JBBA NEWS

2019年3月号(VOL.554)

最新の第291便は とんぼのように 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 1月20日のこと、ウインズ横浜に着くとテレビに、中山3R3歳未勝利に出走する15頭のパドックが映っていた。「おっ、モリト」そう思って私は8枠15番のモリトローテローゼを見つめる。冠名「モリト」の石橋忠之さんとは、ときどき手紙のやりとりがある。去年は救急車のお世話になったりして石橋さん、ずいぶん病院通いをしたようなので、モリトローテローゼが歩いていると、石橋さんが歩いているような気がしたのだ。(中略)その晩、私は英子さんの家に泊めてもらった。朝9時、英子さんは勤務先の病院へ、私はウインズ横浜へと向かった。まだ人がちらほらのウインズのテレビに、東京1R3歳未勝利の16頭が歩くパドックが映っていて、先週と同じく「モリト」がいた。石橋さん、東京競馬場へ行ったかなあ、と思う。競馬場で石橋さん「モリト」がゲートに入ると両手をしっかり合わせて祈るんだよなあと思った。7枠13番モリトイナセは武士沢友治騎乗。16番人気だ。16頭立て16番人気、オッズは240倍。それでも石橋さん、きっと手を合わせると思いながら、単勝を200円買って私は発走を待った。ダート1300。ずうっと後方にいたモリトイナセだったが、なんだか直線では踏んばって5着だった。240倍の馬が5着なのだから、何か貰えてもいいよなと思いながら、その馬券も先週のモリトローテローゼの馬券と同じく、仕事部屋にある記念馬券函に残そうと決めた。(略)

第96回は「里帰り」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 アウォーディー(USA)やジャンダルム(USA)など「帰国子女」の活躍はこれまでも目にしたことはある。だが、こんな例に接したのは初めてだった。コパノキッキング(USA)(せん4歳、栗東・村山明厩舎)のケースである。その生い立ちは実にユニークだ。牝馬のシャルナ(IRE)がアイルランドで誕生したのは1995年だった。父はフランス・ダービー馬のダルシャーンDarshaan(GB)。3歳時に1勝を挙げたシャルナは引退後の1998年、日本に輸入されて繁殖牝馬となった。2003年にフサイチコンコルドとの間に産んだ第4子モエレジーニアスは、地方所属のままJRAの函館2歳S勝ちを収めた。重賞勝ち馬の母になったシャルナは、3頭を出産した後、06年にゴールドヘイローとの子を身ごもったまま渡米し、現地で牝馬を出産した。07年生まれのこの牝馬はセラドンCeladon(USA)と名付けられ、競走馬になった。3、4歳時に6戦して3勝の成績を残して現役を引退した。繁殖牝馬となったセラドンがスプリングアットラストSpring At Last(USA)との間に2015年に送り出したのが、のちのコパノキッキングである。祖母が渡米してから10年あまり。不思議な縁に結ばれて、孫が日本に戻ってきた。1代挟んでの「里帰り」は寡聞にして知らないと筆者。

第108回は「5歳児の世界観に日々驚き ~どの世界でも、人は一人では何もできないのかも~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 今、NHKで人気の番組「チコちゃんに叱られる」のチコちゃんは5歳。また1992年からTV放送されている「クレヨンしんちゃん」のしんのすけも5歳。そして我が息子も5歳。5歳という年齢は言葉を覚え、大人との会話も成立する頃。また子供同士の世界観も広がり、子供と大人の違いや、生活におけるあらゆることに疑問を抱き、問いかける時期。だからこそ、その発する言葉が、素朴、新鮮かつ斬新、時に度肝を抜かれることもあり、5歳児の面白さに日々驚かされてばかりだと筆者。3月となり、新たなジョッキーがデビュー。「経験値にまさるものはなし」とにかく1鞍でも多くの騎乗機会を得てほしいと思うと筆者。女性騎手初となるG1騎乗を果たした藤田菜七子騎手のデビューからの歩みを振り返ると、師匠の根本調教師が導いた2つの点が、非常に大きかったと筆者。まず1つ目は騎乗機会。3月の中央デビュー前に地方競馬デビューを果たし、より注目を浴びる形をとって、それを機に中央・地方での乗り鞍を確保してきた点。そして2つ目は、マスコミとの距離感。女性というだけで目立つ存在の彼女を、根本師はマスコミとの繋がりを持ちながら、客観的に自分がどういう存在であるかを彼女に説いてきた点。どの仕事でもそうだが、何事においても人は一人では何もできないのではないかと筆者。

第123回は『ホースメッセ Part I 』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 横浜に行ってきた。横浜と言ってまず思い浮かぶのは、日本三大中華街の一つである横浜中華街、横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアム、そして、10代の頃に毎週楽しみにしていた「あぶない刑事」の舞台だと筆者。目的は1月17日から21日まで、横浜赤レンガ倉庫1号館とワールドポーターズで開催されたホースメッセだった。今年で3年目を迎える馬に関する「モノ」や「コト」を集めたホースメッセに、今年から社台スタリオンステーションがブースを出展。繋養種牡馬のハービンジャー(GB)の頭絡なども全国の在来馬の保護活動を目的としたチャリティーオークションに出品された。そして、スタリオン主任の筒井裕司さんが、ディープインパクトやキタサンブラックの管理や、普段の様子について、トークショーを行った。また、JRA日本中央競馬会の協力で、赤レンガパーク内に特設馬場会場を設置、実馬を使ったデモンストレーションを行い、カウボーイアップランチの代表であり、ホースクリニシャンとして、様々な馬の調教やしつけに携わってきた宮田朋典氏のグランドワーク講座も行われた。(次号に続く)

第123回は『お問い合わせ』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 競馬新聞社の編集部には読者から問い合わせの電話がよく掛かってくる。電話番号は確か番号案内には公開していないはずなのだが、どこで調べたのか掛かってくる。近年、競馬新聞の読み方についての問い合わせが増えている。一説には定年後の趣味として競馬を始めてみようと思う人が、以前よりも増えているからだという話。以前から競馬は知っていたし興味はあったが、リタイアして時間が出来たので始めてみた、というケースである。そしてその最初のハードルが、専門紙やスポーツ紙の馬柱の読み方なのだと言う。自分達で発行しておきながらこう言うのもなんだが、馬柱の中身は知っていれば分かりやすく機能的だが、初心者や知らない人にとっては暗号である。良く言えば活字文化の集大成、悪く言えば不親切極まりない。弊社地方版を例にとると、最初に躓く。1行目は「17大3 1・24」。なにそれ、である。「17回大井競馬3日目、1月24日」。さらに3日目の部分は四角の白抜き、つまり不良馬場であることを表している。レースによっては「17大」が白抜きになっていることがある。それはナイター競馬であることを表している。馬柱1行の説明に本誌5行を要するのである。これを電話で説明するとなるとどうなるのか、想像にお任せすると筆者。

協会会議

・2019(平成31)年度第1回理事会

海外情報

2018 エクリプス賞(アメリカ競馬年度表彰)

トピックス

・2019年JBBA種牡馬展示会開催
・JBBAからのお知らせ 2019(平成31)年度通常総会の開催と委任状、議決権行使書面について
・2018生産関連統計
  ◆2018年種付牝馬頭数*
  ◆2018年地域別種付牝馬頭数*
  ◆2018年生産頭数*
  ◆2018年地域別生産頭数*
  ◆年次別サラブレッド輸入頭数
  ◆2018年産地別・月別サラブレッド輸入頭数
  ◆産駒頭数順(上位30位)
  ◆内国産種牡馬種付頭数順(上位30位)
  ◆外国産種牡馬種付頭数順(上位30位)
  ◆供用場所別種付頭数順(上位15位)
・2019年海外主要競走日程
・2018年JPNサラブレッド・ランキング

海外流通促進

・海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

・2019年1月・地方競馬場の売り上げ
・地方競馬開催日程 2019年【4月~6月】
・地方競馬 世代別牝馬重賞シリーズ GRANDAME-JAPAN 2019

生産関連ランキング

・2019年2月各種ランキング

刊行物紹介

種牡馬DVD『STALLIONS IN JAPAN 2019』 (一社)日本競走馬協会発刊
『2018 軽種馬統計』(公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル/(公社)日本軽種馬協会 発行

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2019.1.12 ~ 2019.2.13)

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

表紙

・第36回フェブラリーS(G1)優勝 インティ
・JBBA種牡馬ケイムホーム(USA)産駒 インティ
・JBBA種牡馬バゴ(FR)産駒 クロノジェネシス
・第54回クイーンC(G3)優勝 クロノジェネシス

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