JBBA NEWS

2016年11月号(VOL.526)

最新の第263便は 種牡馬の眼 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

9月10日のこと、私は社台グループが営む共有馬主クラブの会員が参加する牧場ツアーに同行していた。(中略)或る馬というのは種牡馬ブライアンズタイムである。アロースタッドの厩舎で、晩年のブライアンズタイムと向きあう機会が私にあった。種牡馬は馬の神さまという思いかたがあるけれど、ブライアンズタイムは神さまのなかでも特別な神さまのように感じていた私は、その瞳を自分の眼に焼きつけたくて、ずいぶんと長いこと、そこを動かなかった。(中略)「9月18日の吉川さんのコラム競馬人情。晩年のブライアンズタイムに会い、仕方なく老いていて、おだやかな眼をしていて、私は頭を下げてそこを離れた、と読んで涙がこみあげてきました。その日のウインズ銀座で午後、ワイドと枠連だけで数レースを楽しみ、運よく4千円ほどのプラスでした。帰りにお寿司をちょっと食べ、(鹿児島の明るい農村)銘柄焼酎のオンザロックを飲み、アルコールのせいか年のせいかで涙腺がゆるんでいたか、またコラムを思いだして涙が出ました」私は読みおえ、茫然とした。うれしくて、どこを見ていいのか、何を考えたらいいのか、まるでわからなかった。「こんな手紙、めったにもらえない」そう思いながら、ブライアンズタイムの眼を思いだそうとした。「よかったね」ブライアンズタイムの声がしたような気がした。

第68回は「本命」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

10月10日に京都競馬場で行われた第51回京都大賞典(GⅡ、芝2400㍍)は単勝1.8倍という圧倒的な1番人気に支持されたキタサンブラック(牡4歳、栗東・清水久詞厩舎)が優勝した。通算7勝目。重賞は2015年のスプリングS、朝日杯セントライト記念、菊花賞、2016年の天皇賞・春に続く5勝目となった。京都大賞典はデビュー12戦目にして初めて本命馬として迎えたレースだった。父はブラックタイド。2001年、サンデーサイレンス(USA)とウインドインハーヘア(IRE)との間に誕生した。あのディープインパクトの1歳年上の全兄という血統だ。母はシュガーハート。2005年に父サクラバクシンオー、母オトメゴコロとの間に生まれた。レースに出走することはなく、そのまま繁殖牝馬となった。キタサンブラックが実績の割に人気にならない理由は、この母方の血統にある。母の父サクラバクシンオーという点で、どうしても距離の限界を感じさせてしまうからだと筆者。ただ興味深いデータもあると続ける筆者。障害レースでのサクラバクシンオー産駒の好成績だ。ブランディスは平地で3勝を挙げた後に障害に転向、2戦目で障害初勝利を挙げるとジャンパーとしての才能を発揮。ついには2004年に中山大障害と中山グランドジャンプと二つのJ ・GIを制した。ほかにもサクラバクシンオー産駒のエーシンホワイティが重賞の新潟ジャンプSを含め障害レースで計6勝を挙げていると筆者。

第80回は「人間は考える葦 ~歩みを振り返ってみました~」 ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

つい先日、大泣きをしてしまったと筆者。虚無感・脱力感にも襲われ、心も体も動けなくなってしまったと筆者。振り返れば、騎手時代にも散々涙を流してきた過去があり、これ以上、悩んだり、どうにもならないことに対して向き合うのは避けたいと思っていたのに、また繰り返してしてしまったと…。今回、私自身が直面している悩みというのも、何か見えていない部分や、感じ取れていない何かがあるのかもしれないと思い、過去の経験をもとに少しだけ気持ちも動きだせたと筆者。「人間は考える葦」であるとのパスカルの言葉を、「人間とは運命に従順であるが、しかし精神で運命に抵抗し、不屈の意志で思索することで、運命や自然の暴威を乗り越える自由な存在である」と解釈し、この言葉を心に留めておきたいと感じる10月たったと筆者は言う。数か月ほど前あたりから、競馬以外のテレビ番組からの出演依頼を受けるようになり、ひょっとすると、このコラムが掲載されるあたりには、違和感を覚える場所で、皆さんのお目にかかっているかもしれませんと筆者。

第95回は『頑張れ!東北の馬産地』 北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

GⅡフィリーズレビューを優勝したマイネレーツェルを生産した青森・佐々木牧場を取材に行って以来の東北取材を行ってきたと筆者。前回は、青森県軽種馬生産農業協同組合の松橋康彦参事に大変お世話になったと筆者。競走馬市場では名鑑定人である一方、普段は大変いじりがいのある松橋参事だが、いざという時には大変に頼りになる方だとこの場を借りて広くアピールしたいと筆者。宮古市やその近辺での取材が終わった9月17日には、スプリングファームの代表で、青森県軽種馬生産農協青年部長でもある佐々木拓也氏からお誘いをいただき、今シーズンから青森で繋養されているウインバリアシオンのお披露目会に行ってきた。ウインバリアシオンは青森県内では最多の35頭の繁殖牝馬を集め、生産者が期待を寄せている表れと言える。青森産馬としては04年のエスプリシーズ(川崎記念(GI))以来のJpnⅠ制覇を果たしたキョウエイギア(ジャパンダートダービー)の活躍は、地元の生産関係者にはとても嬉しいニュースとなったはずだと筆者。

第95回は『海外馬券発売』 馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

競馬ファンが待ちに待った海外馬券発売がスタートした。その初回となる第95回凱旋門賞(フランスGI、シャンティイ競馬場、芝2400m)が23時5分に発走した。日本ダービー馬マカヒキは16頭中14着の大敗を喫したが、その一方で注目された海外馬券発売は41億8,599万5,100円の“圧勝”となった。競馬場、WINSでの発売はなく、JRAインターネット投票(PAT)でのみ発売、深夜帯にもかかわらず、GⅡ、GⅢに匹敵する売上げを上げたことは、記念すべき第1回の“ご祝儀”であったにしても、恐らく競馬史に残る出来事と言っても過言ではないと筆者。海外の反応もレイ・ポーリック氏が自身のコラムで「Arc Proves Japan A Rich New Frontier For International Simulcasting」(日本がサイマル発売の豊かなニューフロンティアであることを凱旋門賞が証明した)と題して、その購買力に大きな期待を寄せている。我々マスコミの対応はどうだったか。関東の専門紙各紙の対応を見ると、馬柱を掲載したのが5紙、メンバーのみ2紙。スプリンターズステークス(GI)当日版の厳しい紙面で、なんとか2段2走の馬柱を作って“ブチ込んだ”と筆者。海外馬券発売第2号は、11月1日のメルボルンカップと発表された。海外馬券発売自体も、このメルボルンカップで真価を問われることになるかもしれないと筆者。

協会会議

平成28年度第4回理事会(書面決議)第5回理事会(書面決議)
平成28年度JBBA/JRA第1回生産等に関する協議会

せり市場成績

北海道市場オータムセール サラ1歳

繁殖牝馬セール成績

ジェイエス繁殖馬セール

海外情報

2016 AUS/NZ 供用種牡馬 TOP36 (種付料順)
2016 AUS/NZ 初供用種牡馬 TOP18 (種付料順)
北アメリカの2016年種付頭数発表される
種牡馬カーネルジョン、韓国へ
種牡馬オクタゴナル、死亡

海外ステークスウイナーズ

英チャンピオンS 仏ダービー馬Almanzor 9月愛チャンピオンSに続きFound破り5連勝
クインエリザベス二世S 3牝 Minding'16 GI5勝(8,10,12f)、牝馬優勝'87以来
英BCフィリーズ&メアズS 前年Simple Verse(セントレジャー馬)の2着4牝Journry GI初制覇
凱旋門賞 5人気 4牝 Found('15欧3歳牝チャンピオン)がBCタ-フ以来のGI3勝目
サンチャリオットS 1人気 3牝 Alice Springが'16牝馬マイルGI3勝目
オペラ賞 英調教馬4牝 Speedy Boardingが仏でGI連勝
デューハーストS Churchillが2戦目のチェシャムSL-7fから全て1人気5連勝
ジャンリュックラガルデール賞 前走同コース・距離GⅢでAkihiro(ディープインパクト×Anabaa)の3着馬が逃げ圧勝
ミドルパークS 4月デビュー10戦目8人気TheLastLionが逃げ切り
フィリーズマイル Galileo×Pivotal 1-2フィニッシュ、父産駒3年連続制覇
マルセルブサック賞 Left Handと同じ Dubai×SingspielのWuheldaが2戦目でGI勝ち
チヴァリーパークS War Front産駒1-2フィニッシュ

海外セール成績

キーンランド・セプテンバー・1歳セール
タタソールズ・オクトーバー1歳セール・ブック1(セレクトセッション)

トピックス

2016秋 北海道馬産地見学ガイドツアー
2017年第39期生産育成技術者研修生募集案内/2016年第38期生産育成技術者研修進捗状況

種牡馬事業

2017JBBAサラブレッド種牡馬配置表
JBBAからのお知らせ 平成29年分種付条件について

海外流通促進

海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

地方競馬ニュース

主なトピックス Sep ~ Oct
2016年9月・地方競馬場の売り上げ

生産関連ランキング

2016年10月各種ランキング

軽種馬生産技術総合研修センター マンスリーレポート

マンスリーレポート82“生産者向け研修会を終えて”

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2016.10.22~11.16)

表紙

JBBA新種牡馬マクフィ(GB)
JBBA新種牡馬マクフィ(GB) 紹介
JBBA新種牡馬クリエイターⅡ(USA) 紹介
JBBA新種牡馬クリエイターⅡ(USA)・マクフィ(GB) 血統表

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc

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