JBBA NEWS

2019年9月号(VOL.560)

最新の第297便は おれの花火 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 8月4日のこと、ウインズ横浜からの帰り、JR桜木町駅のホームで大船行きを待っていると背中をノックされた。ふりむくと、やはりウインズから帰りの「良寛さん」だった。大船に住む彼は私立高校の数学教師で只今50歳。独身である。数学教師でありながら、何かというと自分と同じ出身地、越後出雲崎に生まれた江戸時代の歌人である良寛の話をするので、学校での生徒からの呼び名は良寛さん。私とは大船の酒場で知りあい、私とつきあって競馬にハマってしまった。(中略)8月10日、私はウインズ銀座にいた。テレビに新潟8Rの3歳以上1勝クラスで15頭がパドックを歩いている。その画面を見ながら、良寛さんが嶋田純次を勝たせたくて買ったという先週のことが頭に浮かんだ。この新潟8Rに登場する騎手のうち、ときどき私が人気のあるなしにかかわらず、勝ってほしいと思って単勝を買う騎手は武士沢友治だった。おれも良寛さんのように、単勝馬券の花火をあげたい。そう願って私は、武士沢友治騎乗のフーズサイドの単勝を1,000円買った。ダート1800。15頭立て。フーズサイドは8番人気だった。ゲートがあいて、4コーナーまでほとんど最後方にいたフーズサイドが、直線コースになって夢のように馬群を抜くではないか。凄いことが起きてる。なんだこれは。おいっ、おいっ、おいっとふるえるうち、ふるえがしばらく止まらなかった。武士沢友治のフーズサイドが勝ったのだった。単勝2,890円というのも感動的だ。「その単勝馬券が、おれの花火だ」と私は夜空に言いたかった。

第102回は「合作」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2019年7月30日、ディープインパクトが17歳の生涯を閉じた。原因は頸椎骨折という。まだまだ働き盛りの若すぎる死だった。理想のサラブレッドであった。現役時代は皐月賞、ダービー、菊花賞の3冠を含む14戦12勝の成績を残し、GⅠは7勝。種牡馬としても、2012年から昨年まで7年連続のリーディングサイアーに輝いた。産駒が残っているため、今年以降も首位を守ったとしてもおかしくはない。セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、オルフェーヴル。ディープインパクトを含めると、これまで7頭の3冠馬が誕生しているが、リーディングサイアーになった3冠馬はディープインパクト以外にはいない。プロ野球の世界に「名選手必ずしも名監督ならず」という格言があるように「名競走馬必ずしも名種牡馬ならず」ということはできそうだ。そんなジンクスをディープインパクトは軽々と打ち破ってみせた。今度は8月9日にキングカメハメハが死んだ。ディープインパクトの1歳上の18歳。ディープインパクトが首位を守ってきた昨年までの7年間、ずっと2位をキープしてきたのがキングカメハメハだった。日本の生産界は、10日足らずの間にナンバーワン、ナンバーツーの種牡馬を失った。偉大だったディープインパクトとキングカメハメハ。2頭の死はかえすがえすも残念だが、「ディープとキンカメ」の共同作業による「合作」は残ったと筆者。

第114回は「ディープインパクトの思い出、そして海外から ~懐かしさと、かけがえのない馬作り~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 この夏、競走馬としても種牡馬としても素晴らしい功績を残したディープインパクトとキングカメハメハの両馬が立て続けに旅立つというショッキングなニュースがあった。当時の有力馬たちは、在厩期間も長く、本番に向けて逆算しての馬作りをトレセンの厩舎で行っていた。ディープインパクトを担当する市川厩務員や、助手の池江敏行さんが、各社メディアに対して本当に丁寧な対応をし、ディープインパクトという馬がどんな馬なのか分かりやすく世間に届いていたからこそ、世代や性別を超えて愛されたようにも思えると筆者。日本ダービー後は、放牧に出さずに札幌競馬場で調整、その重圧は計り知れないものがあり、菊花賞後ゲート裏から厩務員さん方と引き上げてくるバスの中で、「市川さん、おめでとう」の声が飛び交い、皆が祝福。この光景は後にも先にもこの1回のみで、私の心と脳裏に刻まれていると筆者。
 現場で時間をかけた馬作りとなると、今回のイギリスでのディアドラの勝利。日本を飛び立ってから、ドバイ→香港→イギリスで参戦。そしてその傍には担当の込山助手が常に寄り添い、調教とケアを担当。常に馬と対話をする込山さんだからこそ、環境が変わる中でも、最終的に心身のバランスを整えて出走し、優勝することができたのではないかと筆者。トレセンでの在厩期間が長い時代に培ってこられた方々の経験値というのは、宝であると再認識したと筆者。

第129回は『馬力本願プロジェクト PARTⅢ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 新ひだか町で「馬力本願プロジェクト」の推進業務にあたる、地域おこし協力隊の活動を行っている糸井郁美さんが取り組んだ活動が、地域の子供たちが主役となる馬にちなんだ祭りを企画する「さくらうま」だったと筆者。「さくらうま」では、新ひだか町の『しずない桜まつり』の会場で自分たちが企画してデザインや販売も自ら行う馬のキーホルダーと、馬の缶バッチ作成に取り組んだ。制作したキーホルダーと缶バッチは完売。そこで得た収益をどうするかと、話し合いを持ったとき、子供たちから出た意見が、「人参スープ作り」だった。みんなで味を決めたスープは、10月に町内で行われる『新ひだか町総合ケアセンター健康まつり』での発売を予定している。こうした「新ひだかうまキッズ探検隊」や「さくらうま」の活動内容に関しては、Facebook内の「北海道 新ひだか町 地域おこし協力隊」で確認することができる。新ひだか町地域おこし協力隊として着任した糸井さんの任期は来年まで。それ以降の活動に関しては、現時点で何も決まっていないが、「うまキッズ」や「さくらうま」に参加した子供たちが、競馬や馬に興味を持ち続け、馬に関係する仕事をしてくれるようになるような活動は続けていきたいと糸井さんは考えていると筆者。

第129回は『UMAJO求む!?』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 筆者が務める株式会社日刊競馬新聞社は社員100人未満で、筆者は人事・採用も兼任し、担当は筆者ひとり。基本的にいい人材を選びたければ、多くの方と接触するのが一番の方法だが、本当に新聞記者になりたいと思っている方だけが来ればいいと、定員制の電話申し込みという、クラシックな方法で募集を行っていると筆者。今年は女性、特に女子大の内々定率が高く、内々定が出される時期も早いらしい。採用に際して男女の差別は全くしていないし、現在編集2名、トラックマン1名、総務1名の女性社員がバリバリ活躍しているが、現在の社員の構成は75:4という圧倒的な「男性会社」で、さらに地方競馬編集部はかれこれ20年以上、男性オンリーだという。まずはターゲティング。競馬場のUMAJOスポットに求人出させてくれないかな(笑)と筆者。

協会会議

・第3回理事会(書面決議)

せり市場成績

・北海道サマーセール サラ1歳

海外ステークスウイナーズ

ホイットニーS メトロポリタンH(勝馬Mitoleはエスケンデレヤ産駒)等今季G12着2回1人気McKinzieが2人気Preservationist(Arch、サバーバンH G2勝馬)追走から楽勝
アラバマS 1人気Dunbar Road外目進出楽勝、3連勝で初 G1
モーリスドゲースト賞 Oasis Dream(欧Ch.スプリンター)系1人気Advertise G13勝目

海外情報

2018-19 AUS 主な2・3歳 G1勝馬
2018-19 AUS/NZ サイアーズランキング (賞金順、8月1日 ~ 7月31日)

海外セール

アルカナ・オーガスト1歳セール

トピックス

・研修生募集のお知らせ 2019年軽種馬後継者研修募集案
・2019年生産地懇談会総括
・第11回地方競馬主催者軽種馬生産地現地検討会が行われる
・JBBA軽種馬生産技術総合研修センター便り 静内農業高等学校で馬の肢蹄管理の授業
・JBBA馬伝染性子宮炎(CEM)採材法と治療法の講習会を開催
・BOKUJOB「夏休み牧場で働こう体験会」レポート49

海外流通促進

・海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

種牡馬事業

・2019年JBBAサラブレッド種牡馬種付頭数
・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・地方競馬 夏うまフェス2019
・第19回JBC実施要綱
・史上初、浦和への道を目指せ Road to JBC
・地方競馬開催日程 2019年10月~12月
・2019年7月 地方競馬場の売り上げ
・地方競馬所属別在籍頭数/サラ系統(2019年7月1日現在)

生産関連ランキング

・2019年8月各種ランキング
・2019年ファーストクロップサイアーズランキング掲載

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2019.7.23 ~ 2019.8.15)

カラーグラビア

・JBIS for Tablet

表紙

・第19回サマーチャンピオン(JpnⅢ)勝馬 グランドボヌール
・JBBA種牡馬エンパイアメーカー(USA)産駒 グランドボヌール紹介
・Live.jbis.or.jp北海道セプテンバーセール生中継
・北海道セプテンバーセール

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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