JBBA NEWS

2016年9月号(VOL.524)

最新の第261便は 雲の上から 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

朝早く、新聞を読む。ベラ・チャスラフスカさんのことが記事になっていて、1964年の東京オリンピックの体操競技をしている彼女と、2016年6月の74歳になっている彼女の写真が並んで載っている。「あの東京オリンピックのときの、チェコスロバキアのチャスラフスカの美しさって、今でも思いだせる。テレビに白い夢の花が咲いているみたいだった。おれも、まだ26歳さ」そう誰かに言いたくなりながら私は、記事を読むうち、緊張してきた。2015年4月に彼女は膵臓ガンに襲われて手術をしたのだった。(中略)「雲の上から手を振りますね」と彼女は取材する記者に伝える。2020年の東京オリンピックのときには、「大好きな日本に向かって手を振りますね」ということなのだ。(中略) 「リョウさん」まだ席が決まらないうちに、私は声をかけられた。店の奥で坊主頭のナベちゃんが私に手をあげているのだった。ナベちゃんはもうすぐ40歳。長距離トラックの運転手をして、10歳の娘と、その店の近くのアパートで暮らしている。ナベちゃんがはたらく運送会社の社長が社台共有馬主クラブの会員で、牧場ツアーに社長がナベちゃんを連れてきたことがあり、それで私とは知りあった。(略)

第66回は「名人」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

「ターフの魔術師」「名人」と呼ばれた伝説のジョッキーが亡くなった。武邦彦さん。8月12日、病気のため77歳の生涯を閉じた。若い競馬ファンにとっては「武豊騎手のお父さん」かもしれない。しかし武邦彦さんの現役時代を辛うじて知っている僕らの世代にとっては、やはり武豊騎手は「タケクニ2世」なのだと筆者。騎手時代に残した実績を調べ直してみると、1985年に引退するまで通算1,163勝を挙げたが、一度もリーディングジョッキーになったことがなく、72年68勝、73年70勝はいずれも2位。どちらの年も最多勝に輝いたのは福永洋一騎手、そう福永祐一騎手の父親である。当たりの柔らかい騎乗スタイルが特長で、馬の負担が少なく、スタミナのロスがないから長距離レースで「名人芸」が生きた。3000㍍の長丁場、京都競馬場で二度の坂越えをする菊花賞で歴代2位タイの3勝を挙げている。調教師に転身してからもバンブーメモリーで安田記念とスプリンターズS、メジロベイリーで朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS)とGIレース3勝を挙げた。スポーツニッポンに掲載された「名人解説」は愛読するコラムだった。筆者はその死を悼む。

第78回は「偉大なる優しき武邦彦氏 ~騎手として父としてはかりしれない功績~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

競馬界にとって偉大な方・武邦彦さんが亡くなられた。いつお逢いしても、ニコニコされながら優しい表情で声をかけてくれたと筆者。優しさの塊というか、優しさそのものというか、優しいという言葉そのものだったと。以前、千葉県の中学校での武豊騎手の講演会で、父・邦彦さんに対し、「父は何も僕には言わない。一度も、こうした方が良いとか、あーした方がいいと言ったアドバイスもない。でも、僕のことを見ていてくれる。それを常に感じています。」と、話されていた。黙って見ていてくれるということは、息子を信頼しているからこそだと理解したと筆者。しかしながら、武豊騎手と対象的だったのが、「父から沢山のことを学んだ。それを今後に活かしていきたい」と語った幸四郎騎手。きっと誰かが天国で武邦彦さんに、「同じ息子でも、父親としての姿は正反対やなぁ~」と、微笑ましく関西弁で突っ込むと、「だって名前が幸四郎やからな。アーシロ、コーシロだから」と、ユーモアタップリに返答し、その場を笑いで和ませていそうな気がすると筆者。ご冥福を祈るとともに、感謝の思いでいっぱいだと筆者。

第93回は『競馬GO』 北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

7月から世界でサービスを開始。日本でも7月22日からアプリのダウンロードが開始され、8月には世界中のダウンロード回数が、1億回を超えたという「ポケモンGO」。世間のトレンドをチェックし、時には体験した上で、それを競馬に生かせないか?と考える「フィールド型の競馬マスコミ」を自認する筆者。「ポケモンGO」の爆発的なヒットの最大の理由は「ポケットモンスター」という世界観を、スマートフォンの画面越しに投影できたからだと筆者。しかも、モンスターボールといったアイテムを供給する、「ポケストップ」という場所を設置したことで、ポケモン探し以外にも、地図上のポケストップを訪ねる楽しみができたことも大きい。となれば、「ポケモンGO」をどう競馬に取り込むかである。従来からの競馬に何らかの付加価値、例えば今なら、藤田菜七子騎手の存在などを付加することによって、より幅広い層からも興味を持ってもらえるのではと筆者。

第93回は『お盆の定番』 馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

今年も南関東のお盆開催は大井競馬。開催のメインを飾るのは、定番の3歳馬による地方競馬全国交流競走「第50回黒潮盃」。夏の黒潮盃にはジャパンダートダービーにも出走した東海ダービー馬カツゲキキトキトと同2着馬キタノアドラーブルの他に、兵庫ダービー勝ち馬ノブタイザン、そして北斗盃、北海優駿に勝った北海道2冠馬スティールキングと、その3冠を王冠賞で阻止した王冠賞馬ジャストフォファンが出走してきた。1番人気の牝馬ミスミランダーが好スタートから1コーナーを先頭で回り、直線に向いても脚色は衰えず、逃げ切り勝ちとなった。牝馬の勝利は2012年のアスカリーブル以来。勝ちタイム1分55秒0は過去10年で最も遅いタイム。父アッミラーレ産駒はハッピースプリントを筆頭に、ダートグレード競走で地方所属馬の好走が目立つ。2015年の総合サイアーズランキングは76位と産駒の少なさが響いているが、南関東で言えばかつてのアジュディケーティング(USA)、近年で言えばサウスヴィグラス(USA)、パイロ(USA)などのような活躍をみせる可能性が高いのではないかと思うと筆者。

せり市場成績

北海道サマー サラ1歳

海外情報

2015-16 AUSサイアーズランキング 総合・2歳・ブルードメア
2015-16 SAF / NZ / HK 総合
種牡馬シーキングザゴールド死亡
チャイナ・ホース・クラブが内モンゴルで競馬を開催

海外ステークスウイナーズ

キングジョージ Highland Reel('15 仏ダービー2着) が G1 3勝目, 今後も国外転戦予定,2着馬は 前年2着 Eagle Top の全弟
サセックスS セントジェイムズパレスS G1(Rアスコット, Galileo Gold) に続く2度目の英仏愛2000ギニー馬対決, 仏勝馬雪辱, 愛勝馬8着
ロートシルト賞 仏1000ギニー1人気3着 Qemah がマイル G1 連勝, 2着仏オークス3着馬,1人気3牝 Alice Springs8着
ホイットニーS 4牡 Frosted('15 ベルモントS2着, KYダービー4着) がメトロポリタンH(レースRで14.25馬身差圧勝) から G1 連勝
ビングクロスビーS 4牡 Lord Nelson が ステークスレコードで圧勝, '16 西海岸で3戦全勝(スプリントG1連覇), 祖母は 亜米 G1 勝馬

トピックス

河野会長が北海道サマーセール、静内種馬場を視察
2017年 第39期生産育成技術者研修生募集案
2016年生産地懇談会総括
BOKUJOB「夏休み牧場で働こう体験会」レポート

地方競馬ニュース

主なトピックス Jul~Aug
2016年7月・地方競馬場の売り上げ
第16回JBC実施要綱決まる
Road to JBC
地方競馬所属別在籍頭数/サラ系統(2016年7月1日現在)
地方競馬開催日程 平成28年【10月~12月】

生産関連ランキング

2016年8月各種ランキング
注目の2016年ファーストクロップサイアーズランキング掲載

軽種馬生産技術総合研修センター マンスリーレポート

  • マンスリーレポート80
    “アシと蹄を考える会”第11弾!パートⅠ
    ― 平成27年度第2回リム&フットケア・ワークショップ ―

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2016.7.16 ~ 8.10)

カラーグラビア

北海道オータムセール広告
北海道オータムセールJBIS-Searchライブ中継
JBIS for Tablet

表紙

UHB賞(OP)優勝馬 クリスマス
JBBA種牡馬バゴ(FR)産駒 クリスマス
川﨑競馬場施設案内
Road to JBC ポスター

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル) etc

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