JBBA NEWS

2022年3月号(VOL.590)

最新の第327便は ゆうさく殿烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 長野市の本村順子さんから手紙をもらった。中山と中京で金杯があった翌日である。「去年12月22日に父が亡くなり、あわただしく家族葬をし、今年になって、長いこと一人暮らしだった父の家の整理に行きました。10年も前に亡くなった母の仏壇を乗せたタンスの抽斗の、下着やシャツが詰まってるところに菓子箱があり、そのなかに、差出人が吉川良の、年賀状が13枚、ハガキが9枚、封書が7通ありました。あれっ、なんだろうと思ったのは、住所のあとに、高橋様方、ゆうさく殿と宛名が書いてあったことです。わたしの祖父は勇作という名でしたから、そのことと何か関係がと思いましたが、とても不思議な宛名だなあと思いました。(中略)ボクとゆうさく殿が知り合ったのは、ウインズ横浜の近くの居酒屋で相席になったこと。2009年のことです。競馬にハマルきっかけのことを質問し、そのとき、ダイユウサク物語を語る70歳を過ぎている人の顔は、15歳のようで、そのときからボクは、彼を、ゆうさくさんと称ぶようになりました。ボクは2009年の6月から9月まで 新冠のビッグレッドファーム明和牧場で暮らすよと言ったら、ゆうさくさん、8月に千歳空港からレンタカーで、ボクを訪ねてきたのです。ダイユウサクに乗っていた騎手が熊沢重文。熊沢重文が何度も乗っていたステイゴールドにイレこんでいたというゆうさくさんは、種牡馬としてビッグレッドにいたステイゴールドをそれこそ神さまを見るようにしていました。 (略)

第144回は「名伯楽藤澤和雄調教師の引退に思う ~2歳児マスクの議論に唖然~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 新たな年を迎えると瞬く間にコロナの第6波。競馬サークル内にも感染が広がり、様々な対策の中、競馬が行われています。日曜日の「みんなのKEIBA」も、スタジオの出演者は3名まで、他は自宅から、別部屋から、パドックブースからと、とにかく密にならないようにしています。この頃テレビ報道で気になるのは、2歳児のマスク着用についての議論。子供を育ててきた経験から言えば、2歳児がマスク着用などできるわけないでしょう。子育ての経験の有無や机上の空論を通り越して、想像力の欠如や人間性が問われるような発言にさえ感じていると筆者。
 「観察力」ということになると2月に引退された藤澤和雄調教師が図抜けていたように思うと筆者。師は、目や耳だけでなく、鼻も使い馬の醸し出す匂いからスタッフに蹄の状態を確認させていました。寝藁も当時では珍しかったバッカンを使用し、厩舎内には馬以外の生き物も在籍させ、藤澤調教師とご一緒の時は、ヨーロッパの厩舎にいるような感覚に陥り、真のホースマンに触れた思いにもなりましたと筆者。

第132回は「女優」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 1985年秋の天皇賞でシンボリルドルフを破る大金星を挙げたギャロップダイナなど数々の名馬を育てた矢野進・元調教師が2022年2月に亡くなった。84歳だった。1937年に栃木県で生まれた矢野さんは18歳だった1956年7月12日に騎手免許を手にし、同年7月28日の福島競馬第7レースでニユーダイワに乗り、初騎乗初勝利という快記録を残している。33歳で引退するまで、16年間の騎手生活での成績は、943戦103勝だった。1973年に調教師免許を取得。1975年3月に厩舎を開業した。厩舎を開業して3年目の1977年、ビッグタイトルをつかむ。バローネターフが中山大障害・春で優勝を飾ったのだ。バローネターフはその後もタイトルを積み重ね、5歳と7歳で中山大障害春秋連覇、6歳秋にも優勝するなど、合わせて中山大障害5勝の記録を残した。当然のように1977年から3年連続で最優秀障害馬に選ばれている。
 矢野進厩舎に牝馬のモデルスポートがいた。繁殖牝馬となったその3番子で1983年に誕生したのがダイナアクトレス。父はノーザンテースト(CAN)、むろん矢野進厩舎所属である。「女優」という馬名の通り、ダイナアクトレスは目立つ少女だった。1985年8月のデビューから3連勝で函館3歳S(現函館2歳S)を制覇するほどの才能に恵まれる一方、激しい気性も併せ持っていた。3歳初戦のすみれ賞ではゲート入りにてこずり、最下位に終わる。このレースで出走停止と調教再審査の処分を受け、桜花賞への出走ができなくなった。そんなお騒がせタイプではあったが、潜在能力は素晴らしく、通算19戦7勝。5つの重賞勝ちを収めた。そして繁殖牝馬として優秀な産駒を残した。「矢野進血統」ともいえるモデルスポートを起点とする血統は、モデルスポートが生まれて45年以上が過ぎてなお広がりを見せている。モーリスや将来種牡馬になるであろうピクシーナイトを通じ、さらに枝葉を伸ばすだろう。天国の矢野さんには、この血統の広がりを遠くから見守ってほしいと思うと筆者。

第159回は『競馬のノベルティグッズ PARTⅠ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 競馬ライターとしてのキャリアは四半世紀となった筆者。取材で訪れた牧場の方だけでなく、仕事を通してのお付き合いのある方からも、何かあるたびにノベルティという贈り物をいただけるようにもなった。中でも最も多いのが競馬カレンダー。競馬ファンだった頃は、陳列されている競馬カレンダーを片っ端から捲り、好きな馬の写真が多く入っているカレンダーを購入していたが、最近では壁掛け型のカレンダーは、あまり部屋に飾らないようになってきた。あるクラブ法人の方との会話がその答えで、「ウチのクラブでは壁掛け型を止めて、卓上型に切り替えました。写真をメインに据えるのならば壁掛け型なのでしょうが、やはりライフサイクルの変化と言うのか、お子さんのいるような家庭などでは、自分の机や会社のデスクなどにも置ける、卓上型の方が好まれています」。JBBA作成のカレンダーもそうだが、近年の卓上カレンダーにはその週の重賞だけでなく、せりの日程まで表記されている。発行時には日程が未確定だったようなイベントに関しても、付属されているシールを張ることで完成。卓上カレンダーの方が更に使い勝手が進化している。次回は『種牡馬展示会におけるノベルティ』について書かせていただきたい。

(次号に続く)

第159回は『新スタンド見学』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 2月14日(月)の船橋初日から新スタンドA棟の使用が開始された。新スタンドのオープンは、最近では2015年竣工の大井競馬2号スタンド(G-FRONT)や、2019年竣工の浦和競馬場2号スタンド。今回の計画は2019年に制定された「船橋競馬経営計画(Advance2023)」に基づくもので、施設面だけで言えば、概算予算約100億円で、1967年完成の第1期スタンドを解体、1969年、1971年完成の第2期、第3期スタンドをコンパクト化して改築し、他に事務棟や調整ルームなどの施設の建て替え、隣接する商業施設側に入場門を新設するなど、ほぼ全面改装と言っていい内容だ。船橋競馬場は京成船橋競馬場駅、JR京葉線南船橋駅から徒歩で行くことができ、道路を挟んでららぽーとやIKEAなどの大型商業施設が立ち並ぶ「好立地」と言われている。今回の全面リニューアルは、打つ手を全て打った感が強いだけに、我々場内で商売している出入り業者としても、大いに期待している。全面完成は2024年春の予定。これが本場入場増加の起爆剤になってくれればと願うばかりであると筆者。

協会会議

・2022年(令和4)年度第1回理事会【書面決議】

海外情報

2021 エクリプス賞(北米競馬年度表彰)

トピックス

・2022年 JBBA種牡馬展示会
・JBBAからのお知らせ 2022(令和4)年度通常総会の開催と委任状、議決権行使書面について
・JBBAからのお知らせ 産駒報告書が変わります
・2021 生産関連統計
・2022 海外主要競走日程
・2020年軽種馬の全国農業産出額は530億円
・2022年サラブレッドせり市場日程(予定)
・2021 JPNサラブレッドランキング
・日本軽種馬協会ウェブサイト英語版のリリースと海外向け多言語サイトのリニューアルについて

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2022年1月 地方競馬場の売り上げ
・地方競馬開催日程 2022年【4月~6月】
・地方競馬 世代別牝馬重賞シリーズ GRANDAME-JAPAN2022

生産関連ランキング

・2022年2月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2022.1.16 ~ 2022.2.16)

刊行物紹介

・種牡馬DVD『STALLIONS IN JAPAN 2022』
・『2021軽種馬統計』

表紙

・第39回フェブラリーS(GⅠ)優勝 カフェファラオ(USA)
・カフェファラオ(USA)紹介
・2021軽種馬統計
・2022JBBA種牡馬配置表

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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