JBBA NEWS
2017年11月号(VOL.538)
最新の第275便は ラユロット 烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
夏の日のこと、ウインズ横浜からの帰り道、ひと息つきたくて、JR桜木町駅に通じる地下街のコーヒーショップに入ると、奥の方で笑顔になって手をあげる白髪の善三さんがいた。テーブルをはさんで、「どうでした?」と善三さんが言い、「オケラカイドウ」と言って私は、いつものセリフのやりとりだなと思った。(中略)「この十月、わたし、七十歳になるんですよ。その記念に、まだ行ったことのない競馬場へ行ってみたいって思いだしたんです。甘えるみたいなんだけど、一緒に行ってくれませんか」そう言って善三さんは神妙な顔になった。(中略) 去年の毎日王冠でルージュバックが勝ったのは、シンコウラブリイ以来の、牝馬で23年ぶりの快挙。3歳牝馬が毎日王冠に挑戦するのは、もう20年近く昔のスティンガーが4着だった以来で、マカヒキ、ワンアンドオンリー、リアルスティール、サトノアラジンといったGI馬を相手に、と私が説明すると、「1番人気でどんな配当になっても、わたしは生まれて初めての競馬場という記念に、ソウルスターリングの単勝1点でレースを見ます」と善三さんは言った。(略)
第80回は「初GⅠ」 第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
10月15日に京都競馬場で行われた第22回秋華賞は3番人気のディアドラ(牝3歳、栗東・橋田満厩舎)が優勝した。ハービンジャー(GB)産駒が3世代目にして初めてGⅠタイトルを手にした。3着にもモズカッチャンが入ったように、ハービンジャー産駒は時計のかかる重い馬場は「得意種目」である。ハービンジャー産駒がデビューしたのは2014年夏。いきなり強烈な印象を残した。スワーヴジョージが函館の芝1800メートルで新馬勝ち、札幌に舞台を移すとジャズファンク、フローレスダンサー、カービングパスと新馬勝ちが続き、トーセンバジルが未勝利戦を勝ち上がり、「ハービンジャー産駒は洋芝に強い」という評価を確立させた。この年は2歳リーディングで5位、ファーストシーズンサイアー部門では堂々の1位に輝いた。年が明けてベルーフが京成杯に優勝、初年度産駒から重賞勝ち馬が生まれた。ハービンジャーはダンジリの産駒で、現役時は4歳になって急成長、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GⅠ、アスコット競馬場、芝約2400メートル)では2着のケープブランコ(IRE)に11馬身という大差をつけ、当時のレースレコード2分26秒78という快記録で圧勝した。近年は内国産種牡馬が全盛を誇り、外国産種牡馬でベスト10経験があるのはクロフネ(USA)、シンボリクリスエス(USA)などに限られる。外国生まれ、外国育ちとなるとハービンジャー以外に見当たらない。サンデーサイレンス(USA)の遺伝子で充満した日本の生産界にようやく、非サンデーサイレンス系種牡馬の旗艦となり得る種牡馬が登場したと筆者。
第92回は「大切なのは目に見えやすい基準よりも個々の中身
~ 騎手の乗り替わりに思うこと ~」
ホソジュンのウマなりトーク
細江 純子/ほそえ じゅんこ
少しでも英語を使わないと、留学経験が全て無駄になってしまうと英会話教室に通い始めたが、最近は、教科書に添って学ぶよりも、先生との世間話が多くなっていると筆者。外国人と日本人の考え方の違いが、どのように生まれるかに強い関心を持つ筆者。例えば、職業の選択では、日本人の多くは、リタイアする時期まで1つの会社に就職することを美徳とし、安定や出世に主眼を置く傾向があるが、外国人の多くは、スキルアップや自分自身が幸せかどうかの基準で会社を選び、転職にも抵抗はない。就職ではどこの大学を出たかよりも、何を研究し、何に興味を抱き、どの教授のもとで過ごしてきたかが問われるようだと筆者。今の競馬サークルにおいても、目に見えやすい騎手・厩舎の勝ち星ランキング表で、○○騎手、○○厩舎は凄いと判断され、上位ランクの騎手に直ぐに乗り替わる。当然と言える騎手交代もあるだろうが、それまでに築いた騎手と馬の道のりを壊しかねない乗り替わりも目立つと筆者。厩舎においても、何勝あげたかよりも、馬個々の実力に見合ったクラスで走れているか、あるいは在厩して出した結果こそが判断基準になるべきと筆者は感じている。
第107回は『草ばん馬大会』 北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
あ…ありのまま 今(というか目の前で)起こったことを話すぜ!」と某週刊少年ジャンプの漫画の名セリフを使いたくなる程の衝撃を受けたと筆者。北海道、東北を中心に開催されている、草ばん馬愛好家が愛馬と共に各地の会場へと駆けつけて行われる草ばん馬大会を見学した時のことと筆者。K夫妻、Tさん、TTさんとは会うたび、当たり前のように草ばん馬の話をする。中でも興味深いのは、東北で行われている「馬力」という方式のばん馬。一般的には重りを乗せたソリの上で手綱を操るばん馬に対し、「馬力」ではなんと馬の前に人がいて、共に障害を越えていく。一見、馬力の方が楽そうだが、引っ張る人も高度な技術が必要だと教わった。筆者はついに10月8日、北斗市内の(旧)大野町輓馬競技場で行われた(株)田山産業運輸の主催するばん馬大会を見る機会を得た。
第107回は『不人気業種?』 馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
毎年のように変わる採用日程だが、今年は3月からエントリー並びに企業説明会、6月から試験、面接が始まり、早ければ7月には内々定が出される「短期決戦型」のスケジュールのはずだったが、結局例年同様の日程となってしまったと筆者。好景気(実感はない)や人手不足(実感ありあり)を背景に、相変わらず「売り手市場」の中、中小零細企業にとっては厳しい状況。昨年まではネットエントリーを駆使してきたが、「ドタキャン」が多く、効率化よりもかえって面倒が増えた上に、アクセス解析を見ると、リーチしたい25歳未満は全体の18%で、欲しい世代に的確にはリーチ出来ていなかった。今年は思い切って「昔の方式」に戻した。募集告知は新聞とホームページのみ。会社説明会の受付は電話のみ。結果、いたずらは皆無となったが、応募者も大きく減らした。ネットで無料で記事が読める時代となり、「いずれ新聞はなくなる」と思われているが、ネット事業者が新聞社に情報料を支払い、アクセスによって広告費を得ている構造になっているだけであって、新聞社が無くなるというわけではない。しかし、それが採用活動に大きな影響を与えることは間違いない。要は学生さんに向けてのイメージが大事なのだと筆者。
協会会議
平成29年度 第3回理事会(書面決議) 第4回理事会(書面決議)
平成29年度 JBBA/JRA第1回生産等に関する協議会
せり市場成績
北海道オータムセール サラ1歳
繁殖牝馬セール成績
ジェイエス繫殖馬セール
海外ステークスウイナーズ
英チャンピオンS | 1人気3牡 Cracksman (愛ダービー2着, 英ダービー3着) 父に欧初 G1 贈る |
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クイーンエリザベス二世S | 5人気4牝 Persuasive が1人気 Ribchester、3人気Churchill 下し初 G1制覇 |
英BCフィリーズ&メアズS | 3人気3牝 Hydrangea が1人気 Bateel 破り愛メイトロンSに続くG12勝目 |
凱旋門賞 | 1人気 Enable 英オークスから G15連勝、3牝の Kジョージ - 凱旋門制覇は史上初 |
アベイドロンシャン賞 | 1人気3歳 Battaash 前年勝馬 Marsha 抑えG1初制覇 |
コールフィールドギニーズ | メルボルンの最高賞金3歳戦、14人気 Mighty Boss イン捌き金星 |
ミドルパークS | Danzig系War Front産駒(母父 Galileo) 1-2着独占、英米で6頭目の2歳 G1 勝馬 |
愛ナショナルS | Seattle Slew系Verbal Dexterityが1人気BeckfordにレイルウェイSの借り返す |
ヴィンターファヴォリーテン賞 | 仏ダービー馬Reliable Man初年度産駒2人気 Erasmusが独2歳牡馬チャンピオン決定戦圧勝 |
ジャンリュクラガルデール賞 | 英愛2000ギニー馬Gleneaglesの全妹1人気 Happily 牡馬破りG1 連勝 |
フィリーズマイル | 6人気 LaurensメイヒルSG2 から連勝 |
マルセルブサック賞 | 6人気英調教馬Wild Illusion先行押切り |
海外セール成績
タタソールズ・オクトーバー1歳セール・ブック1(セレクトセッション)
トピックス
◆研修生募集のお知らせ
・2018年(第40期)生産育成技術者研修生募集案内
・2017年第39期生産育成技術者研修進捗状況
◆第9回地方競馬主催者軽種馬生産地現地検討会が行われる
◆2017秋 北海道馬産地見学ガイドツアーレポート
◆JRAからのお知らせ
・繁殖に供される引退競走馬への馬鼻肺炎ワクチン無料接種について
・強い馬づくりのための生産育成技術講座2017
◆JBBAからのお知らせ
・馬伝染性子宮炎(CEM)PCR検査法の検体の採材法と治療法の講習会を開催
・実践研修プログラムのご案内
◆日本装削蹄協会
・平成30年度装蹄師認定講習会受講生募集(二次募集)
◆JRHA一般社団法人日本競走馬協会
・種牡馬DVD「Stallions in Japan2017」の売上金を引退名馬繋養展示事業に寄付
種牡馬事業
◆JBBAからのお知らせ
・種牡馬配合、種付規程の一部改正について
・2018年(平成30年)種付分種付条件について
海外流通促進
2017 年北海道市場セレクション、サマー、オータムセール海外購買者購買状況
海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)
地方競馬ニュース
2017年9月・地方競馬場の売り上げ
生産関連ランキング
2017年10月各種ランキング
注目の2017年ファーストクロップサイアーズランキング掲載
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)
The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2017.9.25 ~ 10.22)
カラーグラビア
JBBA種牡馬ケープブランコ(IRE) 本邦初産駒紹介(市場売却馬)
表紙
JBBA新種牡馬ザファクター(USA)
ザファクター(USA)紹介
ザファクター(USA)5代血統表
2018JBBAサラブレッド種牡馬配置表
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc
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