JBBA NEWS

2022年4月号(VOL.591)

最新の第328便は 新得物語烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 2月1日、心臓の調子が崩れて入院した。1月26日に吉田和子さん(社台ファーム創業者吉田善哉氏の妻)の野辺送りをしたばかりで、告別式で合唱した讃美歌405番「神ともにいまして」の、「また会う日までかみの守り、汝が身を離れざれ」がよみがえり、歌いながら私は、また会う日は遠くないですと思ったことがよみがえった。私は2005年に心筋梗塞で入院して以来、循環器の主治医が変わらずに田中先生で、10数年のおつきあいになる。なので私が競馬のことを文章にしているのも知っていて、「わたしの医療チームに新しく入った看護師のコバヤシさんは、競馬が好きみたいです」と内緒話をするように言った。
 病室へ血圧を測りにきたコバヤシユリさんに、「ごめんなさい。ぼくは初めて会った人に、故郷は何処ですかと聞かないと気が済まないのです」と私が言い、「北海道です」と声が返ってきた。「北海道の何処ですか」「誰も知らないと思うけど、新得」(中略) ぼくは40歳すぎに競馬のことを書きだして、美浦トレセンという所に行き始めたのだけど、知り合いも殆どいない。そんなころ、少し会話をしたのをきっかけに、ここに座りなさいって、高橋英夫という調教師が、調教師ルームに案内してくれたんです。高橋英夫調教師のやさしさがぼくを安心させてくれて、その安心、忘れられないです。高橋英夫のことを知りたくて、いろいろと話を聞きました。新得尋常小学校を出て、家の農家を手伝っていた高橋英夫は、母の春枝さんが10円札を2枚縫いつけたシャツを着て東京に来たんです。それが昭和10年、高橋英夫、16歳のとき。(略)

第133回は「外貨」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 現地時間2月26日に行われた「サウジカップデー」は日本の競馬界にとって驚くべき結果だった。遠征した12頭の日本調教馬が計6レースに出走し、重賞4勝を挙げ、入着賞金を含め約7億円もの賞金を稼いだ。サウジアラビア・リヤドのキングアブドゥルアジーズ競馬場で勝利を挙げたのは次の4頭だった。優勝したレースはいずれもGⅢだ。■オーソリティ(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)=ネオムターフC、芝2100メートル■ソングライン(牝4歳、美浦・林徹厩舎)=ターフスプリント、芝1351メートル■ステイフーリッシュ(牡7歳、栗東・矢作芳人厩舎)=レッドシーターフH、芝3000メートル■ダンシングプリンス(牡6歳、美浦・宮田敬介厩舎)=リヤドダートスプリント、ダート1200メートル。
 海外で活躍した日本調教馬の賞金ランキング(記録は昨年末現在のもので今年のサウジアラビア分は含まれていない)で堂々の第1位に輝いたのはヴィブロス(牝2013年生まれ)だ。2017年から3年連続でアラブ首長国連邦(UAE)に遠征。芝1600メートルのドバイターフに出走し、1、2、2着となり、2018年には香港マイルにも遠征して2着になった。GⅠ4戦で獲得した賞金は7億6,764万8,400円。第2位は前述したラヴズオンリーユー。昨年1年間でドバイシーマクラシック(UAE)3着、クイーンエリザベスⅡ世C(香港)、ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(米)、香港Cと4戦3勝の成績を残し、5億7,519万9,700円を獲得した。第3位はモーリス(牡2011年生まれ)で香港のGⅠで3戦3勝の成績を残した。2015年に香港マイル、2016年には5月にチャンピオンズマイル、12月に香港Cで優勝している。獲得賞金は5億4,743万9,700円。かつての日本は海外から競走馬、種牡馬や繁殖牝馬などを輸入する一方だったが、今では外貨を稼いでくるようになった。大きな進歩だと筆者。

第145回は「21世紀に戦争が起こるとは… ~住む場所の選択は生き方の選択にもつながる~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 まさか21世紀の時代に、戦争が起こるとは…。しかも、まさに破壊されゆく街並みや病院での状況、攻撃を受けている最中の映像や避難する人々の様子に、現実と分かりつつも信じがたく、なぜこんなことになってしまっているのかと、20年にも及ぶプーチン政権の独裁政治がモンスターを生んだのかと恐怖をおぼえると筆者。
 週刊文春の「家の履歴書」に掲載されることになったと筆者。愛知県で生まれ、千葉県の競馬学校に移り住み、騎手デビューとともに滋賀県栗東へ。そして引退後は、東京に短期間住んでみたものの、気づけば滋賀県が自分の人生の中で1番過ごしている場所に。そんな中で出産直前の1か月間はマレーシアで語学留学していたと筆者。結局のところは実家を出て以来、職業を主軸に据えて住む場所を選んでおり、晩年は環境から住む場所を選択する生き方も…あるのではと筆者。とにかくマレーシアという国が好きになり、数年前に、2年がかりでMM2H(長期ビザ)を取得。初めて環境から住む場所の第一候補と決めており、実現するのか楽しみにしていると筆者。

第160回は『競馬のノベルティグッズ PARTⅡ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 2月上旬に開催された種牡馬展示会でも、各スタリオンが工夫を凝らしたノベルティグッズが生産関係者に配布されていた。近年、ノベルティグッズとして重宝されているのがエコバッグで。プラスチック製買物袋有料化以降、その数を増やしたと筆者。実際にJBBAの種牡馬展示会でも配布されており、布製のエコバッグは、ゴムで括れるようになっており、収納や持ち運びにも便利で、筆者所有エコバッグのエース。普段使いできるからこそ、様々な人の目に触れることができる一方で、デザインによっては、ノベルティとしての広告効果が薄れてしまうのではないか?ということである。ちなみにJBBAのエコバッグを札幌市内のスーパーやコンビニだけでなく、日高管内の商業施設でも使用したが、「バゴって条件を問わずに活躍馬を送り出している名種牡馬ですよね!」と話しかけられたことは残念ながら無かったと筆者。つくづくノベルティグッズは難しいと筆者。

(次号に続く)

第160回は『馬七人三』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 「馬七人三」。昔から言われている有名な競馬の金言だ。競馬の結果を左右するのは、馬の能力が7割、人(騎手)が3割というもの。人によっては「馬八人二」と言うし、逆に「馬六人四」と言う人もいる。そこまでいくと「競馬の結果を左右する」というよりも、単に個人の予想の比重ではないかとも思うが。3月に「これはジョッキーの腕だな」と思ったレースが2つあった。ひとつは3月16日の高知競馬4R「黒船賞」の田中学騎手。前哨戦の黒潮スプリンターズカップを使い、1度馬場を経験させる入念な準備が結果に繋がり、ジョッキーが自信を持って騎乗したことが勝利の最大要因となった。もうひとつは3月17日浦和11R「桜花賞」での御神本騎手。大外枠の1番人気は勝ち馬がいない「鬼門」だったが、パサパサに乾いて開催初日から逃げ、先行有利が明らかな馬場で、外→内→外と自在なコース取りは、これはもうジョッキーの腕での勝利としか言いようがなかったと筆者。結論として人馬の比率なんてさっぱりわからないのだが、綺麗にまとめるとしたら、馬の力=10をどれだけ引き出せるかが騎手、なんだと思うと筆者。

協会会議

・2022(令和4)年度通常総会
・河野会長挨拶(要旨)
・第5回河野洋平賞は(有)村田牧場が受賞
・2022(令和4)年度第2回理事会

トピックス

・JBBAからのお知らせ 産駒報告書が変わります
・JBBA2021年度(第43期)生産育成技術者研修修了式
・JBBAからのお知らせ ローソニア感染症に関する講演資料公開についてのご案内

生産対策関連

・2歳未売却馬実態調査(2020年生産馬)

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2021年地方競馬開催の概況(1月~12月)
・JBC第23回開催概要決定
・2022年度ホッカイドウ競馬スタリオンシリーズ競走は56競走
・2022年度ホッカイドウ競馬重賞競走日程
・2022年度ホッカイドウ競馬副賞計画
・2022年2月 地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

・2022年3月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2022.2.17 ~ 2022.3.19)

表紙

・第26回ドバイターフ(GⅠ)優勝 パンサラッサ
・2022年ドバイワールドカップデー Photo Gallery
・2022千葉サラブレッドセール 2歳、トレーニングセールポスター
・2022 北海道市場ポスター

カラーグラビア

・JBISライブ中継 JRAブリーズアップセール
・JBIS スマホでせりカタログを持ち歩こう!

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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