JBBA NEWS

2021年12月号(VOL.587)

最新の第324便は この景色、最高!烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 この15年で私が何度か手術をしている大きな病院の、ほとんど隣にある大きな製薬会社に水野クンは勤務している。その病院と製薬会社のあいだの敷地に仮設住宅のようなものが建っていて、そこがコロナウイルスの患者の治療室だった。「コロナが治まったら、会社の後輩たちと4人、お邪魔させてください。みんな、めちゃくちゃ楽しみにしてるんです」と水野クンから頼まれて1年が過ぎ、どうにかコロナが治まってきて、2021年11月6日、土曜日の夕方、水野クンたち4人が、わが家にやってきた。水野クン、29歳。沢田クン、27歳。木原クン、26歳。森本クン、26歳。全員独身。同じ会社に勤務している馬券仲間だ。(中略)「水野先輩が楽しそうに競馬の話をするので、つられて馬券を買ったら面白くてしょうがないんだけど、自分と競馬はネットの馬券だけでつながってるわけで、いろいろな競馬の話を聞いてみたいなあって、今日はうれしくて仕方のない日になりました」と沢田クンが言い、「早く競馬をライブで見たいです」と木原クンが言い、「馬名の入った馬券を持ってみたいなあ」と森本クンが言った。「競馬とのつきあい方は、10人いたら10人、それぞれのつきあい方があるわけで、どんなふうに競馬とつきあうかなんて、意味ない。(中略)その人にはその人の競馬がある。それでいいのさ。その人にはその人の人生があるんだから、そんなのは競馬好きとは言えないとか、そんなのは人生じゃないって、そんなこと言えない。ただね、これはぼくのひとりごとだけど、チャンスがあったら、競走馬を生産している北海道の景色を見て歩く旅をして、そこにいる馬を見て、そうか、馬って、おれより孤独かもしれない、なあんて感じるのも、人生の面白さだなあ、とぼくは思って生きております」と言いながら、うれしい時間だなあと、私は幸せだった。(略)

第129回は「BC」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 いつか、この日が来ることを願ってはいたが、実際に達成されると、信じられないような気持ちもわき上がってきた。ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌによる米ブリーダーズカップ(BC)制覇だ。BCは1984年に創設された。日本調教馬が初めて挑んだのは1996年のBCクラシックに出たタイキブリザード(USA)だった。以来、昨年まで延べ13頭がチャレンジした。2010年にレッドディザイアがBCフィリー&メアターフ、2012年にトレイルブレイザーがBCターフで記録した4着というのが、これまでの日本調教馬の最高着順だった。これを一気に更新し、悲願の優勝を果たした。BCフィリー&メアターフで川田将雅騎手を背に8番ゲートから飛び出したラヴズオンリーユーは終始、4、5番手の好位置を進んだ。2周目4コーナーで少し先行勢に置かれるシーンもあったが、最後の直線で前に取り付くと、1頭だけ違う脚色で抜け出し、2着の米国馬マイシスターナットに半馬身差をつけて優勝のゴールに飛び込んだ。BCディスタフは牝馬限定の11頭立て、レースは超ハイペースで進んだ。先行勢が一気にペースダウンした4コーナーでオイシン・マーフィー騎手に手綱を取られたマルシュロレーヌは先頭に立った。ゴール前では内からダンバーロードが急接近。2頭はほぼ同時にゴールインした。写真判定の結果、ハナ差でマルシュロレーヌが先着。ここに日本調教馬初の米国ダートGⅠ制覇という歴史的偉業が達成された。ラヴズオンリーユーがディープインパクト産駒で、マルシュロレーヌはオルフェーヴルの娘。ともに父系をさかのぼれば、米国で生まれたサンデーサイレンス(USA)となる。素晴らしい牝馬を日本にプレゼントしてくれた米国への恩返しになったと筆者。

第141回は「2021年を振り返って ~道を究めた方々が指摘される時代の相違~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 2021年もコロナ禍の影響で、何かと我慢や規制のかかる中での日常でしたが、12月ともなると不思議なもので、例年通り、1年があっという間だったようにも…。特にこの1年筆者には仕事を通して様々な分野の方との出会いがあり、俳優・女優・芸人・元競輪選手・オリンピック選手・AV男優など、あらゆるジャンルの方々から刺激を頂いたとのこと。
 騎手引退後、競馬番組のゲストに始まり、コラム、ナビゲーターに解説、小説、ナレーション、司会、声優に至るまで、様々な仕事をこなしてきたが、今でも1番苦手で仕事終わりに落ち込む度合いが高いのが、インタビュア―的な要素が大事となる対談や司会だと筆者。その道を究められた方々の話は実に興味深く、物事に対する見方が広がり、競馬との共通点、生きる上での人として大切なことを学ばせてもらう機会。しかし不思議なことに、職種は違ってもなぜか一昔前と今の物事への取り組み方の相違を指摘する意見が共通することに気付いたと筆者。

第156回は『マイスター・ハイスクール PARTⅡ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 早い時期からホースマンとしての道を志す若者もいれば、まだ、うっすらとしかホースマンの道が見えていない若者もいる。その時に高校に通いながら、馬事教育を学べる、本年度から北海道静内農業高校が指定校となったマイスター・ハイスクール事業は、そうした若者たちには格好の存在だと筆者。前号では農場長の平岡賢一先生との質問内容を掲載したが、馬事教育との関わりについては、以下のような回答をもらっている。「本校の馬事教育は繁殖管理から生徒の指導、教員の研修など日本軽種馬協会様に大変お世話になってきた経緯があります。産業実務家教員をお願いしている中西(信吾獣医師)さんにも、本事業選定以前から学校の馬事教育で大変お世話になっておりました。」「道内、道外からの入学生のほとんどは生産科学科に所属しており、入学理由としては、馬の勉強をしたい、軽種馬生産に携わりたいというものがほとんどです。道内外からの入学生を受け入れていただいている民間の下宿や、それらの生徒が学校へ通うためのスクールバスなど、新ひだか町や町内の民間企業に大変手厚く支援していただいている。本校にも遠隔者寮があり、その意味では道外からの入学希望生徒の支えになっている。」

(次号に続く)

第156回は『2021JBC大反省会』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 11月3日(祝水)、金沢競馬場と門別競馬場でJBCが開催された。当日は地方競馬中継の解説ということで、スタジオでの解説。トップバッターはJBCレディスクラシック。早め先頭で押し切れるレーヌブランシュに◎、〇も前々でスピード生かせるマドラスチェック(CAN)、テオレーマは小回り、短い直線で決め手を生かしづらいだろうとみて▲。中継(馬券)は◎から軸1頭で流したのでハズレ。新聞は自動的にタテ目を引くので当たりと、なんとも微妙な始まりとなった。
 JBCスプリントは典型的な小回り1400mで、モズスーパーフレア(USA)とアランバローズがいるだけに、ハイペースは必至。バラバラの縦長ならもまれたくない◎サクセスエナジーはレースしやすいだろうと。〇は展開向きそうなレッドルゼル、▲も同様にサブノジュニア。内を突いたレッドルゼルが抜け出し、1分24秒6のレコードタイム。2着サンライズノヴァで〇△の全ハズレ。
 気持ちを切り替えて、門別のJBC2歳優駿だが、エンリルが行って、◎シャルフジンが2番手も行きたがる素振り。前半脚を使った分終い余力なく5着。外から伸びたアイスジャイアントが勝ち、2着は内から伸びたナッジ、3着リコーヴィクターで△△▲の決着。1~5着にキッチリ印が回っていたのだが、順番が違った。
 最後の砦はJBCクラシック。3レースも外れていると、変な汗が止まらなくなる。◎候補は2頭。帝王賞で狭いインを鮮やかに抜け出したテーオーケインズと、前走白山大賞典を使い、地元吉原寛人騎手を起用と、入念に準備してきたミューチャリー。上がりの競馬になると踏んで、◎はテーオーケインズ、〇にミューチャリー、▲にカジノフォンテンの残り目、オメガとチュウワは最近の休み明けは相手までと決めつけて△に。軸が1番人気では配当も低く、タテ目は引かなかった。もはや言い訳のしようもないと筆者。

協会会議

・2021年度 第2回生産等に関する協議会
・2021年度 地方競馬と生産に関する協議会

トピックス

・2021年 軽種馬後継者研修報告
・JBBAからのお知らせ 消費税のインボイス制度 登録申請の受付が開始されました
・JBBAからのお知らせ 2021年生産全国馬名簿がJBBAから発行されました
・第22回獣医師生涯研修のご案内

海外ステークスウイナーズ

BCクラシック 2人気 Knicks Go 3歳クラシック馬2頭抑えワールドランクトップに浮上、米で種牡馬($30,000)
BCダートマイル 1人気 Life Is Good 圧勝
BCスプリント 2月デビュー4人気 Aloha West ハイペース利し後方一気
BCターフ 4人気 Yibir 大外捲り差切る去勢後5戦4勝、同一年産駒3勝はBC史上初
BCマイル 1人気 Space Blues仏米G1 連勝、愛で種牡馬(€ 17,500)
BCターフスプリント 前年BCJターフスプリント G2 勝馬1人気 Golden Pal 好発逃切り
BCジュヴェナイル 西海岸前哨戦勝ち1人気Corniche 大外枠から逃切り勝ち
BCジュヴェナイルフィリーズ 3戦3勝、着差計16馬身超1人気 Echo Zulu 余裕で G1 3連勝
BCジュヴェナイルターフ 英から遠征 Modern Games 3連勝

海外情報

2021 米欧 他の主な2歳G1勝馬

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

海外流通促進

・海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

地方競馬ニュース

・2021年10月 地方競馬場の売り上げ
・2022年 地方競馬開催日程(1月~3月)

生産関連ランキング

・2021年11月各種ランキング
・2021年ファーストクロップサイアーズランキング掲載中!

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2021.10.16 ~ 2021.11.16)

2021総索引  2021 JBBA NEWS 総索引

表紙

・JBBA新種牡馬ミスチヴィアスアレックス(USA)
・ミスチヴィアスアレックス(USA)紹介
・ミスチヴィアスアレックス(USA)5代血統表
・2022JBBAサラブレッド種牡馬配置表

カラーグラビア

・JBBA導入種牡馬ネロ
・JBBA導入種牡馬ネロ紹介

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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