JBBA NEWS

2023年12月号(VOL.611)

最新の第348便は「オグリの母親」烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 「第38回開成美術部OB(三美会)美術展」の案内ハガキが、綾瀬市に住む荒井良一から届いた。会場は東京都中央区京橋2の7の1のギャラリーくぼた。友だちの画家の個展で「くぼた」に行ったことがあるが、その京橋2の7の1のあたりは私の人生の深い思い出とつながっている。 (中略) 1988年のこと、笠松から中央競馬に移ってペガサスSや毎日杯や京都4歳特別を勝ったオグリキャップが、初めて関東で走る。6月5日、東京競馬場でのニュージーランドT4歳S。新しい日本競馬史が始まるような興奮した空気の東京競馬場のパドックの近くで立ち止まっていた私は、背中をノックされたのだ。誰だろう。少し分からなかったが、私はおどろいて、ノックした男の手を握った。何年ぶりなのだろう。何十年ぶりなのだろう。京橋にいた雄治くんと再会したのだった。51歳になっていた私と雄治くんのつきあいが始まった。私は雄治くんを雄さんと呼び、それからはときどき、競馬場や酒場で会った。雄さんは品川にある倉庫会社に勤務していて、ずうっと調布市に住んでいるという。「一度でいいから、競走馬が生まれ育つ牧場というところに行ってみたいんですよ。それも、オグリキャップが生まれた牧場に」と雄さんが言いだした(略)

第153回は「龍王」第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 2023年11月12日は「ロードカナロアの日」になった。京都競馬場で行われたエリザベス女王杯ではブレイディヴェーグ(牝3歳、美浦・宮田敬介厩舎)が優勝し、父ロードカナロアに通算15個目のJRAGⅠタイトルをプレゼントした。およそ20分前に行われた福島記念でも6歳牝馬のホウオウエミーズがハナ差の勝利を収め、自身初の重賞勝ちを手にした。また福島記念とエリザベス女王杯の間に行われたオーロCもグランデマーレが1着となり、福島、東京、京都の3場でメインレースをいずれもロードカナロア産駒が優勝するという快挙が達成された。ロードカナロアは日本が生んだ歴代最強のスプリンターだと言っていい。4歳の最終戦は初の海外遠征、香港スプリント(シャティン競馬場、芝1200メートル)、香港勢の層が厚い香港スプリントは長く攻略できない鬼門になっていた。香港での馬名表記「龍王」にそんなジンクスは関係なく、2着馬に2馬身1/2差をつける完勝で自身の海外GⅠ初勝利を飾る。5歳の香港スプリント快勝を最後に、現役を引退。種牡馬入りするとその卓越したスピードとサンデーサイレンス(USA)の遺伝子を持たない血統が生産者に好まれた。初年度産駒から牝馬3冠のアーモンドアイを出し、2020年からは3年連続で総合リーディング2位をキープ。しかし2023年のリーディングサイアー初戴冠なるかは最後の最後まで目を離せない展開だと筆者。

第165回は 「2023年を振り返って ~子供時代の過ごし方に救われたバラエティー収録~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 2023年を振り返るとバラエティー番組の「ダウンタウンDX」に出演したことが最も刺激的だったと筆者。オンエアを見てくれた知人やテレビ関係者の方々からは、内容が面白かったとのラインや言葉をかけて頂けたのですが、1番多かったのが、「ダウンタウンを前に普段通りの口調で話せていることに、本当にビックリした。初めてジュンちゃんを凄いと思った」と冗談交じりに褒められました。実は子供時代に我が家では1つルールがあり、月曜日から土曜日の夜20時から22時まではテレビは禁止となっており、ゴールデンと言われるその時間帯は、自分の部屋に入って過ごすことが決まりとなっていました。当然のことながら、小学・中学・高校時代の全てにおいて学校内で皆が話す、お笑いや歌謡曲の話題には1つもついていけない状況。30年続くダウンタウンDXも見たことがなかったのです。「ダウンタウンDX」に出演した経験を様々な場面で繋げていけたらと思ったと筆者。

第180回は『うまカルフェス』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 10月28日(土)に新ひだか町の北海道市場で開催された「うまカルフェスin新ひだか」。新ひだか町が主催となり、日高軽種馬農業協同組合や、日高育成牧場などの馬に関係する団体やビッグレッドファームなどの生産牧場などが協力する形で、午前9時から午後5時まで、馬に関する多種多様なイベントが開催された。このイベントをほぼ一人で立案しただけでなく、各イベント出演者への働きかけもしたのが、一般社団法人umanowaの糸井いくみ代表である。当日、会場には2,000人の来場者があり、その賑わいに一役も二役も買ったのが、ビッグレッドファームからイベント会場にやってきた、ユーバーレーベンの存在だった。まさに大成功に終わった「うまカルフェス」であるが、その一方で糸井さんは、まだ馬の魅力を伝えきれなかったとの思いもある。「馬の世界は競馬だけでなく、その他にも、今回紹介できた流鏑馬披露や、どさんこ講座など、文化的な側面もあります。一日では伝えきれないなとも思っただけでなく、次回はサラブレッドやどさんこ以外の馬も、会場で展示できていたらいいですよね」と糸井さん。

第180回は『JBC当日』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 2023年のJBCは我らがホーム・大井競馬場(JBC2歳優駿は門別競馬場)で開催された。
 戦前の注目は開催前に入れ替えられた「白い砂」だ。2010年代の終わりから、六ヶ所産海砂の枯渇が言われてきた。大井競馬場でも東通村産海砂、つがる市産海砂、つがる市・六ヶ所村産海砂(洗浄砂)と東通村産海砂(新砂)の混合砂と入れ替えられてきた。大井競馬場は開催数が多く、厩舎も併設しており日々の調教にも馬場を使用しているため、砂の減りがどうしても早い。減った砂はシルトとなり、沈殿し、固まって馬場悪化の原因になる。今回導入したオーストラリア・アルバニーの白い砂は、シリカを多く含んでおり、硬度が高い。アルバニーの砂導入に併せ、砂厚を8センチから10センチに変更し、注目の走破タイムは、初日のC1クラスで1200m(やや重)15秒台、2日目のB1B2混合の1200m(良馬場)13秒台だから、前開催に比べだいたい1秒から1秒半時計がかかるぐらい。春先の一番速かった頃に比べると2〜3秒かかるぐらいといったところだったと筆者。
 砂を入れ替えたばかりで馴染んでいなかったことと、元々大井の1200m、2000mの15、16番枠あたりは使われる頻度が少ないので滑りやすいと言われている。1979年にスティーヴ・コーゼン騎手が大井競馬場で騎乗した最初のレースでスタート直後に落馬している。外枠ではなかったが当時滑りやすい馬場で、確か赤間清松元調教師だったと思うが、落馬を予言していたという話を思い出した。大井本場入場は2万4,506人、売上は大井1日で78億7,555万3,780円。3連休初日、金曜日開催と好条件と言えない中では大健闘と言えそうだと筆者。

協会会議

・2023年度 第2回JBBA/JRA生産等に関する協議会
・2023年度 地方競馬と生産に関する協議会

トピックス

・「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」について
・2023年 軽種馬後継者研修報告
・第23回獣医師生涯研修のご案内
・JBBAからのお知らせ 2023年生産全国馬名簿がJBBAから発行されました
・第23回獣医師生涯研修のご案内

海外ステークスウイナーズ

BCクラシック 好位から4角先頭White Abarrio(USA)が押し切る、デルマソトガケ(JPN)は1馬身差まで勝馬を追い詰める殊勲の2着!
BCターフ ディープインパクト(JPN)産駒の日英ダービー馬対決はAuguste Rodin(IRE)に凱歌!シャフリヤール(JPN)は3着
BCスプリント 北米トップスプリンターによる4度目のライバル対決、Elite Power(USA)がGunite(USA)を外からねじ伏せる貫録勝ち!
BCダートマイル コディー青年の夢乗せたCody's Wish(USA)、National Treasure(USA)との叩き合いをハナ差制し有終の美!
BCジュベナイル 4角で先頭に立ったFierceness(USA)、直線で他馬を一気に突き放し、2着に6馬身差つける圧巻の内容
BCジュベナイルフィリーズ 早目先頭Just F Y I(USA)がJody's Pride(USA)の追撃をクビ差凌ぎ、フリゼットSに続くG1連勝で3戦無敗2歳女王に!
BC ジュベナイルフィリーズターフ Justify(USA)産駒Hard to Justify(USA)が、カラヴァッジオ(USA)産駒Porta Fortuna(IRE)を抑えて勝利しScat Daddy(USA)系のワンツー
BC ターフスプリント ノーブルミッション(GB)産駒Nobals(USA)が直線力強く抜け出し完勝、デクラレーションオブウォー(USA)産駒Big Invasion(USA)2着のJBBA種牡馬産駒ワンツーフィニッシュ
BC その他レース勝馬紹介

海外セール成績

タタソールズ・オクトーバー1歳セール・ブック1(セレクトセッション)

種牡馬事業

・STALLION NEWS ARCHIVE(スタリオンニュース・アーカイヴ)

生産対策関連

・2023年度JBBA/JRA生産等に関する協議会 協議結果の概要

地方競馬ニュース

・2023年10月 地方競馬場の売り上げ
・2024年 地方競馬開催日程(1月~3月)

生産関連ランキング

・2023年11月各種ランキング

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振案内所(連絡センター)・十勝案内所(連絡センター)・東北案内所(連絡センター)・千葉案内所(連絡センター)・南九州案内所(連絡センター))

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2023.10.11 ~ 2023.11.12)

2023総索引  2023 JBBA NEWS 総索引

表紙

・JBBA新種牡馬シャープアステカ(USA)
・シャープアステカ(USA)紹介
・2024JBBA種牡馬配置表
・芙蓉S(OP)優勝 シリウスコルト

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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