JBBA NEWS

2018年1月号(VOL.540)

新年のご挨拶(公益社団法人日本軽種馬協会 会長理事 河野 洋平)

JBBA平成30年度事業計画

最新の第277便は おれのことは 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 秋田県横手市出身のゲンちゃんとは、2001年ごろ、鎌倉市大船のスナックバーで知りあった。私は昔に薬品問屋勤務のとき、秋田県を担当して出張していた数年があり、ゲンちゃんが卒業した中学校や高校の光景も記憶していたので、話に花が咲いたのである。ゲンちゃんは24歳、私は64歳だった。ゲンちゃんは高校を卒業して横浜に本社のある建設会社に就職をし、大船営業所に配属されていたのだ。幸か不幸か、私と知りあったのが縁で、2001年11月25日、ジャパンCの日の東京競馬場に足を踏み入れた。(中略)
 40歳となったゲンちゃんが胃がんに襲われ、退社し、両親や兄や姉のいる秋田で療養すると、突然のように私が知らされたのは、2017年9月半ばのことである。どうしてあいつ、連絡してこないのだと、少し腹を立ててケイタイをしてみようかと思った11月半ば、ゲンちゃんの姉さんから電話があり、ゲンちゃんは11月7日に息を引きとり、葬式も済ませたという報告で、「弟が病院の枕もとにメモ帳みたいなのを置いていて、ようやく落ち着いて、いろいろ読んでみると、おれのことはよしかわさんに聞いてくれって、よしかわさんの電話番号が書いてあって」と言うのだった。(略)

第82回は「3連覇」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2017年12月2日に中山競馬場で行われた第51回ステイヤーズSは単勝オッズ1.3倍という断然の1番人気に支持されたアルバート(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)が優勝し、ステイヤーズS史上初の3年連続制覇を果たした。3連覇となると皆無、アルバートが初めてのケースとなった。忘れてならないのがJBCクラシックで初めての3連覇を記録したアドマイヤドンだ。2002年11月4日、舞台は盛岡競馬場のダート2000メートルだった。藤田伸二騎手を背にした3歳のアドマイヤドンは2着のプリエミネンスに7馬身という大きな差をつけて優勝した。前年の朝日杯フューチュリティSを制したように芝での実績も一流だった。翌年のJBCクラシックは大井競馬場で、スターキングマンに3馬身差をつけて2連覇。2004年も大井競馬場で走り、2分2秒4という当時のコースレコードで見事に3連覇を果たした。このアドマイヤドンの息子が今回ステイヤーズSで史上初の3連覇を達成したアルバートである。父が3連覇目にコースレコードを叩き出したのと同様に、息子も3連覇目で一番速い勝ち時計をマークした。息の長い活躍を続ける遺伝子は確実に父から子へと受け継がれているようだと筆者。

第94回は「勢い増す外国人騎手の活躍 ~その背景にあるものとは~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 2017年の秋競馬は、外国人騎手の活躍が際立ち、春同様にM.デムーロ騎手のスプリンターズS制覇から始まったGⅠ戦線、この原稿入稿前までに行われた8つのGⅠのうち、秋の天皇賞でのキタサンブラックの武豊騎手を除いては、皆、外国人騎手。中でも衝撃的だったのが、ダートGⅠチャンピオンズカップでのムーア騎手。ゲートに課題あり、折り合いに難しさありのゴールドドリームを、最小限の遅れに留めてのスタート後、プッシュしてポジションを取りにいき、しかもその後、いとも簡単に折り合いをつけてしまうのだから、本当に凄いの一言だと筆者。日本で騎乗する際、ムーア騎手は金曜日には必ず通訳を交えてのエージェントとのミーティングを設け、自分の騎乗馬のみならず、相手馬に関する情報など、こと細かく聞き出してディスカッションするようです。その馬に携わる人の意見を求め、普段の馬の様子や、どんな人が触れているのか?あらゆる角度から情報を取り入れ、分析しているようです。2018年は、益々外国人騎手の活躍が拡大していくように感じると筆者。

第109回は『草ばん馬大会 PartⅢ』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 「負けられない戦いはそこにある」を体現するかのように、北斗市内に設けられたコースの中に関係者が入り込み、騎乗者と共に馬を追っていた(株)田山産業運輸の主催するばん馬競技大会。なぜ関係者たちはコースに入ってまでして、勝ちにこだわるのだろうか?。出場者の言葉がその答えのようだ。「草ばんば大会は全道のどこでもやっているけど、その全てのレースを勝ちたいという気持ちがあるからね。あとは草ばん馬を盛り上げたいという純粋な気持ちかな」。「時計勝負となる軽重量戦だけでなく、高重量戦も1頭のポニーで勝てるようにトレーニングを積んできました」まさにシンプルイズベスト。北海道内の草ばん馬はこの大会でシーズン終了となったが、例年と同じ日程ならば、来年も4月末から全道各地で開催が予定されている。馬産地から近い場所では穂別や恵庭でも開催されているが、詳しい日程や場所については、Facebookの「ばん馬大会情報」で確認していただきたいと筆者。

第109回は『平成30年度の日程』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 平成30年度南関東地方競馬の開催日割と、重賞日程が発表された。ここ数年のJRAインターネット発売、SPAT4等、好調な在宅投票による売上増を背景に、各主催者とも野心的な日程を組んできたと筆者。開催回数と日数だが、大井競馬が20開催99日(前年比1日増)、川崎競馬が13開催63日(前年と同日数)、船橋競馬は12開催56日(前年比1日減)と減らし、浦和競馬が13開催53日(前年比4日増)。南関東全体で58開催271日(前年比4日増)となっている(開催日数は前年、本年とも計画比)。開催日自体が増えることは、本来我々新聞屋的にはうれしい限りだが、結局、開催日は4日増えたものの、新聞発行日的にはW開催が10日あるから1月5日の追加日程を加えると実質の新聞発行日は266日で変わりないことになる。最も野心的なのはナイター開催で、大井競馬トゥインクルレースは4月から12月27日までの74日間、川崎競馬スパーキングナイターも4月から12月21日までの49日間、船橋競馬は全日程がハートビートナイター、つまり通年ナイター開催となった。ダートグレード競走が下級条件を加えて頭数を揃えたり、寂しい頭数となり、一方で南関重賞が盛況となる現状は、レース数も含め、目標とステップのバランスが良くないからではないかと思う。平成31年度(改元予定)はその辺のバランスが良くなることを期待したいと筆者。

協会会議

平成29年度第5回理事会
平成29年度第1回軽種馬生産育成総合対策事業運営委員会

せり市場成績

2017年せり市場成績総括 サラ当歳・1歳・2歳総括

海外情報

2017 カルティエ賞(ヨーロッパ競馬年度表彰)
2017 欧30か国・地域 2歳サイアーズランキング(獲得賞金順)
2017 米加 2歳サイアーズランキング(獲得賞金順)

トピックス

JRA平成30年度競馬番組等について
年次別サラブレッドせり市場成績
グラフで見るサラブレッドせり市場この24年
2018年(1~12月)ダートグレード競走一覧
第19回獣医師生涯研修のご案内
日本軽種馬青年部連絡協議会 第27回定期総会が開催される

海外流通促進

海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

地方競馬ニュース

2017年11月・地方競馬場の売り上げ
2018年度南関東地方競馬開催日程
2018年度南関東地方競馬重賞競走の日程(予定)

生産関連ランキング

今月号は休載いたします。
2017年の各種最終ランキングは、2018年2月号に掲載予定。

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2017.11.11 ~ 2017.12.8)

2017できごと

表紙

第37回ジャパンカップ(GⅠ)優勝 シュヴァルグラン
第62回京阪杯(GⅢ)優勝 ヨハネスブルグ(USA)産駒 ネロ
アンドロメダS(L)優勝 バゴ(FR)産駒 ブラックバゴ

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc

刊行物注文へ

※ JBBA NEWSのほかに、全国馬名簿、軽種馬統計などの定期刊行物のご注文もできます。