JBBA NEWS

2022年10月号(VOL.597)

最新の第334便は ああ、手紙烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 新聞の見出しに大きな活字で、「ユーチューブも、ドラマも、勉強も、食事も、お風呂も、寝る時も一緒に」とあり、もっと大きな活字で、「つながり続ける若者」とあり、「急成長の音声SNSパラレル」という見出しもついている。『鳥取県の高校3年生の「ちゃんさん」(18)の夜は、スマホとともに過ぎていく。「推しの動画を友達と見ながら話します。」ツイッターやインスタも使うが、最近はもっぱら「パラレル」のアプリにどっぷり。何時間もつなぎっぱなしにして、話しながらゲームをしたりユーチューブ動画をみたり。最近、そんな若者が増えている』と記事を読みはじめる。うーん、まいった、と溜息をつくしかない。ツイッターをやったことがないし、インスタって何のことかわからないし、パラレルのアプリもチンプンカンプンだし、ゲームもユーチューブも知らない、そんな若者が増えていると言われても、おれ、困っちゃうなあと、また私は溜息をついた。(中略)雑誌「うまレター」社から、東京の文京区小石川に住む小林富士子さんの手紙が回送されてきた。「うまレター」に私が、ウインズという場所は、そこへ行く人の、土曜教会、日曜教会なのだと書いた文章に共感したという手紙である。(中略)読み、どうして息子さんは若くして亡くなってしまったのだろうと思いながら、おたがい、なるべく元気に、競馬のレースを、牧場を見ていきたいですね、と返事を書いた。ああ、手紙。自分には手紙しか、人生の頼りがないのかもしれないと思える。「便り」が「頼り」。ごめん、そういうの、今は、ウザイんだよね。

第151回は「様々なアプローチを感じる2022年凱旋門賞~藤田菜七子騎手の功績により~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 今年は日本から4頭が参戦。これまで日本馬が挑んできた凱旋門賞と大きく違う点と言えば、先行して自分たちのペースに持ち込みそうなタイトルホルダー・スティフーリッシュ、そして早めに動きにいきそうなディープボンドと日本馬3頭が前半の流れを作りそうな展開。そして、それら3頭とは別に、後半戦にかけるドウデュースとなり、ペースと展開の2軸でチャンスを伺うメンバー構成。ただこのレースは、展開云々といった、机上の戦略だけでは通用しないところもあり、どのような結果となっているのか?レースの運び&内容も含めて、結果が気になると筆者。話は変わり、女性騎手・今村聖奈ちゃんの活躍により、藤田菜七子騎手のデビュー時ほどとはいかないものの、ニュース番組や雑誌、新聞等からの取材が入る筆者。当時は競馬知識ゼロからのそもそもの質問が多く、時間ばかりかかったが、今回は、今村騎手そのものと、女性騎手に対する今後の可能性的な目線が多く、至ってシンプル。この背景には菜七子騎手の活躍により、競馬の知名度や認識度が上がったこともあるように思えるし、女性騎手4キロ減スタート&恒常的な2キロ減など、藤田菜七子騎手の歩みと頑張りが、今の今村聖奈騎手の活躍に繋がっている。改めて菜七子ちゃんの功績は大きいなぁ~と、今回の取材の背景から感じたと筆者。

第139回は「女王」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2022年9月8日、英国のエリザベス女王が亡くなった。96歳だった。競馬を愛した女王の崩御は競馬界の大きな損失だ。筆者は2003年3月、英国チェルトナム競馬場で行われたクイーンマザーの銅像の除幕式で一度だけ女王をこの目で見たことがあるとのこと。更にはエリザベス女王が競走馬を生産しているロイヤルスタッドを訪問し、当時いた種牡馬1頭と繁殖牝馬20頭ちかくを見学したとのこと。
 エリザベス女王の持ち馬は英クラシック5レースのうち4レースを制している。最初のタイトルは1957年のオークスで、カロッツァが優勝した。翌1958年にはポールモールが2000ギニーを制した。1974年にハイクレアが1000ギニーで勝ち、フランスに遠征して仏オークスでも1着になった。1977年にはダンファームリンがオークスとセントレジャーの変則2冠に輝いた。エリザベス女王の持ち馬でもっとも日本に影響を与えたのは1000ギニー優勝馬の牝馬ハイクレアだ。孫娘のウインドインハーヘア(IRE)は1994年の英オークスで2着になった実力の持ち主だった。1995年にはドイツのGⅠアラルポカルで優勝した。面白いのは唯一のGⅠタイトルをとったこの時に妊娠していたことだ。日本に輸入されたウインドインハーヘアは2002年、サンデーサイレンス(USA)との間に小柄な牡馬を出産した。のちのディープインパクトである。もしエリザベス女王が競馬好きでなかったら、ハイクレアは生まれず、ディープインパクトも存在していなかったと筆者。

第166回は『九州再上陸』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 まさに、寝耳に水だった。「北九州記念の日、村本さんに、小倉競馬場でのイベントに、出演していただけないかと思いまして!」2度同じ言葉を言われても、やはり、それが事実とは受け取れず、先ほどと同じように、「はあ…」との返答しかできなかった。しかし、その電話から約1か月後、筆者は福岡空港にいた。グリーンチャンネルで放映中の「馬産地通信」のロケで、九州地区の馬産地を巡ったことはあるが、小倉競馬場は競馬ライターとなってからは来るのが不可能な場所だと思っていた。小倉の夏開催はJRA北海道シリーズと日程が丸被りであり、しかも、その頃はせり市といった馬産地のイベントも多いので、スケジュール調整が非常に難しい。札幌記念を犠牲にするという、まさかのやり方で、小倉競馬場入りを果たせた。ソダシの白い馬体を、明太子の赤い魚卵へと切り替えて、福岡空港から地下鉄に乗りかえ博多駅へ。そして新幹線で小倉駅へ。ホテルに荷物を入れると、タクシーを呼び止めて、「九州メディアドームまで!」と告げた。九州最大級の全天候型多目的施設である九州メディアドーム。その施設内にあるのが、競輪発祥の地としても知られる小倉競輪場だと筆者。

(次号に続く)

第166回は『あれから23年』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 凱旋門賞の季節がやってきた。今年は10月2日、日曜日。パリロンシャン競馬場である。1度だけ行ったことがある。1999年、モンジューが勝ち、エルコンドルパサー(USA)が2着の年。一緒に行った奥さんは、パリの街でお買い物とお食事。筆者は土日ロンシャン競馬場に入り浸り。一昨年、グリーンチャンネルの凱旋門賞中継を自宅で観るために急いで帰ってきて、テレビの前に陣取ったら、うちの奥さんがやってきて、何気なく「今年のディアドラは難しいだろうなあ」と言ったら、日本の馬って勝ってるの?とか聞いてきたので、まだ1頭も勝ってないと言ったら、「まだ勝ってないの!?」とおっしゃる。あれから23年、オルフェーヴルやディープインパクトでも勝てなかった血と汗と涙の歴史を、我々は知っているけど、うちの奥さんは知らないのである。
 レースへの臨戦過程も、数戦使って臨む方法、直前に1度馬場を経験させて臨む方法、ぶっつけで臨む方法。いずれの方法がベストなのか、結論は出ていない。1969年のスピードシンボリから、これまで延べ29頭の日本馬が挑戦し(0-4-0-25)。今年はどうなるか。JRAインターネット投票で発売されるようになってから毎回思うのだが、日本の競馬ファンは馬券が上手い。日本馬が結果を残せなくても、払戻金が安かったりする。筆者も日本馬を買わないいわゆる「非国民馬券」をよく買う方だが、連勝馬券は「ガチ」なオッズが並ぶ。真剣勝負だと筆者。

せり市場成績

・北海道セプテンバーセール サラ1歳

海外ステークスウイナーズ

トラヴァーズS 1人気Epicenter(USA)が直線入口で先頭を奪いグイグイ加速、ゴール前は馬なりで5馬身1/4差の圧勝
英セントレジャー 上位人気馬決着も2人気タイEldar Eldarov(GB)が無尽蔵のスタミナ、息の長い末脚繰り出し優勝、2位入線馬は4着降着
愛セントレジャー このレース2連覇の全姉Search For A Song(IRE)を下し、1人気Kyprios(IRE)が直線良く伸びて快勝

海外セール成績

キーンランド・セプテンバー・1歳セール

トピックス

・2022年軽種馬後継者研修募集案内
・JBBAからのお知らせ『2022年生産全国馬名簿』に掲載する当歳馬の産駒報告登録のお願い
・JBBA馬伝染性子宮炎(CEM)のPCR検査とその検体の採材方法について
・日本ウマ科学会第35回学術集会のお知らせ
・2022JPNサラブレッドランキング(1月1日~9月11日)発表される/お詫びと訂正
・第106期騎手課程 騎手候補生募集 【地方競馬教養センター】

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2022年8月 地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

・2022年9月各種ランキング
・2022ファーストクロップサイアーズランキング掲載中!!!

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2022.8.14 ~ 2022.9.15)

カラーグラビア

・JBC 2022ポスター
・盛岡、門別競馬場紹介
・JBIS Live中継 北海道市場オータムセール
・JBIS スマホで!!せりカタログを持ち歩こう!

表紙

・ひまわり賞(OP)優勝 サツマノオンナ
・JBBA種牡馬スクワートルスクワート(USA)産駒サツマノオンナ紹介
・JBBA種牡馬デクラレーションオブウォー(USA)紹介
・北海道オータムセール2022

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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