JBBA NEWS

2018年9月号(VOL.548)

最新の第285便は 札幌開幕烏森発牧場行き

吉川 良/よしかわ まこと

 札幌に佐藤行夫という友だちがいた。2014年10月に、突然のように病魔に襲われ、62歳で旅立ってしまったのだが、それから夏が来て、競馬が函館から札幌に移ると、よく私は佐藤行夫の影とビールをのんでいる。佐藤行夫は青森県上北郡の生まれ。中学を卒業して姉の嫁ぎ先の札幌に来て大工になった。「おれはよ、ガクはネエけどウデがアル」というのが佐藤行夫のコマーシャルだ。(中略) 去年の夏、競馬に興味のないぼくに、競馬場へついてこいってキカないんです。おれは競馬場にいるときが、最高に幸せなんだ。自分の父親が最高に幸せだと思っている所が、どういう所か、ちゃんと見ておいてほしいんだ。そう言うんです。親父のリクツ、合ってる、とぼくは思いました。それで行ったんです。札幌記念というレースの日で、ゴールドシップという人気馬が、ハープスターに負けました。親父、ホエールキャプチャの複勝を当てて得意でした。配当が690円で、それを3,000円買ってたんです。どうしてあまり人気のないホエールキャプチャを買ったのかと聞いたら、乗った蛯名騎手は、札幌の大工の子だとか言って」そのときの正之くんの話を私が忘れないのは、自分が最高に幸せだと感じている場所を、息子に見ておいてほしいと願う佐藤行夫の思いに感動したからである。(略)

第90回は「千六」 第5コーナー ~競馬余話~

有吉 正徳/ありよし まさのり

 8月12日に新潟競馬場で行われた第53回関屋記念は1番人気に支持されたプリモシーン(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)が芝1600メートルを1分31秒6で駆け抜けて優勝した。「夏は牝馬」という格言があるように、暑い季節には牝馬が好成績を残している。関屋記念も例外ではなく、牝馬の活躍が目立つ。今年も含めた過去30回の関屋記念で、牡馬は350戦して22勝の勝率6分3厘なのに対し、牝馬は102戦8勝で勝率7分8厘と高い勝率を誇る。しかも今年は2着のワントゥワン(5歳)、3着のエイシンティンクル(5歳)と上位を独占してみせた。今年の暑さは特に厳しかった。ただ今回の関屋記念の結果は性別のせいではなく、種牡馬が要因だと筆者は考えている。種牡馬ディープインパクトの威力は強烈だ。重賞の1~3着独占はこれで15回目。このうち3回は4着までを占めている。だが上には上がいる。ディープインパクトの父サンデーサイレンス(USA)だ。産駒のJRA重賞での1~3着独占は合計24回。この24回のうち4回は1~4着独占、2回は1~5着独占、そして05年のクイーンSではレクレドール、ヘヴンリーロマンス、チアフルスマイル、デアリングハート、エルノヴァ、フィヨルドクルーズと1~6着までを占めたと筆者。

第102回は「あなたが好きな競馬場は? ~人も魅力的な門別競馬場~」
ホソジュンのウマなりトーク

細江 純子/ほそえ じゅんこ

 「あなたが好きな競馬場はどこですか?」その問いに皆さんは、どこを思い浮かべるのでしょうか・・・。たぶんその答えは1つには限らないかもしれませんし、昔と今では変化もあることでしょう。私も現役時代は即答で小倉競馬場を挙げたと思うと筆者。その理由は、小倉の調整ルームに約2か月滞在しての生活は、先輩騎手と夕食を共にさせてもらう機会も多く、そこで得た会話や、優しさに触れた思い出があるからだという。夏を迎える度に初日は、「お帰り」との声がお客様から聞こえ、最終日には、「また戻っておいでよ」「また来てよ」と故郷を連想させる言葉をかけられ、胸がジ~ンと温かくなったと筆者。いま好きな競馬場は?と聞かれたら、真っ先に答えるのが、門別競馬場。この競馬場に足を運んだ知人ほぼ全員が「好き」「いいよね」と言うと筆者。
 今年2018年は、その門別競馬場のキャンプに参加し、競馬場内でのテント泊に、夜はバーベキューを楽しんできたと筆者。その夕食時、五十嵐冬樹騎手やベテラン宮崎光行騎手、若手の井上幹太騎手が、競馬場に初めて足を運びキャンプに参加された方々に、率先して馬や競馬、騎手という職業について話をした際の雰囲気が実にフラットで親近感が湧いたと筆者。主催者の方々も常に調教師や騎手との交流を図っており、馬を中心とした目線で、携わる人々が気軽に話し合え、より良き方向へと向かっていく姿は、傍にいても非常に心地が良いもので、こうした空気感ですごせることも門別の馬の強さの要因の1つだと感じられ、今後の門別競馬場は、さらなる発展と魅力を増していく気がすると筆者は言う。

第117回は『ターフパーク』北海道馬産地ファイターズ

村本 浩平/むらもと こうへい

 札幌競馬場の地下道がこれほどまでに魅力的な空間に変わっているとは思わなかった。イラストレーターの黒地秀行氏によって、両側の壁一面に書かれたウォールアートには、北海道内の名所と最後の直線が繋がれており、そこには札幌競馬場にゆかりのある勝負服が、200頭を超えるサラブレッドの馬上に描かれている。馬場内エリアが「ターフパーク」に生まれ変わったのだ。ターフパーク内のテラス席「セイテンスタンド」では迫力あるレース観戦もできるのではと思えたと筆者。「エルムテラス」「クイーンズテラス」「パビリオン」といった施設は、ダートコースとの距離が非常に近く、ここまで近い距離で競馬観戦ができるのは札幌競馬場だけだろうと筆者。普段はスタンドで競馬を楽しまれている方も、今一度足を運んでいただきたいと思うだけでなく、札幌競馬場の関係者の皆さんも、せめて、外で競馬を見るのが辛くなるまでは、パークウインズとしてのイベントを絡めながら、ターフパークの更なる活用を図っていただければと思うと筆者。

第117回は『夏の偉業』馬ミシュラン

小山内 完友/おさない ひろとも

 8月12日、大井競馬第5レースを的場文男騎手が1番人気のシルヴェーヌで勝ち、佐々木竹見元騎手が持つ地方競馬通算7,151勝を超える、7,152勝を達成。勝利数の日本新記録を樹立した。1973年のデビューから45年、61歳での記録更新である。「佐賀、浦和とファンの皆様には大変お待たせして申し訳ありませんでした。1勝するのがこんなに苦しいとは思わなかったです。でも大井で達成できて本当に良かった」と的場騎手。ゴールドウィッシュの手応えが悪くなり単独先頭となると、編集部内でも「ああ、決まったな」という声。画面越しで静か~に見守ったその瞬間であったが、1コーナー過ぎで2着ヤマショウバトルの西騎手が的場騎手に手を差し伸べたのに無視したシーンが映ると思わず大爆笑と、恐らく現場とは異なるところで盛り上がりをみせていたと筆者。今年のお盆開催は連日の10億円超えで、黒潮盃当日は18億2,134万2,580円の売上。入場も初日から4日目まで1万人超えと連日賑わった。売上活況のこの流れはまだまだ続きそうでなによりだが、大井競馬場では8月28日に「的場DAY」を開催する。「マトT」(7152と書いた赤いTシャツ)を7,152名に配布して、場内を赤く染めるらしい。馬主服の中央競馬では難しい、地方競馬ならではの企画だけに、盛り上がって欲しいと筆者。

せり市場成績

・北海道サマープレミアムセール サラ1歳
・北海道サマーセール サラ1歳

海外ステークスウイナーズ

‘キングジョージ’ 2人気5牡 Poet’s Word がロイヤルアスコットから G1 連勝、今季 G レース3連勝
ジャックルマロワ賞 1人気3牝 Alpha Centauri愛1000ギニーから G1 4連勝、2・3代母も当レース勝馬
ハスケル招待S KYダービー 2着1人気 Good Magic( BCジュヴェナイル G1、 米2歳牡馬Ch.) がプリークネスS 2着2人気 Bravazo下す

海外情報

2017 - 18 AUS 主な2・3歳 G1勝馬

海外セール成績

・アルカナ・オーガスト1歳セール

トピックス

・研修生募集のお知らせ 2018年軽種馬後継者研修募集案内
・2018年生産地懇談会総括
・軽種馬生産技術総合研修センター便り 青森県において肢蹄管理に関する研修開催
・「夏休み牧場で働こう体験会」レポート

海外流通促進

・海外競馬で活躍中の日本産馬(市場取引馬)

種牡馬事業

・2018年 JBBAサラブレッド種牡馬種付頭数

地方競馬ニュース

・地方競馬開催日程 平成30年【10月~12月】
・第18回JBC実施要綱
・Road to JBC
・2018年7月・地方競馬場の売り上げ
・地方競馬所属別在籍頭数/サラ系統(2018年7月1日現在)

生産関連ランキング

・2018年8月各種ランキング
・2018年ファーストクロップサイアーランキング掲載

From 競走馬のふるさと案内所・連絡センター

レポート(日高案内所・胆振連絡センター・十勝連絡センター・東北連絡センター・千葉連絡センター・南九州連絡センター)

The First Win
 JBBA 会員生産の初勝利馬一覧(2018.7.27 ~ 8.20)

カラーグラビア

・JBIS for Tablet

表紙

・ひまわり賞(OP)優勝 カシノティーダ
・JBBA種牡馬ケイムホーム(USA)産駒 カシノティーダ紹介
・live.jbis.or.jp
・北海道オータムセール

JAIRSコーナー((公財)ジャパン・スタッドブック・インターナショナルコーナー)etc

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