JBBA NEWS

吉川 良/よしかわ まこと

　異常に暑い日が続く2019年の夏、「昔の教え子が遊びにきてくれまして、上等なブランデーを土産に持ってきたんですよ。わたしは酒に関して特別に知識を持っていませんが、かなり上等なブランデーのようです。封切りしようと思うのですが、どうもひとりでというのも空しい気がして、あなたの顔が浮かびました。競馬の帰りにお寄りいただく日を作ってくれませんか」とタイセイさんが電話してきた。タイセイさんは、只今83歳。ウインズ横浜まで歩いて15分ほどのマンションに住む。４年前に奥さんに先立たれ、医師の息子は仙台に、娘は神戸に家庭があって、ひとり暮らしだ。７月28日、新潟11Rがアイビスサマーダッシュの日、ウインズ横浜に行き、５階でタイセイさんと会った。タイセイさんといつも一緒の、50代半ばの大工の金沢さんは、法事があって故郷の静岡へ行っていて不在。(中略)吉川さん、わたし、今年の夏、ひとつの夢を追いかけてるんです。というのは、馬券で儲けた金で凱旋門賞を見に行ってやろうと。あたりまえに買う馬券じゃフランスへ行くのは無理。ひとつの競馬場の12の全レースに、自分の誕生日の昭和11年４月14日から、３連単11-4-14を300円ずつ買ってます。なけなしの貯金をはたいてでなく、馬券を当てて凱旋門賞へ。そういう夢です」聞いて私は、凄いなあ、83歳の夢、凄いなあと感動してしまった。(略)

有吉 正徳/ありよし まさのり

　2019年９月21日に中山競馬場であった清秋ジャンプステークス(3210メートル)は、白浜雄造騎手が手綱を取った１番人気のディライトフル(セン８歳、栗東・大久保龍志厩舎)がスタートから先頭を奪い、そのまま逃げ切って優勝した。この勝利はフジキセキ産駒のＪＲＡ通算1,526勝目であり、2019年の初白星となった。産駒がデビューした1998年以来続いていた連続勝利記録も22年に伸びた。フジキセキは2010年の種付けを最後に種牡馬を引退。2015年12月28日に23歳でこの世を去った。ディライトフルらの８歳馬が最終世代となる。ＪＲＡに現役で残っているのは他にメガオパールカフェ(牡８歳、美浦・和田勇介厩舎)しかおらず、フジキセキ産駒の勝利が今後も伸びるかどうかは、この２頭にかかっている。ちなみにＪＲＡの種牡馬別の連続年勝利の最多記録はノーザンテースト(CAN)の28年だと筆者。以来2019年まで産駒はＪＲＡで1500以上の白星を積み上げた。これはサンデーサイレンス、ディープインパクト、キングカメハメハ、ノーザンテースト、ブライアンズタイム(USA)に次ぐ歴代６位の成績だ。クラシック馬は皐月賞を制したイスラボニータ１頭だったが、ＪＲＡのＧ1優勝馬はカネヒキリ、コイウタ、ファイングレイン、エイジアンウインズ、ダノンシャンティ、サダムパテック、ストレイトガールと計８頭を送り出していると筆者。

細江 純子／ほそえ じゅんこ

　今年の凱旋門賞。史上初の３連覇の偉業を牝馬・エネイブルが成し遂げているのか？はたまた、スピードシンボリで挑戦し続けてから50年となる節目の年に、日本馬悲願の凱旋門賞馬が誕生しているのか？いずれにしても歴史的瞬間となりそうな１戦、楽しみでなりません。
　トレヴで連覇を果たした女性調教師クリスティアーヌ・ヘッド氏が先月来日され、栗東トレーニングセンターで講演会が開催されました。彼女に感銘を受けたのは、最初の勝利後は、「勝ったけど、馬に負担の残る良い勝ち方ではなかった」と発言をし、連覇の際には、「最高の騎乗をした」と、ジャルネ騎手を褒め称えたことです。勝ったから＝良いではなく、常に馬を中心として物事を見る判断と率直にものが言いあえる調教師と騎手の関係性や、そのことがメディアを通しても歪みなく伝わる状況が素晴らしいと筆者。
　そのヘッド氏の講演に、主人と共に参加。想像していた通り、常に馬を観察し、馬の精神状態をフレッシュかつストレスなく過ごせるように配慮すると同時に、馬だけでなくスタッフや主戦となる騎手の心理面も読み取られての判断や選択、采配していたのだと筆者。ヘッド氏は毎朝、管理していた200頭以上の馬の背中や脚元の全てを触り、常に自分の目で馬を見、肌で感じ、対話を続けてきた日々の蓄積が、揺るぎない調教理論や馬作りにおける信念のある、ぶれない考え方が構築されたのだと今回の講演で改めて感じたと筆者。

村本 浩平/むらもと こうへい

　今年のＪＲＡ北海道シリーズで、ビギナーズセミナーの講師、そして札幌開催では「マスターズ・アイ」のお手伝いもした筆者。「ビギナーズセミナー」は、函館開催、札幌開催ともに例年以上の競馬初心者の参加があったと筆者。特に８月18日に行われた札幌記念開催日の入場者は、今年の北海道シリーズでは最多となる３万5,419人となった。この日はＪＲＡ年間プロモーションキャラクターを務める、俳優の松坂桃李さんが来場。松坂さんは札幌記念の表彰式でのプレゼンターの後には、スペシャルトークショーも行うということで「松坂桃李効果」が十分に発揮され、多くの女性の入場があった。初めて競馬場に来て、馬券を買ってみようかと思う場合、競馬のイロハを教えてもらえる場所があれば、とりあえず入ってみようと思うはずで、セミナー参加希望者の数は午後になっても増え続けた。「桃色＝桃李」が思い浮かんだ女性参加者は、札幌記念では桃色の馬券、つまり８枠からの馬券を買っていた。ゲストの中には、予想をしない、あるいはしたくない場合もあるだろうが、せめて１頭でも「応援する馬」の名前を事前に挙げてもらえたら、少なくともそのゲストが目当てで競馬場に来たファンに、その１頭から競馬を知っていく「入り口」を作ることにもなると思うのだがと筆者。

小山内 完友/おさない ひろとも

　このところ残念なニュースが続いている。新聞記事によると９月15日朝、日高町のヴェルサイユファーム(株)に繋養されているタイキシャトル(USA)のたてがみが切られているのを、同牧場の従業員が発見。門別署に届け出され、同署は器物損壊事件として捜査している、という。さらにローズキングダムのたてがみも切られていることが判明。同牧場は当面見学禁止を決定したというもの。さらに16日朝には浦河町の「うらかわ優駿ビレッジAERU」で繋養されているダービー馬ウイニングチケットのたてがみが切られているのが発見され、さらに同日、日高町の(有)日西牧場に繋養されている菊花賞馬ビワハヤヒデのたてがみが切られているのが発見された。その後被害に遭った馬の「たてがみ」と称したものがフリマサイトに出品されていることが判明。
　自己の利益のために他者の所有物(馬)を傷つけ、奪ったり盗んだりする行為はひじょうに卑劣極まりない。早期の犯人逮捕が望まれ、こうした一部の人間の蛮行が、引退馬全体の行く末を危うくしていると感じると筆者。　

・北海道セプテンバーセール　サラ１歳

キーンランド・セプテンバー・１歳セール

・生産育成技術者研修 2019年牧場説明会のお知らせ
・2019第41期生産育成技術者研修 進捗状況
・第32回日本ウマ科学会学術集会のお知らせ

・海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

・ＳＴＡＬＬＩＯＮ　ＮＥＷＳ　ＡＲＣＨＩＶＥ(スタリオンニュース・アーカイヴ)

2019年８月・地方競馬場の売り上げ

・2019年９月各種ランキング
・2019年ファーストクロップサイアーズランキング掲載

レポート（日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター）

・ＪＢＢＡ種牡馬デクラレーションオブウォー(USA)
・デクラレーションオブウォー(USA)北米２歳サイアーズランキング堂々第２位！
　　２歳戦線に有望馬続々登場！デコレーテッドインヴェイダー、ヴァルデモーロ、ピースアーチド
　　ウイニングウェイズ 牝15生　豪クイーンズランドオークス(G1)制す
・エスケンデレヤ(USA)産駒ミトレ フォアゴーＳ(G1)制覇、19年G1３勝目!
・Live.jbis.or.jp北海道オータムセール生中継
・北海道オータムセール

・ＪＢＣポスター
・ＪＢＣ2019 浦和競馬場で初開催