JBBA NEWS

2020年9月号(VOL.572)

最新の第309便は 黄金旅程 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 「浦和の安藤です。いつも年賀状をありがとうございます。年賀状のみのおつきあいでしたけれど、とてもうれしかったです。夫の直行が6月4日に死去しました。コロナ禍なのにひとり旅で木曽路へ行き、宿で心筋梗塞に襲われてしまいました。71歳でした。今日は7月13日です。それが手紙を書きたくなった理由です。直行は誰彼となく、お酒をのんだ時など、2009年7月13日のことを得意そうに話していました。お忘れかと思いますが、2009年7月13日に私ども夫婦は、ビッグレッドファームで吉川さんにお会いした日です。ステイゴールドをいっしょに見ました。吉川さんの言葉に甘えて、家にもあがり、ビールをのみ、なんと宿泊までさせていただいてしまいました。その日のことが直行の自慢でした。直行は書道同好会に入っていて、黄金旅程と書いた作品が自分の代表作と勝手に言い、今もキッチンの壁に、額装して飾ってあります。ほかに遺品として、直行のお財布にあった馬券があります。今年の2月2日の東京競馬場に行ってまして、7レースのゴールドスミスという馬の単勝馬券で、千円買ったものです。直行の競馬友だちに見せたところ、ゴールドスミスはステイゴールドの子だと知りました。(中略)「お手紙ありがとうございます。2009年7月13日のこと、思いだしています。安藤夫妻も私もうれしいビールで、夢の日でした。直行さん、無念でした。しかし勝手な言い方になるかもしれませんが、その悲劇のひとり旅が、黄金旅程だったかも。コロナ騒ぎがなければ、お線香をあげさせていただき、ゴールドスミスの単勝馬券を見に行きたいと思います。チャンス、待ちます。」(略)

第126回は「こういう状況下だからこそ良心を失わずに ~秋競馬を迎えるにあたっての春競馬~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 年明け以降、様々な面で生活が変わり、また新型コロナウイルスの影響が長期化したことで人々の意識にもかなり変化がうまれている最中に起こった栗東での厩舎の火災には、本当に胸が痛んだと筆者。コロナ禍の影響からか、電車の人身事故や爆破予告などに遭遇することも。また、息子の通う英会話スクールの先生がコロナに感染、保健所から、「万全の対策を取られていたので濃厚接触者とはなりませんが、念のために息子さんのPCR検査をお願いします」との要請を受け、検査も含め3日間学校を休むことになり、いよいよ他人事ではないと実感。コロナによって個人の自由が奪われ、また差別や誹謗中傷がうまれている状況の中でも良心を失いたくないと筆者。
 今年の秋競馬は牝馬・牡馬共に3冠馬の誕生に注目が集まる。春競馬においては、コントレイル、デアリングタクトの圧倒的な走りの他にも、個人的には池添謙一騎手の騎乗内容にも魅了されるシーズンだったと筆者。

第114回は「直千」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 「夏の風物詩」アイビスサマーダッシュが2020年7月26日に新潟競馬場の直線芝1000メートル(直千)で行われた。記念すべき20回目のレースを制したのは2番人気の支持を受けたジョーカナチャン(牝5歳、栗東・松下武士厩舎)だった。手綱を取った菱田裕二騎手は初出場で初優勝、松下調教師は2度目の挑戦で初制覇となった。創設以来19年間続いていたジンクスは今年も破られることはなく、生き続けた。そのジンクスとは「サンデーサイレンス(USA)系はアイビスサマーダッシュで勝てない」だと筆者。日本の競馬地図を1頭で塗り替えたサンデーサイレンス(USA)。産駒の特長は抜群の瞬発力にある。序盤はエネルギーをため込み、ゴール直前に末脚を爆発させて勝利をもぎ取る。ところが新潟競馬場の直線1000メートルで勝つために要求されるのは瞬発力ではなく、トップスピードを持続する能力。故にサンデーサイレンス系は自身の最大の長所を発揮できずにいる。最多勝種牡馬はサクラバクシンオー(プリンスリーギフト系)で36勝。ジョーカナチャンを送り出したロードカナロア(ミスタープロスペクター系)は赤丸急上昇中だと筆者。

第141回は『ゾース、馬ソリを引く PART I』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 世界で唯一とされるばんえい競馬。その言葉を借りるのなら、世界で唯一かつ、初めてのレースを目の当たりにしてしまったのかもしれない。そのレースが行われたのは7月26日、むかわ町のばんえい競馬特設会場、穂別ポニー輓馬大会だ。「今度の穂別の大会に、シマウマの仔が出るかもしれないよ」と突拍子も無いことを聞かされていたこともあり、見に行く価値があるとその日筆者はむかわ町穂別に向かい、何度も不安に襲われながら田舎道の先の会場へ着いた。数分後、筆者の目の前には、縞模様をしたポニーの姿があった。しかも、よく見ると縞模様をしたポニーが2頭いる。その姿に言葉を失っていたところ、縞模様のポニーの生産者である、新冠町内でスターファームという、競走馬の生産牧場を営んでいる田村義徳さんを紹介された。「受胎するまで3年の時間を要したが、ハフリンガーを母に持つ牡馬の『しまじろう』、アパルーサを母に持つ牝馬の『しまみちゃん』というシマウマと馬を異種交配させた品種ゾースを誕生させることが出来た。」とのことだった。ついに全世界初(多分)となる、ゾースの草ばん馬出走と相成ったと筆者。(次号に続く)

第141回は『無観客競馬6』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 フリーで活躍されている方々と話をする機会があった筆者。無観客競馬により取材規制となってから、まったく競馬場に行っていないという。この仕事をしてからこれほど競馬場に行かなかったことはなく、どの方も「早く競馬場に行きたい!」と口を揃えていた。幸か不幸か、筆者の場合は変わらずほぼ毎週競馬場に行き、生でレースを観戦できている。もちろん騎手、厩舎関係者との接触は出来ないため、勝ち馬関係者のインタビューは代表、2着以下のコメントは配信という状況で、主催者も取材者も「大人のソーシャルディスタンス」はきっちり守ろうという姿勢。各競馬場の現状は、まず大井競馬場は無観客期間中に場外への放馬事故が起きたため、各所に放馬止めのゲートが設置され、係員も配置されるなど、物々しい。川崎競馬場は比較的穏やかな雰囲気だが、移動できる場所は大井以上に制限されているので、写真を撮る以外はほぼ何も出来ない。船橋競馬場は、ひと言で言えば「工事現場」だ。スタンド改築工事中だけに、仮設の建築物や、配線がされ、あらゆるところが仮囲いされている。中山競馬場と同じ市内にあることも含め、入場再開には時間が掛かりそうな印象である。浦和は、入場再開後はまだ行けてないのだが、無観客期間中は、お客さんがいないのと、場内の飲食店が閉まっていること以外は、特に変わらず。オフト後楽園や汐留などのオープンは、果たしていったいいつになるのか、復活への道のりは長そうな気配だと筆者。

せり市場成績

・北海道セレクションセール サラ1歳
・北海道サマーセール サラ1歳

海外ステークスウイナーズ

サセックスS 前走 G2 圧勝2人気 Mohaather が前年2着 Circus Maximus(G1 3勝)下す
アラバマS 1人気 Swiss Skydiver 直線手前先頭圧勝
テストS 1人気 Gamine 前走エイコーンS G1(18.3/4 馬身差)に続き7馬身差圧勝

海外情報

2019-20 AUS 主な3歳 G1勝馬
2019-20 AUS/NZ サイアーズランキング(賞金順, 8月1日〜7月31日)

トピックス

・生産育成技術者研修 2020年牧場説明会のお知らせ
・2020年 第42期生産育成技術者研修 進捗状況
・2020 JPNサラブレッドランキング(1月1日〜7月5日)発表される

種牡馬事業

・2020年JBBA サラブレッド種牡馬種付頭数
・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・第20回JBC実施要綱
・Road to JBC
・地方競馬開催日程 2020年【10月〜12月】
・2020年7月 地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

・2020年8月各種ランキング
・注目の2020ファーストクロップサイアーズランキングも掲載!

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2020.7.18 ~ 2020.8.14)

カラーグラビア

・JBIS for Tablet

表紙

・フェニックス賞(OP)優勝 ヨカヨカ
・スクワートルスクワート(USA)産駒 ヨカヨカ紹介
・live.jbis.or.jp
・北海道市場 セプテンバーセール

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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