JBBA NEWS

2017年1月号(VOL.528)

新年のご挨拶(公益社団法人日本軽種馬協会 会長理事 河野 洋平)

JBBA平成29年度事業計画

最新の第265便は 花束 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

ジャパンCの前日、「明日の東京は雨」と確実なようにテレビの天気予報が言い、「まいったなあ」と私はつぶやいた。私と知りあったのが幸か不幸か、若い内科医、ベテラン看護師(女性)、中年レントゲン技師の三人が、ジャパンCの日に初めて競馬場へ行くことになったので、雨じゃ気の毒、可哀そうと、私は心配なのだ。(中略)ジャパンCのゲートを17頭がとび出し、1番人気、単勝3.8倍のキタサンブラックが武豊の手綱で快調に逃げ、そのまま先頭でゴール板を通過した。「今日は泣きました」と北島三郎オーナーがマイクで言い、武豊騎手と並んでスタンドの拍手を浴びるころ、日が暮れかけて薄闇がひろがっている。その栄光のシーンを、キタサンブラックを生産したヤナガワ牧場の弘子さんと、私ら夫婦はいっしょに見ていた。息子の正普さんに代をゆずった正克さんは病後で無理できず、「行ってこいよ」と正克さんに言われて弘子さんは突然のように来たという。花束をかかえて表彰式から戻ってきた正普さんと母の弘子さんは、今日これから羽田空港へ行き、日高町へ帰るというのだ。それで正普さんが持っていた大きな花束を、うちのかみさんが持ち帰ることになったのだった。(略)

第70回は「西高東低」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

タガノトネールの無念が通じたのか、同じせん馬のサウンドトゥルー(6歳、美浦・高木登厩舎)がチャンピオンズカップで優勝を果たした。前身のジャパンカップダートを含め、せん馬の優勝は2003年の米国調教馬フリートストリートダンサー以来、13年ぶり史上2頭目のことだった。そして何より驚いたのは、関東馬の優勝が2002年のイーグルカフェ(USA)以来で、ダート界における西高東低は思っていた以上に長引いていたと筆者。中央競馬では現在、ダートの重賞レースは年間15レースが組まれており、13年と14年は、関東馬は1勝ずつ、15年には年間4勝、そして16年は最後のカペラSを残した時点でショウナンアポロン(マーチS)、ノボバカラ(プロキオンS)、グレンツェント(レパードS)、リッカルド(エルムS)、サウンドトゥルー(チャンピオンズカップ)と関東馬は5勝を挙げている。年が明けると、2月19日にはダートのGIレース・フェブラリーSがあるが、関東馬にとっては更に鬼門。最後の優勝はなんと1998年のグルメフロンティア。フェブラリーSの高い壁を突き破る関東馬の出現が待たれると筆者。

第82回は「新しい年を迎えて」 ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

馬と共に生活をされている皆様は盆休みも正月休みもなく、ましてや寒さが厳しくなるこのシーズンは、本当に大変だと感じると筆者。栗東トレセン内を自転車で走っているときに、目にとまった馬が室内プール場へと入って行ったので、筆者もついて行くと、そこには競馬学校時代を共に過ごした元厩務員の女性が、監視員として働いていた。「辞めてもう数年が経つけど、改めて厩務員の仕事は過酷だったと思うのよ。特に冬の季節は。プールに来ると、暖かいなと暖房って良いなぁと思ってた。でもね、実はこのプールの室内は、暖房など付いてないのよ。人間って過酷な環境だと、ほんの少しのことにも喜びを感じられるもの」と。何だか、身に染みる言葉でした。出産後にご無沙汰となってしまったヨガを復活させ、健全な精神と肉体の基盤作りも再開したいと筆者。

第97回は『高齢化競馬』 北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

ライターとして執筆を開始して以降、10年近くの長期連載をしているのは、「JBBA NEWS」と「うまレター」だけだと筆者。JBBA NEWSは主に生産関係者を対象としている業界誌。それだけに取材でお会いした生産者の方から、「読んでるよ」などの言葉をかけられるのは、圧倒的にJBBA NEWSが多い。読者の方に直接感想をもらえることは他ではほとんどなく、その度に、「また、面白いと思ってもらえるコラムを書こう」との気持ちが生まれると筆者。自分より若手と言われる人材が、競馬業界(特に雑誌媒体)に入ってこない。一方、生産界にもなかなか若手が出てこない。生産牧場の後継者が年々数を減らしている上に、新規創業者となると皆無に等しいのが現状だと筆者。とはいえども、新たな人材を入れていかないと衰退に向かってしまうのは自明の理である。早く「若手ライター」の看板を外したいと思う一方で、次代の若い担い手が後を継ぐまで、まだまだ頑張って行かなければと思う今日この頃だと筆者。

第97回は『さらばホッコータルマエ』 馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

別れは突然だった。2016年11月29日、ホッコータルマエは週末に行われるGIチャンピオンズカップへ向けての調教後、右前脚に跛行がみられ、陣営は大事を取って予定されていたラスト2戦を取りやめて引退、種牡馬入りを決めた。“ラストラン”の東京大賞典のレース後に大井競馬場で予定されていた引退式もキャンセルに。ファンに別れを告げることなく、競馬場を去ることになった。デビュー戦は11番人気11着。クラシック路線に乗るようないわゆる“エリート”ではなかったかもしれないが、現役は一貫してダート路線を歩み、傑出した成績を残したのだから、“ダート界のエリート”であったことは間違いない。そしてドバイワールドカップ。日本のダート馬はスピード面で厳しいことは、もはや常識に近いが、それでも3年連続で挑戦し続けた。初年は16着惨敗、翌年は5着の大健闘、16年は9着、夢を果たせぬままその挑戦を終えた。優駿スタリオンステーションでの種牡馬としての今後の活躍を祈っていると筆者。

協会会議

平成28年度第6回理事会
平成28年度第1回軽種馬生産育成総合対策事業運営委員会

せり市場成績

2016年せり市場成績総括 サラ当歳・1歳・2歳総括

海外情報

2016 カルティエ賞(ヨーロッパ競馬年度表彰)海外情報
2016欧30か国・地域 2歳サイアーズランキング(獲得賞金順)
2016米加 2歳サイアーズランキング(獲得賞金順)

トピックス

2017年河野会長賞の新設について
平成29年度競走馬生産振興事業のお知らせ
JRA平成29年度競馬番組等について
年次別サラブレッドせり市場成績
2017年(1~12月)ダートグレード競走一覧
第18回獣医師生涯学習研修のご案内

種牡馬事業

STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

地方競馬ニュース

主なトピックス Nov~Dec
2016年11月・地方競馬場の売り上げ
2017年度南関東地方競馬開催日程
2017年度南関東地方競馬重賞競走の日程(予定)

生産関連ランキング

今月号は休載いたします。
2016年の各種ランキングは、2017年2月号に掲載予定。

2016できごと

The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2016.11.17~12.10)

表紙

第36回ジャパンカップ(GI)優勝 キタサンブラック
第61回京阪杯(GⅢ)優勝 ヨハネスブルグ(USA)産駒 ネロ

カラーグラビア

第62回クイーン賞(JpnⅢ)優勝 バゴ(FR)産駒 トロワボヌール

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc

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