JBBA NEWS
2016年12月号(VOL.527)
最新の第264便は 寸又峡 烏森発牧場行き
吉川 良/よしかわ まこと
東京競馬場へ行ったときの私は、いちどはメモリアル60スタンドの3階へ行き、道をへだてて装鞍所が見える窓辺に立つ。レースの時間が近づいてきた馬たちが鞍をつけ、木立ちのまわりを厩務員に引かれて歩いている。その景色が私の好きな絵なのだ。もうひとつ、いちどは必ず行く場所が、けやき並木のベンチだ。そこに腰かけ、しばらくぼんやりする。それが私の幸せなのだ。10月30日、天皇賞の日、くもり日だが雨の心配はない。東京7R3歳上500万下が終わったあと、8R河口湖特別のパドックはパスして、けやき並木のベンチに腰かけた。ふたり分ほどの空間があって、坊主頭で小太りの老人がスポーツ紙を読んでいる。たぶん七十歳くらいかなあ。それでもおれよりずいぶん若いのだと、そんなことを思い、ちょっと表情がきょとんとトボけていて、即座に「みみずくさん」と綽名をつけた。(中略)大井川鉄道の新金谷駅で三人がSL急行に乗り、正樹さんは終点の千頭駅まで車で。そこから寸又峡へ行き、一泊して夜明けに四人で吊り橋を渡った。景色を眺める私にみみずくさんが浮かび、もし会えたら、寸又峡の話をしたいと思った。
第69回は「せん馬」 第5コーナー ~競馬余話~
有吉 正徳/ありよし まさのり
2016年11月12日に東京競馬場で行われた武蔵野S(GⅢ、ダート1600㍍)は田辺裕信騎手が騎乗した8番人気のタガノトネール(6歳、栗東・鮫島一歩厩舎)が優勝した。勝ち時計の1分33秒8はコースレコードとなった。2016年はせん馬が存在感を見せつけ、目立った年だったと筆者。5月1日の天皇賞・春(GI)では8歳のカレンミロティック(栗東・平田修厩舎)がキタサンブラックと壮絶なマッチレースを演じ、ハナ差の2着に健闘した。8月14日のエルムS(GⅢ)ではリッカルド(5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)が優勝を飾った。またダイヤモンドS2勝など長距離レースで強さを発揮するフェイムゲーム(6歳、美浦・宗像義忠厩舎)やダートの追い込み馬ノンコノユメ(4歳、美浦・加藤征弘厩舎)といった著名馬が去勢手術を受けて「せん馬」になった。競走馬として成績が上がるのなら、サラブレッドとしては幸福で、現役の競走馬がどんなに丁寧な扱いを受けているかを知っているだけに、去勢をして現役続行の道を選ぶことは馬の幸せだと考えている。日本のジョンヘンリーが現れる日の来ることを待っていると筆者。
第81回は「JBBA NEWS 8月号を本棚に」 ホソジュンのウマなりトーク
細江 純子/ほそえ じゅんこ
2016年の今年だけは、「やっと12月」という思いだと筆者。昔から、何1つ愚痴などこぼさない父だったので、病気になっても「体調大丈夫?」と聞けば、「大丈夫だよ」の返しのみ。その言葉をそのまま受け止め、まだまだ生きられるものだと疑わず、父の苦しみや耐える姿から目をそむけ、10月には、病気になる前のように、自分の悲しみや苦しみを父にぶつけ、心配をかけてしまった。そしてその1か月後、11月中旬に父は他界。 高校を卒業後、離れて暮らしていたこともあり、私の状況を把握していないとばかり思っていたが、決してそうではなく、私の心を父はいつも感じながら生きていたことに気づかされたと筆者。9月に逢った時には、たまたま持ち帰っていた、この雑誌を目にしたようで、「良い文章だった」と、褒めてくれた父。よって仏壇から真正面に置かれた本棚に、父が読み、褒めてくれた「JBBA NEWS8月号」を入れてみようと思うと筆者。
第96回は『祝・北海道日本ハムファイターズ日本一!』 北海道馬産地ファイターズ
村本 浩平/むらもと こうへい
14歳からのファイターズファンである自分としては、10年前の日本一を札幌ドームで目にした際に、「あと10年はこんな感動を味わえなくてもいい!」と思っていたが、まさか、本当に10年かかるとは思いもしなかった(笑)。今やパリーグの常勝チームとなったことが、暗黒の東京時代を知るファンとしては何よりも嬉しい。しかも、今シーズンはソフトバンクホークスにつけられていた11.5ゲーム差をひっくり返しての優勝。そのきっかけとなったのが球団新記録となる15連勝だが、その時でさえネガティヴな東京時代のファンからすると、「あの強いソフトバンクをヒヤヒヤさせて、パリーグを面白くさせてくれればいいな」と思っていたのも事実と筆者。今シーズンの優勝の立役者は投手・打者二刀流の大谷翔平選手。試合に出場していてもいなくても、勝利に貢献するジョーカーだった。その大谷選手は2015年に「北海道179市町村応援大使」に任命され、浦河町を訪問し、浦河町乗馬公園では乗馬を体験していた。この時、競馬や馬に興味を持っていたのなら…と考えてしまう。栗山英樹監督も、今年で5シーズン目の采配だがディープインパクトと初めての対面を果たしたのがニュースとなったように、意外にファイターズ選手と馬産地との接点は少ない。このオフシーズンに大谷選手が、ディープインパクトら名馬たちと対面を果たしたのなら、それはまたニュースになるはずと筆者。
第96回は『絶対』 馬ミシュラン
小山内 完友/おさない ひろとも
今年も遅ればせながら採用の季節がやってきた。会社に居ないことが多いので、インターネットでの応募を開始した。担当になってからは大学の就職課や、就職情報会社、さらには社員研修などの営業がわんさかやってきた。就職情報会社にもいろいろあり、マイナビやリクナビのような大量の就活生を抱える大手から、中途採用と同じように希望にマッチングする人材を1人単位から探してきて、採用された場合には成約料を払うシステムの会社もあると筆者。筆者の時代はリクルートやマイコミ、日経から送られてきた分厚い冊子で企業を選び、付属のハガキをせっせと書いて出していた時代。そこから一気に20年もタイムスリップすると「へ~」と驚くことばかりであったと筆者。9~10月は会社説明会。そして11月某日、筆記試験を行った。定番の筆記試験と作文。作文のお題は「絶対」。ほぼ罠に近い。多くの受験者が「競馬に絶対はない」「絶対という言葉は」で始まる。いわゆる「読む気がしない作文」になりやすく、ひじょうに実力差がはっきり出たお題であった。さて、最終面接の結果は如何に。
協会会議
平成28年度JBBA/JRA第2回生産等に関する協議会
海外情報
競馬を輝かせるスター馬の力
スポーツデータ技術会社STATSとエクイベース社が新しい競馬情報サービスを開始
海外ステークスウイナーズ
BCクラシック | 2人気 Arrogate レコード勝ちトラヴァーズ からG1連勝 |
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BCディスタフ | 3人気6牝 Beholder が11戦全勝1人気3牝 Songbird 下し3度目のBC制覇 |
BCダートマイル | ’15ドバイ4連勝後米転戦 Tamarkuz G1初制覇 |
BCターフ | 3人気 Highland Reel 向正面で後続離し逃切る |
BCマイル | 5人気5牡 Tourist(’15 8着)がイン捌き2人気Tepin)’15-168連勝)の連覇阻む |
BCフィリー&メアターフ | 英でG1入着3回4人気3牝 Queen’s Trust初G1 |
BCジュヴェナイル | 2人気 Classic Empire 早め先頭から押切る |
BCジュヴェナイルターフ | G3 6馬身差勝ち3人気 Oscar Performance3連勝 |
BCジュヴェナイルフィリーズ | G1連敗 11人気 Champagne Room 金星 |
BCジュヴェナイルフィリーズターフ | 5人気 New Money Honey G3 から連勝 |
BCスプリント | 3人気 Drefong が1人気との先行争い制しG1連勝 |
BCフィリー&メアスプリント | 芝G2-9f 2着から臨戦5人気 Finest City 先行押切り |
BCターフスプリント | 1人気 Obviously 5度目のBC挑戦で悲願達成 |
レイシングポストトロフィ | デューハーストS G1 5着から巻返し |
クリテリヨムドサンクルー | 1,3,4,5着 Galileo 産駒 |
クリテリヨムアンテルナシヨナル | デューハーストS G1 4着から前進 |
ヴィンターファヴォリーテン賞 | 独2歳牡馬チャンピオン決定戦 |
トピックス
2017年シーズンに向けアルデバランⅡ(USA)の展示会を開催
種牡馬カリズマティック(USA)故郷に帰る
2016年 軽種馬後継者研修報告
生産対策関連
平成28年度JBBA/JRA生産等に関する協議会 協議結果の概要
海外流通促進
海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)
地方競馬ニュース
主なトピックス Oct ~ Nov
2016年10月・地方競馬場の売り上げ
平成29年 地方競馬開催日程(1月~3月)
地方競馬所属別在籍頭数(2016年11月1日現在)
生産関連ランキング
2016年11月各種ランキング
軽種馬生産技術総合研修センター マンスリーレポート
マンスリーレポート83 最終回 マンスリーレポート タイトル一覧
From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター
レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)
The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2016.10.22~11.16)
総索引
2016年JBBA NEWS総索引
カラーグラビア
JBBA新種牡馬マクフィ(GB) 5代血統表
JBBA新種牡馬クリエイターⅡ(USA) 5代血統表
第21回武蔵野S(GⅢ)優勝 ケイムホーム(USA)産駒タガノトネール
2016年生産全国馬名簿
表紙
JBBA新種牡馬マクフィ(GB)
JBBA新種牡馬マクフィ(GB) 紹介
JBBA新種牡馬クリエイターⅡ(USA) 紹介
2017 JBBAサラブレッド種牡馬配置表
JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc
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