母と子が同じGⅠレースを制した例はこれまでに6例を数えるが、そのうち5例は母と娘による達成だ。今回のビリーヴ→ジャンダルムのように母と息子という関係での同一GⅠ制覇は史上初だったと筆者。

第152回は「出演者も真剣勝負のボートレースYouTube配信~中央競馬に迫ってくるボート界の売り上げ~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 先日、多摩川ボートの「どちゃんこTV」に2日目と4日目の2回にわたり出演させてもらいました。素人も素人のド素人、ただ蒲郡出身の私にとってボートレース場は身近なものであり、競馬学校時代には当時の本栖研修所教官と共にペアボートに乗艇させてもらった際、水面がコンクリートのように感じ、その新鮮な感覚とスピードに衝撃と快感を得、怖がらない私に、「センスある」と、競馬学校時代には言われたことのない賞賛の言葉を頂いた記憶が…と筆者。2年連続で2兆円超えの売り上げを記録し、勢いのあるボートの世界。競馬と違うのは配信の在り方。出演者が、皆、自腹でガチ勝負。だからなのか、20代~30代のアシスタント女性陣たちも、驚くほど詳しいのです。「視聴者はバカじゃない」心底、好きかどうか?ガチかビジネス的な建前なのか?見ている人には分かってしまうもの。そして何よりも、真剣だからこそ楽しめ、悔しがれる。近い将来、ボート界が中央競馬の売り上げを超える日が来るような気が個人的にはしていると筆者。

第167回は『九州再上陸 PartⅡ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 競輪発祥の地である小倉競輪場。1998年には収容人数は最大2万人というアリーナ施設を備えた北九州メディアドームと同一施設となり、毎年11月下旬にはGⅠ競輪祭が行われる、競輪ファンにはお馴染みのバンクでもある。競馬だけでなく競輪ファンでもある筆者としては、小倉に来たからには一度行ってみたいと思っていたが、ホテルから乗車したタクシーの運転手に目的地を告げると、「今日、あそこで競輪やってましたっけ?」との言葉が返ってきた。競輪発祥の地である地元の人でさえ、この認識なのかと思うとショックを受けたと筆者。次の日、小倉駅から競馬場まで直行しているモノレールに乗車、小倉競馬場前で下車をする。出口のすぐ目の前に競馬場の入場口があるが、その距離感はまさに徒歩0分。このアクセスの良さは、全国10か所の中央競馬場で一番と言っていい。小倉競馬場は6階建てであり、自分が見慣れている函館競馬場と同様に、建物がギュッと凝縮されている印象を受けた。それでも、吹き抜けとなった場内は開放感もある。土曜日は注目度の高いレースが開催されないこともあってか、そこまでの来場者は詰めかけなかったものの、モノレール駅方面からやってくる人の波は途切れなかった。その光景を見て、小倉市民や近郊の競馬ファンにとって、小倉競馬の開催は心待ちにしていたイベントであるのだろうと感じられたと筆者。

(次号に続く)

第167回は『悲願達成ならず』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 「やっぱり勝てんかったかぁ」。馬群にのみ込まれるタイトルホルダーをテレビで観ながら思わずため息。今年凱旋門賞に参戦した4頭は、タイトルホルダー11着、ステイフーリッシュ14着、ディープボンド18着、ドウデュース19着。直前に強い雨が降り、馬場はさらに悪化、というか日本勢には不利な馬場状態に。ただそれを嘆いたところでどうしようもない。横山和生騎手は「慣れが必要」と言い、矢作調教師は「四輪駆動を連れてくる」と。様々な立場の方のレース回顧も読ませてもらった。ペース、展開、入り口はそれぞれだが、今年の結論は馬場状態に集約されたように思ったと筆者。毎年のように言われているし、先月号でも触れた臨戦過程。ドーヴィル大賞を叩いたステイフーリッシュやニエル賞を叩いたドゥデュースの結果や、昨年フォア賞に勝ち、本番14着となり、今年はぶっつけで臨んだディープボンドの結果から、今年も、ベストの臨戦過程は相変わらずではあるが見えてこない。
 高低差の大きいコース、振れ幅の大きい天気と馬場状態、読みづらいペース。競馬では当たり前の事だが、あらゆる事態を想定して、様々なタイプの馬を連れて行って、出走出来うる限り束で挑むしか今のところないような気がすると筆者。

協会会議

・2022年度 第5回 第6回理事会
・2022年度 JBBA/JRA第1回生産等に関する協議会

せり市場成績

・北海道オータムセール サラ1歳
・ノーザンファームミックスセール サラ当歳

繁殖牝馬セール成績

・ジェイエス繁殖馬セール
・ノーザンファームミックスセール 繁殖牝馬

海外ステークスウイナーズ

凱旋門賞 1人気Alpinista(GB)4番手追走、直線手応え抜群に抜け出し自身8連勝を飾る、日本勢は11、14、18、19着に沈む
デューハーストS 1人気Chaledean(GB)がじわっと先頭に立ち余裕あるレースぶりで後続の追撃振り切る
英チャンピオンS 3人気Bay Bridge(GB)が内から伸びて波乱の立役者に、大本命Baaeed(GB)はラストランで生涯初の敗戦

海外セール成績

タタソールズ・オクトーバー1歳セール・ブック1(セレクトセッション)

トピックス

・JBBAからのお知らせ 「牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について」の一部改正について
・読者プレゼント 2023ホースマンカレンダー

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2022年9月 地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

・2022年10月各種ランキング
・2022ファーストクロップサイアーズランキング掲載中!

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2022.9.16 ~ 2022.10.14)

表紙

・JBBA新種牡馬カラヴァッジオ(USA)
・カラヴァッジオ(USA)紹介
・カラヴァッジオ(USA)5代血統表
・2023JBBAサラブレッド種牡馬配置表

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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