JBBA NEWS

2015年4月号(VOL.507)

最新の第244便は なんか、生きていけそう 烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

3月8日、中山競馬場の空はネズミ色で、ときどき雨が落ちてきた。パドックを歩く馬を見ながら、もうここに、後藤浩輝騎手は現れないのだなと思う。彼の自死からまだ9日しか過ぎていないのだと考えた私に、去年11月22日の東京競馬場での、頸椎骨折から約7ヵ月ぶりに復帰した騎手への、「ゴトー!」1階スタンドから湧いた祝福の叫び声がよみがえり、「ゴトー!」空へ私も、声にはせずに呼んだ。その日私は、2年前に美術大学を卒業し、道路工事現場でバイトをしながら、画家をめざしている青年と一緒に競馬場へ来た。そのサトーくんは生まれて2度目の競馬場だという。(中略) 3月11日、朝、新聞を読む。昨日は東京大空襲から70年で、今日は東日本大震災から4年だ。宮城県東松島市で農業法人イグナルファームを営む37歳の阿部聡さんの言葉を読む。阿部さんは4年前、妻と3人の子と祖母を津波に奪われ、納骨を済ませたら死にたいと考えた。どうにか生きのび、トマトを生産し、再婚し、娘が生まれる。週に3日は墓参りに行きながら、必死に暮らしている。「希望は自分で探さないと見つかりません。私は娘が生まれて強くなれました。人は一人では生きていけません。誰かのために、何かのために生きている。しかも生きていると、9割は嫌なことじゃないかと思うんです。でも、少しだけ、残り1割はいいことがあるはず。だから、その1割のために、人は生きていると思っています」(略)

第49回は「3×3」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

3月21日、中山競馬場で行われた3歳牝馬による重賞レース、第29回フラワーカップは、1番人気に支持されたアルビアーノ(USA)が逃げ切って優勝した。Harlan’s Holiday(USA)産駒のJRA重賞初勝利となった。1999年に米国で生まれたハーランズホリデーはフロリダダービー、ブルーグラスSとGIレースで2連勝、ケンタッキーダービーでは1番人気に応えることはできなかった。この時に優勝したウォーエンブレム(USA)、6着のケイムホーム(USA)、8着のヨハネスブルグ(USA)の3頭が現在、日本で供用されている因縁が面白いと筆者。今年はJRA重賞で初勝利を挙げる種牡馬が目立っている、スクリーンヒーロー産駒のグァンチャーレ、ヴァーミリアン産駒のノットフォーマル、アドマイヤドン産駒のアドマイヤデウス、ハービンジャー(GB)産駒のベルーフ、Discreet Cat(USA)産駒のエアハリファ、スニッツェル(AUS)産駒のヤングマンパワーと続々。この中で気になるのがヴァーミリアン産駒のノットフォーマルだと筆者は言う。父と母の双方の祖父にサンデーサイレンス(USA)を持つ「3×3」という近親交配。遺伝子の偏りを不安視する向きもあるが、ノットフォーマルを見て、解決策があるのを知った。時間だと筆者は分析する。

第61回は「美しきホースマンたち ~岩永千明騎手の聡明さに感動~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

騎手を引退して数年経った頃に携わった仕事の1つに、「細江純子の美しきホースマンたち」という番組があり、男性社会と言われる競馬の世界で奮闘する女性にスポットを当て、馬との最初の出会いから今の仕事に至るまでを振り返り、今後の目指す道、夢を伺うという内容構成。筆者を起用した理由は、「競馬の世界で挫折を味わった細江さんだからこそ聞ける話があると思うので」というものだったという。その「美しきホースマンたち」が、6年振りに復活、紹介した6人の最後に登場したのが最年長女性騎手の岩永千明騎手。荒尾競馬の廃止で一度は引退を考えたものの、『挑戦』の気持ちで佐賀競馬に移籍。逆境の中でも自分自身を見失うことなく、客観的に物事を捉え、自分の置かれた状況を理解しながらきちんと言葉として表現できる聡明さに感動したと筆者。

第76回は「プロ野球ドラフトとPOG」 北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

物心つくかつかないかのうちからの野球ファンであり、走力、パワーなど、選手の能力が数値化されていた野球ゲームの影響もあり、今では選手の成績のデータにも相当詳しい、いわゆる選手名鑑派ファンだと筆者は言う。ドラフト会議の前に発売される資料本も購入し、まるで球団編成のように「隠し球」を探す。ドラフト当日まで指名戦略に余念がない日を送ることになると言う。この構図は、デビュー前の2歳馬(ペーパーオーナーゲーム)とそっくり重複するが、「隠し球」はやはりPOG にこそ多いと筆者。

第76回は『春はお別れの季節です。』 馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

平成26年度第4回、第5回の調教師・騎手免許試験の新規合格者が発表された。第4回では、有名どころでは岩手の小林俊彦騎手や兵庫の松浦聡志騎手が調教師試験に合格、福山競馬廃止後に大井へ移籍し一度引退し、佐賀で厩務員として1年過ごした三村展久厩務員が、騎手試験に合格している。 第5回では、9人の騎手と7人の調教師が新規に合格した。新規調教師試験に合格した船橋の山下貴之騎手は29歳、川崎の佐藤博紀騎手も35歳と若い。一方、ベテランの張田京騎手も合格、騎手を引退することになったが、50代となった今でも、人気は衰えていなかった。去るひとがいれば、来るひともいるのが春である。9人の若者が騎手としてデビューする。継承した勝負服に負けぬような活躍を期待したいと筆者。

協会会議

平成27年度通常総会

海外情報

IFHA、世界のG1競走トップ100を発表
仔馬の写真を共有できる新しい双方向ウエブサイトが登場
種牡馬オジジアン(USA)、死亡
2015 ケンタッキーダービー 第3期発売前売り単勝人気上位10頭
2015 ケンタッキーオークス 前売り単勝人気上位10頭

海外セール成績

2015 OBS・マーチ・2歳調教馬セール

トピックス

第189回国会に「競馬法の一部を改正する法律案」提出される
JBBA2014年(第36期)生産育成技術者研修修了式
BOKUJOB「牧場で働こう」見学会 in 関東2015レポート
BOKUJOB「牧場で働こう」見学会 in 関西2015レポート
JBIS-SearchのJBBA会員専用版がリニューアルいたしました

種牡馬事業

STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

生産対策関連

2歳未売却馬実態調査(2013年生産馬)

海外流通促進

海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

地方競馬ニュース

主なトピックス Feb~Mar
2015年2月・地方競馬場の売り上げ
2014年地方競馬開催の概況(1月~12月)
2015年度ホッカイドウ競馬スタリオンシリーズ競走
2015年度ホッカイドウ競馬重賞競走日程

生産関連ランキング

2015年3月各種ランキング

軽種馬生産技術総合研修センター マンスリーレポート

  • マンスリーレポート63
    “アシと蹄を考える会” 第8弾!パートⅡ
    -平成26年度第1回リム&フットケア・ワークショップ-

刊行物紹介

田端 到・加藤 栄の種牡馬事典 2015-2016

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

The First Win JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2015.2.13~3.15)

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナル)etc

表紙

第29回中日スポーツ賞ファルコンS(GⅡ)優勝 タガノアザガル
JBBA種牡馬バゴ(FR)産駒 タガノアザガル
2015 千葉サラブレッドセール・2歳トレーニングセール ポスター
2015 北海道市場ポスター

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