JBBA NEWS
2022年5月号(VOL.592)
最新の第329便は 会う烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
「ずうっと競馬をやってきた人なら、誰だってエフフォーリアとジャックドールの勝負と思うよね。どっちがハナ差で勝つかってもんだ。その2頭の馬券じゃつまらないからって、穴としちゃレイパパレしかいない。レイパパレから2頭への馬単を買ったさ。終わってみればエフフォーリアもジャックドールもアウト。いやはや、それが競馬だよって言われちゃ黙るしかない。レイパパレはクビ差の2着だったけど、まさかなあ、ポタジェが勝つとは思わなかった。吉田隼人って無気味な騎手だなあ。うーん、それにしても、ポタジェの馬主は金子さん。何なの、この人、凄いなあ。マカヒキと2頭出しで、ポタジェが勝っちゃう。恐ろしいね、金子さんという人」2022年4月3日、第66回大阪杯が終わったあとで、富士山の近くに住む雄さんからの電話である。(中略) 1998年3月のこと、ウインズ横浜に近いそば屋で清水道一さん(神奈川ダイハツ会長、株式会社テンジン代表。美浦トレセンの松山康久厩舎で清水さんとよく会い、よく横浜でも会うようになった)と昼食をしていた時、仕事現場が近かったという雄さんが店に入ってきて、「ボクの馬券仲間です」と私が言い、相席した。「わたしは明けても暮れても自動車という鉄のかたまりみたいなものとの人生でね。ま、遊びというか、競馬というもので人生を楽しもうと。それで競馬に首を突っこみました。植木屋さんの場合は、馬券とはどのようにつながりますかね」と話し好きの清水さんに雄さんはうれしくなった。その時、いったん解散した3人は、日暮れて、川のほとりの小さなバーに集まった。清水さんは酒をのまなかったが、酒場は嫌いでなかった。数日後、日経賞である。12頭立て。江田照男が乗る清水さんのテンジンショウグンは12頭立て12番人気。事件が起きた。私が誘って中山競馬場にいた雄さんが、レースの決着後、顔面の血が引いて倒れかかった。とんでもなくうれしい事件。テンジンショウグンが勝ち、3万5,570円の単勝と4,700円の複勝を各1,000円。2着が7番人気のシグナスヒーローとの枠連①―⑥、5万9,000円と、馬連①―⑧、21万3,370円を500円ずつ買っていたのだ。清水道一さんと会った記念に、ハズレても記念に馬券を保存しておこうと思い、馬連は①から全馬に流したというのだった。(略)
第134回は「受難」 第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
2022年のJRAの平地GⅠレースは5戦を終了したが、1番人気は5連敗中だ。フェブラリーSはレッドルゼルが6着、高松宮記念はレシステンシアが6着、大阪杯のエフフォーリアは9着、桜花賞のナミュールは10着。そして皐月賞のドウデュースは3着だった。本命馬不振のせいで、結果は波乱の連続。3連単の配当は皐月賞の300倍を最低に、最高は高松宮記念の2万7,000倍と跳ね上がっている。1番人気がここまで苦戦するのは現行の日程になってからは初めてだ。1984年にJRAにグレード制が導入された当時のGⅠレースは全部で15戦。GⅠは4月の桜花賞でスタートする日程だった。2017年に大阪杯がGⅠの仲間入りを果たし、フェブラリーS→高松宮記念→大阪杯→桜花賞→皐月賞という現在の流れが出来上がった。GⅠレースが計24レースに増え、現在の日程が固まった2017年以降、昨年までの5年間はフェブラリーSか大阪杯で1番人気が優勝し、本命馬が年初に好スタートを切るのが通常のパターンだった。今年はこのパターンが大きく崩れた。その年のGⅠレースで1番人気が勝つまでの連敗記録は「5」が最多だ。1995年、1996年、2012年が該当する。5月号が皆様のお手元に届くころまでにはGⅠレースでの1番人気の連敗記録は止まっているものと思われるが、今年の傾向を見ていると、受難の期間が続いていることもありそうだと筆者。
第146回は「経験値豊かな方々と接する機会 ~デビューした若手騎手には特に大切なこと~」
ホソジュンのウマなりトーク
細江 純子/ほそえ じゅんこ
四季のある日本とは違い、1年中、雨や曇った天気模様のアイルランドでは、穏やかな日には決まって「今日は本当に良い天気で嬉しいね」との挨拶が交わされる。人は暮らす環境によって同じ物事でも感じ方や感謝の度合いが違うことを学んだ。厩舎に所属していた騎手時代、真冬はプール調教が楽しみの1つで、プール場には暖房が装備されているとばかり思っていたが、実はそうではなく、外が寒過ぎるゆえ、あたかも暖房を浴びているかのような、錯覚だったと筆者。この感覚は言葉ではうまく説明できないが、生きる上で、あるいは子育てにおいて非常に大事なことのような気がすると筆者。最近は様々な職種の方から学ぶことが多く、そんな方々に共通することは、人生における経験値の豊さだと筆者。人と人との間で培われた経験により築かれた独自の理論や信念、人や社会の流れを読み分析する視点など。ある方とは初対面とは思えないほどの距離感となり、後日、頂いたショートメールに、「僕たちは聖人君子になれませんから心の揺らぎは仕方の無いことです。でも失うものが沢山ある人の方が弱い立場ですからね。お気をつけください」とあり、とても胸に響いたと筆者。最近デビューした若い騎手はコロナ禍により、オーナーやクラブ法人の催しなど経験値豊かな方々との交流が持てない状況にあり、一刻も早くこの状況が改善されることを願うと筆者。
第161回は『成年と馬券』北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
2022年の4月から、成年年齢が現行の20歳から18歳に引き下げられた。政府広報オンラインによると、今年18歳、そして19歳の年齢に達した国民は成年(成人)と見なされる。成年に達すると、親権に服さなくていいだけではなく、様々な契約を自分の意志で決められる。その中には携帯電話やクレジットカードの契約に加え、住む場所だけでなく、進学や就職などの進路も含まれている。筆者は18歳の頃、北海道内の港町に住む高校生だった。当時は自分の意志で何かを決めるというより、大学進学にしても、その後の様々な手続きにしても両親に頼り切りだった。高校を卒業してから、すぐに就職した同級生は、馬券を購入できるようになった20歳から競馬に興味を持つようになっていった。一方、その友人よりも早く競馬の魅力に気付き、深夜帯のバイトでそれなりの収入があった筆者は、競馬法的に大学を卒業するまで馬券の購入はできなかった。2005年の1月に競馬法が改正され、学生でも成年に達した場合は馬券購入が認められるようになった。今回の成人年齢の引き下げでは、競馬法における勝馬投票券の購入可能年齢は、他の公営競技と同様に、20歳以上のままで変更されなかった。個人的には18歳の年齢に達したら、仕事でもバイトでも自分の力で収入を得た金額の範囲内ならば、馬券購入を認めてもいいのではないか。数年後、18歳を迎えた新成人たちが、馬券を購入しながら競馬を楽しんでいる未来が来て欲しいと筆者。
第161回は『スムーズな進行』馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
「新型コロナウイルス下での生活」もまる2年が過ぎ、1日の新規感染者数や死亡者の数も、以前のように挨拶の冒頭に語られることがなくなってきた。主催者は相変わらず売上絶好調で、先日行われた船橋のマリーンカップは、1,038,347,200円の売得金額を記録。これまでの同レースの最高売得金額が736,080,300円だから、前年比1.41倍!「売り上げの伸び」と言えるのはだいたい3〜10%ぐらいで、40%の伸びは、いまだバブルに近い状態の中にいるのではないか。レースはショウナンナデシコが圧勝、おそらく同馬が今年の牝馬ダート路線を牽引していくことになると筆者。カメラマンは基本的に最下位の馬が入線するまでは、立ち上がったり、移動したりしてはならないことになっているので、1着ショウナンナデシコが入線してから、最下位のアウティミアーが入線するまでの9秒は長かったと筆者。船橋競馬場はスムーズな進行を行うために、口取り写真の撮影を5分に限定するようになった。個人的には大賛成である。大井や浦和は、格好よく撮ってもらおうと競馬場の職員がきっちり仕切っているが、導線や参加人数など個別の要因もあり、現場はなかなかその通りに進行するとは限らない。競馬中継に出演していると、表彰式で行われるジョッキーインタビューの映像が間に合うかどうかで番組進行が違ってくることを何度も経験しているので、周辺への影響も含め、個人的にはスムーズな進行には協力したいと思っていると筆者。
海外情報
2022 | 北米 供用種牡馬 TOP42(種付料順) |
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2022 | 北米 初供用種牡馬 TOP15(種付料順) |
2022 | ヨーロッパ 供用種牡馬 TOP36(種付料順) |
2022 | ヨーロッパ 初供用種牡馬 TOP15(種付料順) |
2022年供用予定種牡馬
・2022年に全国で供用が予定されている種牡馬286頭を一挙掲載!
トピックス
・2022(令和4)年度通常総会を終えて 就任のご挨拶とともに (公社)日本軽種馬協会 副会長 常務理事 上野 儀治
・中央競馬と地方競馬 交流競走の実績について(2021年) JRA番組企画室
・JRAからのお知らせ 「遺伝子改変」ならびに「禁止行為」に関する規定の設定について
・JBBA2022年度(第44期)生産育成技術者研修開講
・JBBAからのお知らせ 2022年産駒報告書の発送につきまして
・競馬学校『学校説明会』の開催 ~未来のジョッキーを目指せ!~
・日本装削蹄協会 2023(令和5)年度装蹄師認定講習会受講生募集
・2022年軽種馬生産関係団体役員改選
生産対策関連
・2022年度 所管事業の概要紹介 公益社団法人日本軽種馬協会 生産対策部
地方競馬ニュース
・2022年3月 地方競馬場の売り上げ
・ダービーシリーズ2022 実施概要
生産関連ランキング
・2022年4月各種ランキング
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)
The First Win
JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2022.3.20 ~ 2022.4.18)
表紙
・第82回皐月賞(GⅠ)優勝 ジオグリフ
・ジオグリフ紹介&第82回桜花賞優勝 スターズオンアース
・「NAR生産牧場賞」の交付事業が始まります
・2022北海道市場トレーニングセール
カラーグラビア
・JBIS Live中継 北海道市場トレーニングセール
・JBIS特設サイトインターネットオークション 千葉サラブレッドセール
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc
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