JBBA NEWS
2017年10月号(VOL.537)
最新の第274便は サビシーナ 烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
この数年、どうしてかしっかりと花を咲かせなかった庭のサルスベリが、今年はしっかりと咲いてうれしい。「うれしいなあ」サルスベリの花に声をかけた夏の朝、「芸術に生き55年 充実の音色」という見出しの新聞記事を読んだ。バイオリニストの前橋汀子さんが、演奏活動55周年の記念リサイタルを全国で開いている。「楽器を通して呼吸し、自分の中にある音楽を音にする。そういうことが若い頃より、自然にできるようになってきた気がする」と前橋さんが言っている。なるほどなあ、すばらしいなあ、この夏のわが家のサルスベリのようだなあと私は思う。(中略)バス停でバスを待つ。駅で電車に乗りかえる。電車でゆっくり他人の中にいる。競馬場へ歩く。ウインズへ歩く。それが私の旅だ。人間はカネとたたかう生きもの。そして孤独とたたかう生きもの。カネと孤独とたたかう生きもの、というのが私の人間にたいする解釈だ。ところが、人間に孤独を感じさせない武器が世界を征服した。スマホという武器である。朝も昼も夜も、深夜も、人間がスマホを見ながら歩くようになった。(略)
第79回は「追加登録」 第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
9月18日に中山競馬場で行われた第71回朝日杯セントライト記念は2番人気のミッキースワロー(牡3歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)が優勝した。2着のアルアイン、3着のサトノクロニクルとともに10月22日に京都競馬場で行われる第78回菊花賞の優先出走権を獲得した。しかし出走には追加登録が必要だ。ミッキースワローは成長が遅れていたため、3冠レースの第1回と第2回の特別登録を行っていなかったのだ。皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オークスの5大クラシックレースは通常、出走までに3回の特別登録が必要だ。現3歳の場合、第1回特別登録は2016年10月28日(金)正午、第2回特別登録は2017年1月27日(金)正午に締め切られた。第3回の最終登録は各レースの2週間前に行われる。登録料は第1回が1万円、第2回が3万円、最終登録が36万円で3回の登録料の合計は40万円、追加登録は最終登録の時に200万円を支払う。
追加登録を初めて優勝に結びつけたのは1999年の皐月賞を制したテイエムオペラオー、もっともドラマチックだったのがヒシミラクルだと筆者。追加登録した上で、収得賞金で並んでいた8頭の中から3頭の抽選を通過して出走枠を獲得。レースは1番人気の皐月賞馬ノーリーズンが落馬で競走中止する予想外の展開。ゴールでは2着のファストタテヤマとハナ差という接戦だった。針の穴を通すように困難をくぐり抜け、ついにつかんだGⅠタイトルだったと筆者。
第91回は「書評に悩む秋 ~ 変化しつつある母校と騎手の世界 ~」
ホソジュンのウマなりトーク
細江 純子/ほそえ じゅんこ
先日、スポーツ雑誌「Number」から、女性騎手を題材とした小説の書評依頼が初めてあった筆者。書評の「評」の文字から評価と連想してみたものの、評価できるほどの読書量や立場でもないゆえ、一言で書評と言われても、非常に考えさせられたと筆者。井崎脩五郎先生に相談にのって頂くと、「書評を読んだ人が、その本を手にとって読みたくなるような内容が良い」とのアドバイス。確かに書評を読む方は、まだその本を読んでない人々が対象となり、これから読んでみようかな?読んでみたいな?と感じてもらえることが重要と知ったと筆者。競馬学校を取材することとなり、2日間にわたり母校で過ごした筆者は、校舎や馬場などは昔のままのだが、教官の生徒に対する指導の仕方や、フィジカルトレーニングの内容の濃さに、騎手の交流が世界レベルになった変化を感じ取ったという。騎手候補生達には、3期生武豊騎手の「相手を思いやる気持ち」、2期生横山典弘騎手の「馬にたくさん乗ること」、この偉大なる先輩方の言葉を贈りたいと筆者。
第106回は『馬産地通信、九州へ PartⅢ』 北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
九州1歳市場終了後、せりについての感想や、九州の生産界についてコメントを宮崎県の田上勝雄さんからいただいたと筆者。ヒーリングヴォイスの2016(牡、父ローエングリン)を上場していた田上さんは怪我のため、手足に包帯を巻いており、同行していた娘さんのサポート無しには、靴も履けない状態だった。田上さんが九州1歳市場を選んだ理由は、九州の生産界を市場から活性化させたいという真摯な気持ちからだった。怪我を押してまで、しかも、高齢になってもまだ仕事を続けなければならないほど、九州の生産界も高齢化と人材不足が続いている現状も思い知ったと筆者。その流れを変えようとしている若きホースマンもいる。トウカイテイオーも調整された志布志湾の砂浜で、育成馬や休養馬に騎乗する山下牧場の篠原一記場長だ。「九州で育成牧場を営む我々の中にも、繁殖牝馬を繋養しようとする流れはあります。決して数は多くはありませんが、近い世代の仲間たちと交流を図りながら、様々なことに取り組んでいきたいです」と話してくれたと筆者。
第106回は『血が駆ける』 馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
7月19日、作家、競馬評論家の山野浩一さんが77歳で亡くなられた。長らく夫人のみどり先生の介護をしながら、作家、競馬評論家として活動されていたが、2月の検査で食道がんが見つかり、介護と本人の闘病生活を送られていた。5月には「終活」に入り、お墓を買い、相続の手続きをし、蔵書を整理。治療の合間に温泉に行き、退院中には文芸関係など見舞いに訪れた旧知の方々と写真に納まっていた。ご自身のブログの最後に「とりあえずみなさまサヨウナラ。」と書かれていたのは7月14日だった。山野さんは弊紙でも「血が駆ける」を連載されていた。初めてご挨拶させていただいてから約20年、NARグランプリ優秀馬選定委員会でご一緒させていただくようになったが、毎年終わった後「キミもまだまだだねえ」と笑顔で言われた。山野さんには多くの事を教わった。それを生かすことが恩返しだと思っていると筆者。
海外ステークスウイナーズ
トラヴァーズS | 米3冠不参加 4人気 West Coast 4連勝で初 G1 |
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アラバマS | 前走 CCAオークス G1 で Abel Tasman Tasman( KYオークス等 G1 4勝)の頭差2着 2人気 Elate 初 G1 |
HアレンジャーケンズS | 2歳 G1 2勝( BCJ3着)1人気 Practical Joke G1 3勝目( KYダービー5着) |
ヨークインターナショナルS | ‘キングジョージ’2着3人気4牡 Ulysses が上位人気3牡マイルG1馬2頭抑えG1 2勝目 |
愛チャンピオンS | 6人気 5牡 Decorated Knight 展開利得て今季 G13勝目 |
ナンソープS | 3人気 4牝 Marshaが1人気 Lady Aurelia( G1 2勝)下しRアスコットキングズスタンドS G1(3着)の雪辱果たす |
海外セール成績
キーンランド・セプテンバー・1歳セール
トピックス
研修生募集のお知らせ
・2017年軽種馬後継者研修募集案内
・2018年度(第40期)生産育成技術者研修生募集案内
ファームコンサルタント養成研修報告
第30回日本ウマ科学会学術集会のお知らせ
種牡馬事業
STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)
海外流通促進
シンガポールで日本産馬のプロモーション
地方競馬ニュース
2017年8月・地方競馬場の売り上げ
生産関連ランキング
2017年9月各種ランキング
注目の2017年ファーストクロップサイアーズランキング掲載
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)
The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2017.8.19 ~ 9.24)
表紙
JBBA種牡馬マクフィ(GB)
マクフィ(GB)産駒 ボヌヴァルBonneval(NZ)2017NZ年度代表馬に輝く
大井競馬場施設案内
JBCポスター
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc
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