JBBA NEWS

2021年1月号(VOL.576)

新年のご挨拶(公益社団法人日本軽種馬協会 会長理事 河野 洋平)

JBBA事業計画2021年度事業計画

最新の第313便は 銘酒「七冠馬」で乾杯! 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 第40回ジャパンCが3日後にせまった日の夜、ウインズ横浜仲間の野原さんが電話してきて、「今日はかみさんもいなくて、ひとりで、さっきからチビチビ、冷や酒をのんで、競馬のことを考えてたの。アーモンドアイのラストランのゲートに、コントレイルとデアリングタクトが入るなんて、こんなの、めったにあるもんじゃないなあって、考えただけでドキドキしてきた。それでね、ドキドキしながら、リョウさんが頭に出てきたんだ。忘れてるかもしれないけど、リョウさん、今日がジャパンCの、初めての、第1回という日、競馬場で、パドックの近くで、リョウさんに会ったんだよなあ。それを思いだしたの」と言うのである。(中略)第40回ジャパンCの前日、野原さんは無類の日本酒好きだから、どの酒で、めったにないジャパンCに乾杯をしようか、物置に数本ある銘柄を見に行って、「おっ」と声が出そうになった。日本酒「七冠馬」があったのだ。箱にある活字を読む。「酒名(七冠馬)の由来。日本の競馬史上で二十世紀最強の牡馬と称される七冠馬シンボリルドルフ号。この名馬のオーナーブリーダーであるシンボリ牧場主と、蔵元が親戚になった縁により、銘酒七冠馬が誕生しました。蔵主」よしっ。第1回ジャパンCの日に、パドック近くで会った野原さんと、第40回ジャパンCを一緒にテレビで見るという縁により、銘酒七冠馬で乾杯をしよう。(略)

第130回は「2021年の取り組み方 ~回顧番組から学べること~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 あけましておめでとうございます。昨年は新型コロナウイルスにより、様々なことが変化し、今もなおその影響は続いていますね。当初の自粛ムードから徐々に変化し、今はコロナとどう共存していくかが問われ、人それぞれに物の考え方や状況の違いから意見が分かれるところも…。私はかれこれ20年近く、競走馬を育てる方々を中心に取材をしてきたのですが、最近、強く感じることの1つが、例えば馬がとった1つの行動に対して、AさんとBさんでは解釈が違い、その解釈が違うことで馬に対してのアプローチが変わり、それが競走馬の性格や競走成績にも大きな違いとなってくるのではないかということ。これが何だか、得体の知れないコロナウイルスに対しての人々の在り方と、とても似ているように思え、最終的には自分自身の考え方や捉え方が日常生活において非常に大事だと感じていて、2021年は、そのことを頭に置きながら、過ごしていこうと考えていると筆者。
 昨年末に行われたジャパンカップと有馬記念を、元騎手である佐藤哲三さんと共に、小堺翔太さんの司会で振り返るグリーンチャンネルの番組に参加、取材させていただいた方々や出演者の話す内容と意見が大変貴重で、学ばせてもらう絶好の機会になったと筆者。

第118回は「40回」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 「世紀の一戦」と呼ばれた。2020年11月29日に東京競馬場で行われた第40回ジャパンカップだ。1981年に創設された国内初の国際競走は2019年、史上初めて外国招待馬がゼロになり、不要論さえ、ささやかれていた。わずか1年後に評価は急転する。すべての競馬ファンが固唾を飲んで見守るような注目のレースになった。「3強」がそろい踏み、夢の競演となった。2020年天皇賞・秋で優勝し、史上初めて芝GⅠ8勝という偉業を達成したアーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)。7戦全勝で菊花賞を制し、史上8頭目の3冠馬となったコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)。そして、これまた5戦5勝で秋華賞馬になり、史上6頭目の牝馬3冠に輝いたデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)。アーモンドアイは2年前に牝馬3冠に輝いており、「3冠馬」が3頭そろう空前の豪華メンバーになった。空前にして絶後かもしれない組み合わせ。僕は知人に「ポーカーでいえばロイヤルストレートフラッシュ。もうこれ以上の役はない」と説明していた。ファンの関心も高かった。11月29日の東京競馬場の指定席は4,384席が発売され、締め切りまでに50,587件の応募があった。競争率は11.54倍に達した。272億円のうち単勝は19億4,933万700円だった。3頭の売り上げは次の通りだ。アーモンドアイが7億507万5,500円でオッズは2.2倍、コントレイルが5億4,773万3,000円でオッズは2.8倍、デアリングタクトが4億1,672万9,200円でオッズは3.7倍。3頭の単勝売り上げを合計すると、16億6,953万7,700円になる。つまり単勝の売り上げのうち85.6%を3頭が占めた。アーモンドアイが優勝し、コントレイルが2着、デアリングタクトが3着と「3強」が上位を独占する見事なまでの結果に終わった。単勝、枠連、馬連、馬単、3連複、3連単はすべて1番人気。複勝とワイドは1、2、3番人気が的中となった。これはウオッカ、ダイワスカーレット、ディープスカイの「3強」で決着した2008年の天皇賞・秋の時と同じで、8つある券種がすべて人気通りに決まった数少ない例だと筆者。

第145回は『ダービースタリオン』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 4年目にして破産をした。原因は分かっている。初期牝馬にそれなりのネームバリューのある種牡馬を配合したのだが、産まれてきた牡馬は体質が弱く、ほぼレースに出走できないまま、未勝利で引退。兄の無念を晴らすかのように、オープンまで上り詰めようとしていた弟は、デビュー前に脚元が強いというコメントが聞かれたにもかかわらず、調教中に屈腱炎を発症し、その後の成績も振るわなくなった。その後、インブリードを狙って配合された生産馬も、未勝利戦を突破するのが精一杯という惨状。ついに、初期繁殖牝馬を売却するという最終手段に出たものの、それでも預託料などのランニングコストは確実に経営を圧迫し、ついに破産宣告がされた。これは勿論、ゲームの中の話である。今、この仕事をしているのも、ダービースタリオンによって得られた様々な知識によるところが大きく、「競馬ライター村本浩平は、ダービースタリオンでできている」と言ってしまっても、決して過言では無いと筆者。ダービースタリオンをきっかけとして、競馬の世界に入ったエピソードは若手騎手や新規調教師からも聞かれている。人手不足が深刻な問題となっている生産地であるが、もし、ダービースタリオンがこの世界に無かったなら、更に就業者の数は減っていたのでは無いかと思えてくる。このSwitch版が大ヒットしてくれて、数年後、「ダービースタリオンを通して、馬の仕事をしてみようと思いました」という若きホースマンが増えて欲しいと筆者。

第145回は『負けに不思議の負けなし』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」。故野村克也氏の座右の銘として有名だが、肥前平戸藩第9代藩主松浦清が、隠居後に松浦静山の名で執筆した剣術書『剣談』の中に書かれた一節である。一般的には「勝つ時は様々な外的要因で運よく勝つこともあるが、負ける時は負ける理由がある」というように捉えられているが、『剣談』には「道にしたがい、道をまもれば、勇ましさがなくても必ず勝ち、道にそむけば必ず負ける」というようなことが書かれてある。「道」とは「人としての行い」であり、「人としての行い」とは、ようは常日頃から準備を怠るなということである。
 2020年11月29日に行われた第40回ジャパンカップ。逃げ粘るキセキ、早めに勝負を仕掛けていったグローリーヴェイズ。それらを尻目に、あくまで自分のレースを貫いたアーモンドアイがGⅠ9勝目のゴール。2着争いはクビ・ハナ・クビの接戦。上がり最速34.3で外を追い込んだコントレイルが2着、直線勝負に賭けたカレンブーケドールの間を割って伸びたデアリングタクトが3着。アーモンドアイは最後まで強かった。この馬に限っては「勝ちに不思議の勝ちなし」だ。1週間後、第21回チャンピオンズカップだ。国内無敗のクリソベリル断然の前評判だったが、当日の馬体重は554キロ、プラス12キロ。パドックは明らかに太めで、軽めの追い切りの後に、前日の5日に坂路で併せて強めに追われ、サンライズノヴァを追走し半馬身遅れていた。レースを引っ張ったのはエアアルマス、直線、インティが出て、その直後のクリソベリルは手ごたえが悪くムチが入る。普通ならここからグーンと伸びるのだが、どうも反応が鈍い。残り100mあたりで、外からチュウワウィザードとゴールドドリームが伸びてきて、クリソベリル、インティを交わし、そのままゴール。冷静に振り返れば初の中4週と、中間の調整か。「負けに不思議の負けなし」なのは、レース後の川田騎手のコメントにも表れたと筆者。

協会会議

・2020年度第7回理事会
・2020年度第2回軽種馬生産育成総合対策事業運営委員会

せり市場成績

2020年せり市場成績総括 サラ当歳・1歳・2歳総括

海外情報

2020 カルティエ賞(ヨーロッパ競馬年度表彰)
2020 欧5か国 2歳サイアーズランキング(獲得賞金順)
2020 北米 2歳サイアーズランキング(獲得賞金順)

トピックス

・JBBAからのお知らせ 国際サラブレッド生産者連盟(ITBF)によるウェブセミナーのお知らせ
・JRA2021年度競馬番組等について
・JRA2021年度の開催日割および重賞競走の変更
・JRA2021年度開催日割(変更版)
・軽種馬防疫協議会からのお知らせ 米国から日本向けに輸出される馬の家畜衛生条件の改正 ~CEM検査要件に関する変更 ~
・年次別サラブレッドせり市場成績
・グラフで見るサラブレッドせり市場この25年
・2021年(1~12月)ダートグレード競走一覧

地方競馬ニュース

・2020年11月 地方競馬場の売り上げ
・2021年度南関東地方競馬開催日程
・2021年度南関東地方競馬重賞競走の日程(予定)

生産関連ランキング

今月号は休載いたします。
2020年の各種最終ランキングは、2021年2月号に掲載予定

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2020.11.14 ~ 2020.12.12)

2020できごと

表紙

・第40回ジャパンカップ(GI)優勝 アーモンドアイ
・JBBA種牡馬マクフィ(GB)
・JBBA新種牡馬ノーブルミッション(GB)

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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