JBBA NEWS
2020年2月号(VOL.565)
最新の第302便は マーフィーの日 烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
「こんなことやってるんですよ。メンバーのほとんどがジィさんバァさん。もし見てもらえたらうれしいなあ」と去年の2月だったかウインズ横浜で、75歳の野田さんからハガキを渡された。野田さんは元銀行マンで、老後を馬券で楽しんでいる。プロの画家を先生にして、趣味で絵を描くグループの作品発表展が、横浜のランドマークタワーのなかのギャラリーで開催する案内状のハガキだ。「このギャラリーは、横浜美術館へ行った帰りに寄るので知ってます。楽しみに行きます」と言って私は、次の週のウインズ横浜の帰りに、そのギャラリーへ行った。野田さんの作品は横浜の外人墓地を描いた風景画だったが、ハガキを2枚つなげたぐらいのサイズの、クレパスで描いた絵の前から、しばらく動けなくなってしまった。作者名は今井順二。絵の題名は「小公園」で、9歳か10歳あたりの男の子が、ブランコに腰かけて、ぼんやりしている絵だ。(中略)1月6日の朝、横浜駅で今井さんが、約束した私のいる横須賀線に乗ってきた。今井さんはひとりでなくて、連れの息子を私に紹介する。今井知久、28歳、独身。「2年前に大学の仲間たちと起業して、五反田で会社をやってるんだ。説明しても分からんよって、おれは息子がどんな仕事をしてるか知らんの。ネットで何かしてるらしいけど、けっこう儲かってるらしいし、ま、勝手にやってくれってな」と今井さんが笑うので、私も知久くんに仕事のことでは聞かないと決めた。中山3Rから馬券を始めた。知久くんは1番人気のアメリカンフェイスの単勝を3千円買う。オイシン・マーフィーの騎乗だ。アメリカンフェイスが勝ち、単勝2.0倍。知久くんは払い戻した6千円を、第4Rのマーフィー騎乗の2番人気トウカイエトワールに賭ける。(略)
第107回は「大差」 第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
2020年が明けたばかりの1月18日、中山競馬場で15年ぶりの出来事があった。同じ日の同じ競馬場で2度の「大差勝ち」が見られたのだ。第2レースはダート1800メートル「3歳未勝利戦」。優勝したのは単勝1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されていたアイスナイン。2番手から抜け出し、逃げたシラカバに大差をつけた。優勝タイムは1分56秒7。2着シラカバとは2秒0の差があった。続く第3レースはダート1800メートル「3歳新馬戦」。勝ったのは、単勝2.1倍という1番人気に推されたシェダル。勝ち時計は1分54秒6。2着のショウナンアニメとのタイム差は2秒0、つけた着差は大差だった。このように同じ日の同じ競馬場で2度の大差勝ちが演じられたのは、2005年10月8日の東京競馬場以来のことだった。この時は第8レースでマイティスプリングが圧勝劇を演じると、第9レースではユーワハリケーンが2歳ダート1400メートルのコース新記録を塗り替える1分23秒1で快勝したと筆者。中央競馬では22種類の「着差」が採用されている。着差の小さな方から順に並べると次のようになる。「同着」「ハナ」「アタマ」「クビ」「1/2馬身」「3/4馬身」「1馬身」「1 1/4馬身」「1 1/2馬身」「1 3/4馬身」「2馬身」「2 1/2馬身」「3馬身」「3 1/2馬身」「4馬身」「5馬身」「6馬身」「7馬身」「8馬身」「9馬身」「10馬身」「大差」。10馬身を超えると大差になる。同じ日の同じ競馬場で、2度も大差勝ちがあるというのは非常に珍しいケースなのだと筆者。
第119回は 2020年、お酒はほどほどに ~落馬によるケガ、そして復帰に向けて~
ホソジュンのウマなりトーク
細江 純子/ほそえ じゅんこ
年末は忘年会、そして年明けは新年会でお酒を呑むこと度々。どれだけ呑んでも、東京からの最終新幹線で息子の元に戻らなければならず、その帰路で立て続けに失敗をしていると筆者。年末は最終新幹線での寝過ごし、そして年明けは、窓際に放置されていた見知らぬ人の飲みかけのカフェオーレと、バッグの中に入れていた自分の飲みさしとを勘違いを全て飲みほしてしまったと筆者。翌日、6歳の息子と電車に乗っていると、「おれ、ママってほんとにバカだと思うんだよね」と言われてしまい、納得しながら頷くと、「よっぱらったら、何してもいいの?」と書かれた犯罪防止の中吊りを指差し、諭すように読み上げられてしまったと筆者。2020年、お酒はほどほどにしようと筆者。
先日、現在リハビリ中の浜中騎手に会うと、上半身のほとんどが骨折していたのこと。それがわずか数ヵ月で日常生活には支障がない程度に動けるようになるのだから、人間の治癒力を凄いと感じる一方で、今後、完治をし、現場復帰できる状況となっても、フリーとなると、まずは調教馬の確保から、ゼロからのスタート。体の面だけでなく、メンタル的にも乗り越えなければならないハードルがあり、心身共に本当に大変なこと。だからこそ、これ以上、落馬や、それに伴うケガがないことを願うと筆者。
第134回は『ブエノスアイレス午後1時 PARTⅡ』北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
日本のほぼ真裏に当たるアルゼンチンに着いてから2日目。ロケ初日の午前中には、「エビータ」の愛称がつけられていたエバ・ペロンがバルコニーで演説をした大統領府の前でロケを行った。いきなり警察官に「パスポートはあるか?」と声をかけられた。このふくよかな身体のどこかに、ケチャップでも隠しているように見えたのかと思っていたが、「目の前にあるビデオカメラだけど、誰かがひったくるかもしれないから、掴んでおいた方がいい」という、物騒なアドバイスだったと筆者。大統領府から車で10分ほどのアルヘンティノ(パレルモ)競馬場の1908年に建てられたメインスタンドは、それだけで芸術作品と言えるような荘厳さがある一方で、競馬場に来る人の数はまばらで、その歴史の重みなど感じていないようなラフな格好が目立っていた。競馬場では、この日のメインレース「CLASICO THE JAPAN RACING ASSOCIATION」のプレゼンターをやる羽目になった筆者。ビアバーの中にいる人も目の前のレースには目もくれずに、モニターに映し出されるサッカーに歓声をあげている。日本の競馬場ではあり得ない非日常的な世界に自分が飛び込んでいたことを、空になったジョッキを手にしながら改めて感じたと筆者。(次号に続く)
第134回は『優秀馬選定委員会』馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
1月15日、NARグランプリ2019の優秀馬が発表された。年度代表馬には、浦和JBCスプリント(JpnⅠ)を制したブルドッグボスが選定された。地方競馬3頭目の「JBC制覇」であり、地方競馬の年度代表馬に相応しい結果であった。2019年のダートグレードレース戦線は、地方馬の活躍が目立った。2歳部門は3競走のうち2競走に勝ち、古馬も5競走で勝利を挙げている。2歳牡馬せん馬最優秀馬には、全日本2歳優駿(JpnⅠ)に勝ったヴァケーションが選定。これは当然の文句なし。そしてクライマックスは3歳牡馬・せん馬部門での選考。ジャパンダートダービー(JpnⅠ)3着のミューチャリー、それを東京ダービーで破ったヒカリオーソ、さらに昨年7戦7勝の負けなしで、ホッカイドウ競馬3冠馬のリンゾウチャネルの3頭に絞られ議論。ジャパンダートダービー3着はひじょうに価値ある成績で、勝ったのはその後日本テレビ盃、チャンピオンズカップに勝ち、デビューから6戦負けなしのクリソベリル。2着も名古屋グランプリに勝ったデルマルーヴル。ミューチャリーはひじょうに強い馬で、実はヒカリオーソとウィンターフェル以外の地方馬には負けていない。普通ならこれで決まりなのだが、リンゾウチャネルの北海道3冠、2019年7戦7勝、そして楠賞の楽勝振りを評価しても良いのではないか、負けたレースで選ぶよりは勝ったレースで選びたいとの意見も強く、結果はリンゾウチャネルが3歳最優秀牡馬に選ばれた。受賞馬の関係者の皆様、2020年もさらなるご活躍を期待していると筆者。
繁殖牝馬セール成績
・2020年ジェイエス冬季繁殖馬セール
海外情報
2019 | 北米サイアーズランキング(獲得賞金順) 総合・2歳・ブルードメアサイアー |
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2019 | 英愛サイアーズランキング(獲得賞金順) 総合・2歳・ブルードメアサイアー |
2019 | 仏サイアーズランキング(獲得賞金順) 総合・2歳・ブルードメアサイアー |
2019 | 独サイアーズランキング(獲得賞金順) 総合・ブルードメアサイアー |
トピックス
・2019年度JRA賞
・NARグランプリ2019/2019ダートグレード競走特別賞
・2019年度JRA生産者団体表彰成績
・2018年軽種馬の全国農業産出額は482億円
・2020年サラブレッドせり市場日程
・2019年世界のせり日程
・2019年JRA外国産馬の競走成績
・2019年トレーニングセール取引馬の2歳競走成績
・JBBA種牡馬展示会のお知らせ
・種牡馬エンパイアメーカー(USA)死亡
海外流通促進
・海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)
地方競馬ニュース
・地方競馬場別サイアーズランキング 2019年1月~12月
・2019年12月 地方競馬場の売り上げ
生産関連ランキング
・2019年各種最終ランキング掲載!
・2020年1月各種ランキング
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)
The First Win
JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2019.12.9 ~ 2020.1.13)
表紙
・JBBA新種牡馬アニマルキングダム(USA)
・JBBA新種牡馬アニマルキングダム(USA)紹介
・ヨハネスブルグ(USA)産駒 ヨシオ ジャニュアリーS(OP)優勝
・2020JBBAサラブレッド種牡馬配置表
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc
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